複雑な物事を,わかりやすく噛み砕いて説明するためにはどうしたらいいのか。
私は,わかりやすい別の出来事に例えて説明する,という手段を使います。
なので,今日はラブレターの話です。
チラシ添削の仕事において,割とよくあるミスです。
しかも,クライアント本人ではなく,チラシを「仕事」として受ける人にこそ,多く見かけるミスです。
お金をもらって仕事して,ここまであまりにもひどいミスをしていいのだろうか,と突っ込みたいのですが,クライアントも,パッと見では気づかないので,突っ込めないようです。
だからこそ,わかりやすく噛み砕く必要が出てくるのです。
以下,適当に書いたラブレターです。
登場人物(全員15歳の中学生)
A男…ラブレターの差出人。
B子…ラブレターの受取人。たくさんの友達に囲まれた中心的な立ち位置。人気者でいつもニコニコ笑っている。
C美…全く別の第三者。物静かで,時間さえあれば本を読んでいる文学少女。
「B子さんへ
B子さんの,いつも物静かに読書してしている姿を見ると,とても心が和みます。
いつしかその姿が,憧れから,恋い焦がれるようになりました。(以下略)」
ラブレターの本文的なものを考えると,メンタル的な何かが,ガリガリと削られるので,これくらいにしておきます。むしろこれで十分でしょう。
これを受け取ったB子さんは,どう思うでしょうか。
自分ではなく,第三者であるC子さんに当てて書くべき内容を,自分宛てに書かれたわけです。
極めて不愉快に思うのではないでしょうか。
自分とC美さんの区別もつかないのか…と,悲しく思うかもしれません。
いずれにしても,ラブレターの宛先を間違えたら,大惨事であることは十分に想像できるでしょう。
では,今度は,常にたくさんの友達に囲まれているB子さんに,直接アタックできないチキンなA男は,第三者であるC美さんに頼んで,B子さんにラブレターを渡してもらうことにしました。
ですので,まずはA男はC美さんを説得しなければいけません。
だからといって…C美さんに説得しようとしたところ,B子さんに対して書くラブレターの内容が,いつのまにかC美さんに向けられた内容に変わってしまい…ただ,宛先だけはB子さんなっている。
そんな意味不明な状況が起きたらどうでしょうか。
アホだ…と笑い飛ばせば済むだけでしょう。
ですが,もしこれに費用がかかっていたら,その費用はどうなるのでしょうか。
さすがにラブレターに費用…というのは無理な設定が出てきたので,本来の話に戻します。
クライアントAさんは,自社の商品をBさんに販売したいと考えています。
そこでBさんと親しいCさんに頼んで,Bさんを紹介してもらうことにしました。
ですが,AさんはCさんと面識のあるDさんに,Cさん経由でBさんに商品を販売できるように段取りを依頼。
それに対し,Dさんは報酬を請求しました。
そして…Bさん向けに,チラシを作成。でもそのチラシの内容はどう考えてもCさんを対象としたものです。
さて,Aさんはそのチラシを見てどう思うでしょうか。
報酬を払っている以上,「ふざけんな」と怒って当然です。
このような現象を,度々見かけます。
デザイナー等が作成するチラシを私のところに持ってきて,
「反応がないんだよね…」
という問い合わせをいただきます。
話を聴いてみると…メッセージの対象が間違っているのです。
例えば,ある「飲食店の経営者」に対して,その「そのお店の利用者」である顧客向けにお土産品を販売したいとします。
この場合,まずは,「飲食店の経営者」に対して,「そのお土産品を取扱いすることが,いかにメリットがあるのか」をきちんと伝えなければいけません。
「飲食店の経営者」が納得すれば,そのお土産品の取扱いを始めるとします。
その時点で,「そのお店の利用者」に対して今度はそのお土産品を購入してもらうためのチラシを用意する…という流れになるでしょう。
ですが…上述のデザイナー等が作るチラシは,「飲食店の経営者」向けに,お土産品を宣伝するメッセージのチラシを作るのです。
ちょっと複雑ですので,クライアントである「飲食店の経営者」も,ちょっと考えないと何が間違っているのか気づかないかもしれません。
ですが…チラシ制作のプロであるデザイナー等が,このようなミスをすることは許されないでしょう。
解決策としては…クライアントが
「それおかしいでしょ」
とツッコミをいれることです。
そのためにも,最低限の知識は持っておいたほうがいいでしょう。
その最低限の知識に…このブログがお役に立てましたら幸いです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
2〜3通りしか集客法を知らない。
このままではまずい…けれどどうしていいかわからない。
そんな方は一度こちらをご覧ください。