たまたま,何かのきっかけでスピリチュアルに関する広告を見かけたときのことです。
あることを思い出しました。それは書店での出来事です。
人は…無意識に同じような行動をして,同じような思考をして,同じような判断をします。
言い換えると,凝り固まってしまいます。
ですので,日頃しないことを意識的した方がいい。
そんなアドバイスを受けたことがあります。
具体例として,日頃行かない書店内のコーナーに行ってみるといいのだとか。
…そこで,ある時「精神世界」のテーマが並んでいる区画に足を踏み入れたことがあります。
あの「ゾワゾワ」する感覚は今もよく覚えています。
そして,つい先日。
スピリチュアルに関連する広告を見て,思わず舌打ちしたくなるような感覚とともに,この書店での体験を思い出しました。
そこでふと我に返りました。
いつものようにまずは定義です。
定義【Spiritual】
1 精神的な,精神上の,霊的な,魂の
2 超自然的な,神の,聖霊の
3.崇高な,気高い,超俗な
この定義を見るだけでは,「ゾワゾワ」する感覚になるわけではありません。
ということは,本来のスピリチュアルという言葉と,ゾワゾワする嫌な感覚との間に,何かがあるのです。
人は,何らかの体験を通して,そこから判断します。
つまり,スピリチュアルに関して,何らかの体験をして,それからスピリチュアルに関してはゾワゾワするような気持ち悪い感覚を抱く,という判断を抱くようになった,ということになります。
実はこれ,コピーライティングにおいて,リサーチ対象として極めて大切なものだといえます。
人は,
「◯◯といえば☓☓」
みたいな,当たり前すぎて見えない,観念的な要素を知ることが,コピーライティングにおいて大切なのです。
スピリチュアルといえば,怪しい。
スピリチュアルといえば,うさんくさい。
スピリチュアルといえば,気持ち悪い。
このように思うのであれば,「そのように思う」ということと,「なぜそのように思うのか」を知ることが,コピーを書く上で役に立ちます。
ちなみに。
私は,自分自身が「正気」でありたいと願っています。
定義【正気】
精神が正常であること。気が確かなこと。確かな心。
この初期さの本質は「識別」だと言われています。
例えば,犬にかじられたことがある=犬は怖い。
これは識別できていません。
そのかじりついた犬は怖いかもしれませんが,すべての犬がかじるとは限らないからです。
特定の一部について全体化することは正気さに欠ける愚かな判断です。
よくある例が,
「あの人って◯◯だよね」
という全体化です。
特定の一部の言動を以て,その人は◯◯だ,という全体化をすることは,とても見識が狭い,正気とはいえない判断です。
だからこそ,スピリチュアルという言葉を聞いて,不快に思うと同時に,
「ちょっと待て私,何かと混同していないか?」
と自分に問いかけたくなったわけです。
要するに,スピリチュアルに傾倒,盲信するごく一部の人と話して,極めて不快で気持ち悪い感覚に陥ったことがある。
だから,スピリチュアルはキモい。そんな感覚を抱いてしまっていたのです。
とても正気さとは程遠い判断です。
例えば,
「ただずっと願っているだけでそれが叶う」
と本気で信じて,一切行動しようとしない人を見ると,実に気持ち悪いです。
あるいは,「私の前世は〜だから」と絶えず口にする人とか…今を生きていない,まるでゾンビのような人に思えます。
ただ,それはその人がキモいだけ。
スピリチュアルとは一般に「目に見えない世界」です。
見えないから存在しない,というのは私自身は愚かな判断だと考えます。
なぜなら「存在しないことを証明することはできない」からです。
本当に存在していたとしても,自分だけがわからないだけかもしれない。
このような思考の余地は残しておきたいところです。
そして,日本人は古来から「見えないもの」に対する許容度は高い傾向にあります。
きっとあなたも聞いたことがあります。
「お天道さまが見ている」
もちろん,太陽そのものはこちらから見えます。
単純な太陽そのものではなく,より敬うべき精神的な存在でしょう。
その人に顔見世できないような,恥じ入る行動は慎まないといけない,そんな考え方です。
誰も見ていないのに,「〜が見ている」という前提で考える。
これも見えない世界の考え方です。
そして,この考え方をキモいとか考えたことはありません。
おそらく,このブログの読者の多くもそうではないでしょうか。
ただ,本気で人を騙して食い物にし,信じる心をバカにしてあざける思考の持ち主には,
「お天道さまが見ている」
という考えは実に気持ち悪いものでしょう。
話をまとめます。
人は,何らかの感情の前に,一定の判断があり,その前に体験があります。
キモいという感情を抱く前には,キモいと感じる人とであった体験があり,その人をキモいと判断した,ということです。
ただ,全体化しては,正気さに欠けます。
今回はスピリチュアルを例にしましたが,これが極めてコピーライティングに役立つ考え方です。
今回の例をそのまま使うと,
「スピリチュアルってキモい!って思っていませんか?」
というコピーを欠けば,私みたいな判断をしたことがある人が反応する可能性が高いでしょう。
その人に対して,
「気持ち悪いのは一部の人であって,スピリチュアル全体が気持ち悪いわけではない」
という識別をコピーで説明して,その上で納得してもらえる提案をすれば,
「キモい」
と思っている人も納得してもらえるかもしれません。
反対に使うことも可能です。
「スピリチュアルってキモい!って思っていませんか?」
だから理論理屈で徹底的に証明された,目に見える現実的なアプローチをする…という感じです。
以上,どっちにも使える,コピーのリサーチの話でした。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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