先日OA機器の不調で，業者にメンテナンスを依頼しました。
…つまり，散らかり放題の事務所内に入ってもらうことになるわけです。
あわてて，そうじをしました。
まだまだ混沌の海状態ですが，それでも多少は「空間」ができて，気分がよくなりました。
さて，今日のテーマはそうじです。
よく，そうじをすると業績が上がる…という人がいます。
さて，これは本当なのでしょうか。
例えば，経営者が誰よりも早く出勤して，事務所の前を掃く。
これで，業績は上がるのでしょうか。
掃くことと業績との間に，直接因果関係はありません。
例えば，新しく広告を出した。
その広告に，「広告コード20180130」と明記しておきます。
コピーには，「この無料特典をご希望の際は，下記広告コードをお電話にてお伝え下さい」と書いておきます。
これで，この広告と売上との間に直接因果関係は証明することはできます。
ですが…朝５時に起きて，事務所に７時に出勤。従業員が出勤する前に，事務所を掃いた。
午後の商談で受注することができた。
さて，この掃きそうじと，午後の商談受注との間に直接因果関係はあるのでしょうか。
直接因果関係は脇におきます。
あくまでも個人的な意見です。
言語道断です。
掃きそうじは，経営者ではなくともできる仕事です。
ですが，経営者にしかできない仕事はたくさんあります。
そして，思考労働をするにあたって，朝は一番「脳が元気」な状態です。
脳が元気な時に，思考労働を放り出して，掃きそうじ。
逃避行動かのように思えます。
あくまでも，これは思考労働をメインにする，私個人的な見解です。
ここでのポイントは，
直接因果関係が証明できない＝存在しない
ということではない，ということです。
つまり，そうじをすることと，業績アップは，一切関係ない…とは言えない，ということです。
関係するかもしれないし，関係しないかもしれないのです。
…ということは，
「掃除をすることで，業績アップしましょう」
という人は，その背景にある裏付けや理論がなければ，ただのほら吹きだと言えます。
なぜなら，言っていることと結果との間に証明できないからです。
もっとたちが悪いのが，大御所の経営者が
「私は３０年間，朝早起きして事務所を掃いて，業績を支えてきた。君もそのようにしなさい」
などと，後進の経営者に教えを説くことでしょう。
もしこのトンデモ理論が真実であれば，世界の大富豪トップ１０は，清掃業者が占めることになります。
さて，清掃業務は，長者番付の何番にランクインしているのでしょうか…私は知りませんが，興味ある方は調べてみてください。
結論としては，因果関係や理論，裏付けのないノウハウには手を出さないほうがいい，ということです。
おそらく，上記の大御所経営者は３０年も第一線で活躍しているのであれば，そうじ以外の何らかの要因…例えば，良きパートナーや人脈のお陰で，大型受注に繋がった，と考えるほうが自然です。
では，そうじは本当に業績には無関係なのでしょうか。
繰り返します。無関係であることは証明できません。「ないこと」は証明できないのです。
ですが…例えば，こんな場合もあるのです。
「とにかく酒癖が悪くて，毎晩３時４時と飲んだくれていて…午前中はろくに仕事をしていませんでした」
「ある時，『私が３０日間毎朝５時に起きて７時に事務所をそうじできるかどうか』賭けをすることになったのです。周りから『絶対無理』と言われ続けて悔しかったのでチャレンジしました」
「そのためには前の晩の深酒を控えなければなりません。３０日の我慢と思って，飲みに行くのを我慢して，５時に起床。眠かったですが，それでも７時から掃きそうじをしている間に，気分が冴えてきました」
「しかも，まだ７時台で，事務所に誰もおらず，静まり返っています。電話も掛かってくることはありません。その間に仕事をしたところ，とても集中できるようになりました」
「３０日経って，『絶対無理』と言った人達の鼻を明かす事はできて，また飲みに行ったのですが，慣れていたはずの二日酔いの頭痛に耐え兼ねて，気がつけば深酒は卒業。早く起きてそうじをしながら頭をすっきりさせて，仕事に向かうのが習慣になりました」
少々極端ですが，このような例であれば，そうじと業績に因果関係が出てくるかもしれません。
もっとも…それまでは午前中は二日酔いで身動き取れなかった状況から，深酒という悪習を断って，午前中仕事をするようになったのが，直接因果関係でしょう。
おそらく，掃除の代わりに，毎日ジョギングしてから仕事をはじめる…という習慣であったとしても，結果は変わらないかもしれません。
因果関係の証明にこだわると，それこそ刑事裁判になってしまうので，これくらいにします。
因果関係よりも大事なのが，「再現性」です。
すなわち，その人がたまたま上手く行った方法が，他の人にうまくいくかどうかわからないにも関わらず，さも一般論であるかのように伝えるようなマネは慎むべきでしょう。
その上で…そうじを「ルーチン」や，「仕事前の準備」などと割り切って行えばいいのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
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