効率を求めることの本質とは

効率を求めることの本質とは

効率を求めることの本質とは
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※写真はイメージです。

経験者にはすぐに分かる…経験がなければちょっとわかりづらい話をします。
飛行機の話です。

機内の座席は、進行方向に向かって、左から横にA,B,Cと3行並び、間の通路を挟んで、D,E,Fと続きます。
A席とF席が窓側席でC席とD席が通路側席となります。
この構造だと、通路が1本しかないので、後方席から登場を開始し、前方席は後から登場します。

なぜなら、前方席の人が先に乗ってしまうと、手荷物を座席の上に乗せたりして通路を塞いでしまうため、そこで人の流れが止まってしまいます。
例えば、前から4列目のD席の人が通路に立って荷物を載せようとすると、そこで列を塞いでしまうため、5列目以降の人はみんなそこでストップしてしまいます。

これはあまりにも非効率的。
出発が送れる原因になります。

あるLCCの便に乗った時のことです。
一般的な対応として、
「まず後方20列目以降のお客様から〜」
と案内していました。
最初に「20列目から最後列(30列目)まで」。
次に「10列目以降」。
最後に「1列目以降」と機内への搭乗を開始します。

これ自体は、ごく普通の話です。

ですが。
非常に頭の悪い案内をしていました。

それは、搭乗口からバスで飛行機まで移動して、そこから乗るのです。
LCCなどは、建物から機内へ直結して搭乗できるとは限りません。
搭乗口から一旦外に出てバスに乗り機内の足元で降りて搭乗することが多々有ります。

そんな時に、上記のような案内をしたらどうなるでしょうか。

(1)20列目以降の後方座席の人を先に案内→バスに乗り込む。
真っ先に乗り込むので、バスの出入口から遠い場所だったり、あるいは座席に座ったりします。

(2)11列目以降の座席の人を【2番目に案内】→バスに乗り込む。
当然ですが、後から乗り込んだので、バスの出入口に近いところに立つことになります。

この状況でバスが発車し、機内へ移動します。
真っ先に降りて、真っ先に機内に乗り込むのは誰でしょうか。
それは、後方座席の乗客ではなく、11列目〜19列目までの乗客です。
この機内真ん中あたりの座席の人たちが、通路を塞いで手荷物を収納するのを、後方座席の人たちは待ち続けることになります。
何のために、後方座席の人たちを先に案内したのでしょうか。

ここではどうすべきだったのか。
後方座席の人たちを先にバスに案内したのであれば、11列目以降の人たちが乗り込んでくる前にバスを発車させること。
あるいは、後方座席の人たちよりも先に、11列目〜19列目の人たちを先にバスに案内すること。

これが「効率的」というものです。

機内に案内するスタッフが、「頭を使わず決められたとおり」に、後方座席から案内したから、このような非効率が起きたのです。

問題点。
それは、スタッフが「頭を使わない」ことがまずひとつ。
それ以上に、待たされる乗客がイライラし、待たせる乗客も焦ってしまい、どちらも望ましくない感情を経験する、ということです。

「効率化」の目的は何でしょうか。
それは、【顧客】により良い勝ちや感情を経験してもらうためのシステムです。
断じて、販売側が、より楽にするために、自分の都合のいいようにするためのシステムではないのです。
そのような、販売側の自己都合的なシステムにより効率化を図ると、どうなるのでしょうか。

例えば、スカイマーク。
「当社は苦情処理部門はないので、苦情は消費者センターに連絡して下さい」
というシステムでした。
これは、
「顧客の苦情は聞く耳を持つ気がない」
という会社側の独善的なシステムです。
…そんな姿勢の会社を顧客はどう思うでしょうか。そんな会社を選びたいと思うでしょうか。
改めて言うまでもありませんが、破綻という結果になりました。

話が変わります。
別のLCCに乗った時のことです。
そこでは、こんな案内をしていました。

「当便では4回に分けて搭乗のご案内を致します」
(1)15列目以降の後方座席、A席B席及び、E席F席。
(2)次に、15列目以降のC席D席。
(3)次に、1列目以降のA席B席及び、E席F席。
(4)次に、1列目以降のC席D席。

この案内を聞いて、
「あ、賢い!」
と感嘆しました。

ちょっと想像してみてください。
普段通りに後方座席をまとめて案内したらどうなるでしょうか。

例えば、28列目D席席(通路側)に座った人の立場で考えてみてください。

搭乗して28列目D席に座った時に、その奥のE席F席席がまだ誰も座っていなかったらどうなるでしょうか。
D席の人は、E席F席の人が来たら立ち上がってその場を退かなければなりません。

E席F席に誰も乗ってこないかもしれません。あるいは最後に乗り込んでくるかもしれません。
D席に座った人は、ずっとE席F席に来る人を待ち続けて落ち着かない時間を過ごすことになります。

また、E席F席の人も、D席の人に退いてもらわないといけないので、あまりいい気分がしません。

…実際、今この記事を書いている私は、28列目D席に座っています。
28列目F席(窓際)に若い女の子が座っています。
彼女は手荷物を収納してから、
「ごめんなさい」
と私に言ったのです。

このような状況を想定した上で、先に窓際と真ん中席の人に座ってもらってから通路側に座ってもらう…このLCCの案内は非常に「効率的」だと言えます。

お互い、いちいち退くなどして面倒な思いを回避できるのです。

もう一度繰り返します。
「効率化」の目的は何でしょうか。
それは、【顧客】により良い勝ちや感情を経験してもらうためのシステムです。

顧客の立場に立った効率化をするということは、何よりも
「顧客のため」
という姿勢を鮮明に打ち出しています。

「当社は顧客第一主義です」
などと100回言っている会社よりも、この後者の例のLCCのほうが、よほど顧客のことを考えています。

人は、
「言うのではなく見せて欲しい」
と考えているのです。

たかが機内への案内の順番です。
小さなことかもしれません。
その小さなことすらできない会社はどうやって顧客のことを考えて行動に移せるのでしょうか。

乗客180人中、この気遣いに気づく人は1人しかいないかもしれません。
その1人は…またそのLCCを選ぶことでしょう。

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