とある懇親会の場でのことです。
たまたまそばにいた人といろいろ話をしていたところ、司会進行の方が、
「せっかくなので自己紹介・PRタイムにしましょう」
とのこと。
立候補制で、様々な人が出てきては、自己紹介をしていきます。
…聞いている人はまばらです。
私と、その側にいた人も、最初は聞いていたのですが、すぐに退屈になりました。
そこで、せっかくなので私はその方に
「自己紹介の極意」
を伝授。
すると、非常に納得して腑に落ちたようです。
今度は彼が自己紹介に立候補。
「会場の女性の皆さん!キレイになりたいですか?!」
と問いかけ…会場の注意を一気に集めてから壇上を降りて戻ってきました。
すると、同じようなやり方で自己紹介する人が増えました。
例えば、
「人前で話をするときは、こんなやり方をすればいいんです。早速練習してみましょう」
という話をする方。
あるいは、
「姿勢をキレイに見せるためにどうすればいいのか」
という話をする方。
会場の中もだんだん歓談から壇上に注意を払う人が増えてきました。
そして…ある人が壇上に上がると、一気に壇上からの注意が霧散していくのが手に取るように伝わってきました。
なぜなら、その人は絶対にやってはいけないことをしたからです。
ということで、ここで問題です。
この最後に会場の注意を散らしてしまった人はどんな話をしたのでしょうか。
逆説的な答えになります。
それは、
「自己紹介」
をしたのです。
「自己紹介タイム」
と言われても壇上に上がって
「自己紹介」
などしてはいけないのです。
なぜでしょうか。
考えてみてください。
その人は、ある売上アップに関するコンテンツを扱っている会社の関係者です。
その人は、かつてどれだけひどい状況にあったのかを切々と語り…それから、そのコンテンツに出会って、どれだけ人生が変わったのかを熱く語っていました。
そんな時に、側にいた、私が自己紹介の極意を教えた方がそっと、
「飯山さん、この自己紹介どう思いますか?」
と尋ねてきました。
「その質問をした、ということは私と同じことを思ったってことですよね」
お互い、苦笑いです。
私の答えは、たった1つ。
「だから何?」
です。
これが、自己紹介をしてはいけない理由です。
その場にいる人達は、壇上で自己紹介している人のことなど、これっぽっちも興味はないのです。
なんで、わざわざ興味を引けない話をするのでしょうか。
コピーライティングにおいて、AIDA(アイダ)の法則と呼ばれているものがあります。
A…Attention(注意)
I…Interest(興味)
D…Desire(欲求)
A…Action(行動)
この順番に展開していくことで、反応の取れるコピーになる、ということです。
他にも様々な法則があります。
が、最初のステップは、いかにして注意・関心を得るか。これに懸かっています。
なぜなら、注意や関心を得られないと、読んでもらえないからです。
これが、そのまま自己紹介にも当てはまるのです。
では、どうすれな注意を惹けるのでしょうか。
先ほど、
>その場にいる人達は、壇上で自己紹介している人のことなど、これっぽっちも興味はないのです。
と書きました。
ならば、何に興味があるのでしょうか。
人間が人間であるかぎり、どれだけ時が流れようと…変わること無く人間は「自分が何よりも大事」です。
いつだって自分のことを考えているのです。
その場にいる人達は、それぞれが自分のことを考えているのです。
ですので、
「役に立ちそう」
「面白そう」
といったものが興味があるということになります。
その「自己紹介」をした人は、「自分の自慢話が、その場の人たちにとって役に立つだろう」というなんともナルシスト…セルフイメージが高すぎてついていけなかったようです。
今日のタイトル
やってはいけない「自己紹介」
これは、そのまま文字通りの意味です。
「自己紹介をしてください」
と言われて、自己紹介をしたら、スルーされます。
それが、世の常です。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平