なぜソフトは改悪ばかりされるのか

なぜソフトは改悪ばかりされるのか

なぜソフトは改悪ばかりされるのか
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今日,チャットワークをチェックしたところ,サーバーのエラーかなにかで,ダウンしていました。

※ChatWork(チャットワーク)とは、ChatWork株式会社が提供するクラウド型ビジネスチャットツールである。メッセージのやりとりだけでなく、タスク管理やファイル共有、ビデオ通話などが可能である(Wikipedia)

数年前から,自分の事務所で使いはじめ,今では顧客フォローアップは,基本的にチャットで行っています。

さて,そのチャットワークがダウンしていたので,公式ページからブログに飛び,不具合報告を確認しようとしたところ,間違って「ご意見・ご要望フォーラム」ページに飛んでしまいました。

そこでは,ユーザーがどんどん,意見を出しているのですが…
炎上状態になっていました。

…というのも最新のアップデートによって,非常に使いにくくなったからです。
「仕事に支障をきたす」
という意見が,パッと見た感じで3つ,4つ。
具体的な内容を指摘して,何がどう使いにくくなったのかを主張するものもたくさん。
そして…
「前のバージョンに戻して欲しい」
という意見も,たくさんありました。

「改悪」「ユーザー無視」という言葉も,かなりたくさんありました。

技術者側としてはより良いものを…と思ってアップデートしたはずが,
「もとに戻せ」
では,やるせない思いもあるのでしょう。

チャットワーク側のコメントが,以前にはあったのにこの最新アップデートに関しては,一切返信がありません。
開発側はさぞかしへこんでいることでしょう。

さて,このような「大規模アップデート」で,使い勝手が悪くなった…と感じたことは,これまでに何度もあるのではないでしょうか。

有名な例では,WindowsXPの後に発売された,WindowsVista。あまりに使い勝手が悪かったので,ダウングレードしてでもXPを使い続ける企業が多発。
性懲りもなく,Windows8で,スタートボタンをなくす,という暴挙に出て,多くのユーザーから顰蹙を買いました。
強制アップデートを回避するための専用ソフトまで開発されて,Windows8にアップデートするのを防いでいWindows7にとどまるユーザーが多発していました。

このように,今まで使い勝手が良かったものを,アップデートして,かえって使い勝手を悪くする。
顧客の声や気持ちを一切顧みない開発状況。
技術者たちの,エゴと見栄が,このような「被害」をもたらしている…

ということを言いたいのではありません。
実際にその通りだったとしても,今日のテーマは関係ありません。

今のWindowsの例で解説したので,引き続きWindowsの例で説明します。

知る人ぞ知る,黒歴史OS,WindowsME。
1時間に2〜3回はブルールクリーンを見る,という,動作そのものに致命的な欠陥あふれるOSでした。
そんなOSのPCを買ってしまったがために壊れるまで必死て使い倒して…そしてWindowsXPに書い直した時。
その動作の安定性,快適性には感動しました。
今まで使っていたWindowsMEはいったい何だったんだろう…XP,すごすぎ。

それから時が経ち。
Vistaなるものが出ました。
これが,メモリばかりを圧迫して,全くもって動かない。
仕事になりません。
XPにダウングレードしました。

そして,Windows7が出た時。
XPほどの感動はありませんが,その安定性は素晴らしいものでした。
だからこそ,Windows8が出た時の,あまりの使いにくさには怒りがこみ上げてきました。

人は,「良いものを良い」と感じる感情と「悪いものを悪い」と感じる感情とでは,一般的に後者のほうが強くなります。

つまり,WindowsXPが出た時の素晴らしさよりも,Vistaの無能さに腹が立つのです。
7の安定性よりも,8の使いにくさに怒りが吹き出してくるのです。

おそらく,チャットワークも同じでしょう。
これまでによい改良はあったのかもしれません。
ですが,今回のように,使いにくさが先立つと,
「これだからチャットワークは…」
と,無能さ,使い勝手の悪さばかりが目立ってしまうのです。

これが,この手のソフトが「改悪ばかりされる」理由です。
良い改良は,顧客の記憶に残らないのです。
改悪による不快な感情ばかりが,強く記憶に残るのです。

残念ながら,これはソフトウェアに限った話ではありません。
あなたの仕事も,おそらくそうでしょう。
顧客に,一定の満足を与え続けている場合,その「満足感」は,感情につながっていないので記憶に残っていな可能性があります。

だからこそ,何か一つでもミスをして,不快な感情を与えてしまうと,それが強くインパクトに残ります。
そして,この強くインパクトに残る現象は,過去の似たような出来事と繋がります。

例えば,マイクロソフトの場合,
「ホントMEといいVistaといい8といい,本当に救いようのないOSばかり開発しやがって…」
という感じでしょう。

こうして,過去の不快な記憶と連鎖的につながってしまうのです。
Windowsは,なかなか切りたくても切れないサービスです。
なぜなら,取引先がWindowsを使っている可能性があるから,なかなか他所に完全に乗り換えるのは難しいかもしれません。

ですが,あなたのサービスはどうでしょうか。
日頃から,顧客のためによいサービスを提供し続けても,2〜3の失点を重ねると,それが連鎖的に悪感情を増幅され,契約を切られる,ということになりかねないのです。

だからこそ,日頃から
「自分の成果を知らしめる」
必要があるのです。

最後に。Twitterで見かけた投稿です。
ある会社でシステムエラーが多いので,サポート要員を増員。
すると,エラーがなくなり,上司は「あいつは何も仕事をしていないから首だ」
そして,エラーが増えると「ホント,あいつは何もしてなかったからエラーばかりだ」
という話でした。

これが,あなたの未来にならないように,気をつけて下さい。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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