SNS,そしてネットの台頭によって,以前ほどの酷さはありません。
とはいえ,マスコミによる真実を隠し,国民や国益を害する行動は,目に余るものがあります。
…が,今日はそんなマスコミ批判の話題ではありません。
今日は「真実」の話をします。
結論から言うならば,
「知らなかった」
ことを
「知る」
ことができたとき,人はその知る機会を与えてくれた存在に恩や感謝を感じるものです。
そして,知る機会を与えられなかったときに,その機会を与えられなかった存在に対して,怒りや悲しみをぶつけられるものです。
後者について,具体的な例を出します。
最近,ある犯罪者が出版し,世間を騒がせています。
当時,その犯罪者は未成年。
その未成年によって殺害された子の親が
「真実」
を明らかにするために,民事訴訟を提起しました。
早い話が,
「子を殺されたことに対する慰謝料(損害賠償)請求」
です。
民事訴訟の制度的な問題で,真実は何も明らかにはならないのですが,それでも提訴せずには居られなかったのです。
※被告である犯罪者の親が,一切争わず「原告の言うとおり」という自白が成立してしまったため,なにも新たな真実は出てこなかったのです。
さて,殺伐とした話はこれくらいにしておきます。
もう一度繰り返します。
人は「真実」を知ることができたとき,,その知る機会を与えてくれた存在に恩や感謝を感じるものです。
この「恩や感謝」を別の表現に置き換えるなら,「信頼」だったり「信用」と言えるでしょう。
ビジネスにおいては,この「信頼」や「信用」を獲得することが何よりも大切なのは言うまでもありません。
もちろん,騙して売ることはできるかもしれません。
しかし,騙された人は,同じ人からまた買うでしょうか。
二度と買わないのが当たり前です。
そして,ビジネスにおいては,一度きりの取引しかしないのであれば,そこにある利益はごくわずか。
顧客獲得コストが掛かるにもかかわらず,1度しか買ってもらえないのでは,利益はうすくなります。
信頼してもらって,二度三度と取引を続けることができて,初めて利益は積み上がっていくのです。
信頼してもらうのは大変ですが,遠回りにみえて,これが一番利益を出すための近道なのです。
そして,信頼してもらうためのひとつの考え方として,
「真実」
を明らかにするということです。
「真実」
といえば,何か物々しい感じがするかもしれません。
そこで,
「知らないことを知ってもらう」
くらいに置き換えてもらうと,より分かりやすくなります。
わかりにくいものを,分かりやすくするだけで,競争優位性を獲得できてしまうのです。
有名な例では,このブログでも書いたことがある,シュリッツビール。
製造過程を明らかにするだけで,業界9位から業界首位に躍り出ました。
日本では,「眼鏡市場」などがこの事例に該当します。
多くのメガネ店で,
「フレームの価格」
を売りにしていました。
しかし,顧客は
「レンズまで入れたらいくらまで取られるのだろうか」
と戦々恐々。
そこで,眼鏡市場は,レンズ込みの料金体系にしたのです。
分かりやすくしただけで,大きく売上を伸ばしました。
長野の工務店,エルハウスでは,新築戸建てのシステムについて,業界のヤミを暴露。
坪単価いくら,と安く見せかけていても,様々なオプションを付けて,気がつけば最初の見積の倍くらいになっている…というのが業界水準だったのだとか。
そこで,エルハウスでは,この仕組みを暴露した上で,初めから坪単価を固定化。
これにより,圧倒的な集客を実現しました。
では具体的はどうすればいいのでしょうか。
この場合の難しさ…それは,顧客が
「何を知らないのかが分からない」
ということ。
人は知らないことを認識できません。
「何が知らないのか」
と聞いたところで,それは明らかにはなりません。
身もふたもない表現ですが,集合時間に点呼を取り,
「いない人,手を上げて!」
と呼びかけるようなもの。
できるはずがありません。
同じように,
「知らないことは何か」
を明らかにするのは大変なのです。
まして,あなたはその業界のプロ。
逆に「知らないことはない」かもしれません。
このギャップを埋めるには…顧客と十分に話をするしかないのです。
話をして,相手が何を知っていて,何を知らないのか。
それを見つけ出さなければなりません。
例えば。
15年ほど前,肘の手術をした時のことです。
部分麻酔なので,意識はあります。
とはいえ,手術を受けている間は何もすることはありません。
医師も慣れたモノで,患者の私と雑談です。
仕事のことを聞かれ,司法書士の資格を取った,なんて話をしたところ,
「昔,司法書士に登記頼んだけど,やたらとぼったくられたよね。登記ってなんであんなに掛かるんだろうか…」
などとぼやいていました。
そこで分かったのが,
「登記費用はボッタクリだと思われている」
と言う事実です。
そこで,
「司法書士から説明はなかったのですか?登記費用は,登記をするために掛かる費用なので,司法書士報酬の他に,登録免許税などの税金も含まれています。
半額から3分の2が税金ですよ」
などと言ったところ,医師は
「そうなんだ,知らなかった…」
とのこと。
この体験から,登記費用を請求するときには,
「税金がいくら掛かるのか」
を説明するようになりました。
顧客と話をして,
「何を知っているのか,何を知らないのか」
を十分に耳を傾けて下さい。
この一手間が,あなたのビジネスを飛躍させるかもしれないのです。
最後に。
隠していたわけではなかったにしても,真実を知らされなかったことを顧客が知ったとき。
つまり,何かのきっかけで知らされていないことを知らされたときに,怒りの感情が向けられます。
先手を打って知らせることができれば,怒りの感情を回避できる上に,信頼への手がかりになるのです。
真実をつまびらかにする…抵抗がある場合もあるでしょう。そこを踏み込むことができれば,大きな差別化に繋がるのです。
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