先日,夏の高校野球中継を見ていたときのことです。
試合が終わって,ある監督の談話を耳にしました。
いわゆる「敗者の弁」とでもいうのでしょうか,敗戦校の監督のコメントです。
「初回に大量点を取られてしまった。それが影響した」
といったことをコメントしていました。
実際,この敗戦校は,何度も満塁というチャンスを作りながら,なかなか点が取れずに,追いつくことなく敗戦。
監督は,
「1点ずつ…ということではなく,一気に得点しようとしたからではないのか」
と言ったことを述べていました。
なるほど,と思った次第です。
よく,野球では「つなぐ意識」といった言葉を耳にします。
自分が何とかする,ということではなく,次のバッターにつなぐことだけを意識して,打席で仕事をすれば…点につながっていきます。
それができずに,「一気に何とかしよう」と思ったから,大振りしたり,打ちにくい球を狙ってしまったりするのでしょう。
どうにも,今日は絶不調で,筆が乗りません。
一度書き始めれば,気がつけば1500文字,2000文字くらいはすぐに掛けるのですが,どうにも筆が乗らず,時間だけが進んでいきます。
いくつか書かないといけないものがたまってきて…
「一気に書き上げないと…」
とでも思ってしまったのかもしれません。
この監督の談話を思い出して,まずは今日のブログを書き上げようと思った次第です。
さて,この
「目の前の1点」
という考え方は,コピーライティングにおいて,極めて重要です。
対面セールスに強く,コピーライティングやマーケティングだとどうも上手くいかない,という方は,この視点が欠けています。
本来,セールスができる人は,コピーが掛けないはずがないのです。
なぜなら,コピーは「売ること」が目的です。セールスも「売ること」が目的です。
ということは,セールスができればコピーも書けるのです。
もちろん,セールスであれば,対面で顧客がいます。
つまり,視覚情報,聴覚情報,そして言語化できない第六感的な要素まですべてが含まれます。
例えば,完璧なトークを展開したとしても,声が小さくて聞こえなければ,成約しません。
同じように,完璧なトークを展開したとしても,その人の服装がTシャツに短パンだったら…成約は難しいでしょう。
一方,コピーライティングでは,文字情報だけですから,そういった他の情報がない分,成約につながりやすいかも知れません。
もちろん,コピーライティングは,対面ではないので,反論処理等ができません。
成約率としては,圧倒的にセールスの方が上回るでしょう。
では,セールスができるのに,コピーが苦手な人にありがちな「目の前の1点」が欠けている,ということはどういうことか。
世の中に
「みんな」
という人はいません。
あるいは,例えばですが
「30代女性」
という人はいません。
30代女性の方はいますが「30代女性」【という】人はいないのです。
そういった「人ではなく情報」相手にコピーを書くと,反応が取れなくなります。
解決策は…具体的な一人を想定して,その人にセールストークを展開する…つもりで,コピーを書けばいいのです。
実際に,セールストークをICレコーダーで録音し,それを文字起こししたものをちょっと修正しただけで,いいコピーになります。
この考え方は,新商品等を販売するときに,特に重要です。
新商品…つまり,これまでに世になかったものを,文字だけで売るのですから,とても難しい可能性があります。
そんな時,手っ取り早い解決策が,セールスです。
まずは,対面でセールスして売ってしまうのです。
売ってから,そのセールスプレゼンテーションの中で出てきた,相手のニーズは何か,とか,何にリスクを感じているのか,とか,どんな点に魅力を感じたのか,とか,購買意志決定要因は何だったのか。それらを質問します。
できれば,その場でお客様の声をもらえたらベストでしょう。
これらの内容をそのままコピーにすればいいのです。
新商品で,誰もまだ買ってくれたことのないものを売るに当たって,コピーを書くときに,どうしてもターゲット像は不鮮明になりがちです。
「一人に向けて書け」
というコピーのセオリーはわかっていても,実行できない。
そんな時は,まずセールスしてしまう,と言うのも手です。
ゼロに何を掛けてもゼロです。
ならば,まずはゼロを1に変える。
その手段として,必ずしもコピーだけに縛られる必要は無いのです。
まずは,目の前の一人に買ってもらって,喜んでもらう。
ただ,一対一だと,売れる限界がある。
それを拡大する手段がコピーライティングなのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
1つの集客法で7割以上を集客している。
これは危険です。
とはいえ,どうしていいかわからない。
そんな方は一度こちらをご覧ください。