今日は、つい忘れがちな…非常に当たり前の話をします。
それは、「無料の価値」です。
駅前を歩いていると、手渡しでポケットティッシュを配布している人がいます。
そのティッシュの価値はいくらでしょうか。
無料で配っているので、入手コストは0円です。
では、ポケットティッシュのコスト自体は本当に0円なのでしょうか。
繰り返しますが、無料で手に入れたものです。
無料で手に入られるということは、それは価値がないのものなのでしょうか。
もし本当にそうならば、お金を払って手に入れることはできないことになります。
ちょっと思い出してみてください。
スーパーやホームセンターなどで、ポケットティッシュを購入したことはないでしょうか。
あるいは。
駅の公衆トイレの入口に備え付けてある、ポケットティッシュ専用の自動販売機。
ポケットティッシュに価値が無いならば、お金を払って手に入れる人はいません。
しかし、お金を払って手に入れる人はいるのです。
つまり…無料で手に入れたものであっても、そこに価値はあるのです。
非常にまわりくどい表現を続けました。
一言でまとめるならば。
「無料」の価値を表現することを忘れていないでしょうか。
例えば、セミナー。
無料セミナーだからといって、セミナーの価値を十分に売り込むのを忘れていないでしょうか。
もともと価値のあるコンテンツかもしれません。
価値があるものを無料で提供しているから、十分に売り込まなくても来てもらえる…なんて思ってしまっているかもしれません。
ですが、セミナーというものは、拘束時間があります。
その日のその時間、その場にいなければなりません。
その会場に出向く交通費も掛かります。
あるいは、3時間のセミナーならば、セミナーで3時間使うこともあれば、3時間別のことに使うこともできるのです。
単純に時給1000円で働いている人ならば、3時間で3000円になります。
3時間働く以上の価値がある、ということを十分に説明しないと、無料だからといってセミナーには参加してもらえないのです。
セミナーはわかりやすいですが、これは他の無料のものでも何でも同じです。
例えば、メルマガ。
無料のメルマガを登録することにコストがかかるわけではありません。
ですが、メールボックスに大量の売り込みメールで氾濫することもありえるのです。
あるいは、メールを開いてみたら、非常にイライラして不愉快な思いを抱くかもしれません。
実際、私もメルマガでイライラすることはたまにあります。
無料だから来てもらえる。無料だから読んでもらえる。
…そんなことは無いのです。
無料だからこそ、その価値を十分に理解してもらうように努力しないと伝わらないのです。
なぜなら、無料だからです。
無料という言葉自体は非常に強力です。
強い反応を引き出すことが出来ます。
その強すぎる効力が…諸刃の剣になることもあるのです。
なぜなら、無料=0円、ということは価値を測定できないからです。
人は、価値を測定するものさしに「価格」を用いることがあります。
例えば、1000円の食事と3000円の食事では、後者のほうが「価値がある」と判断するのです。
あるいは、5000円のセミナーと、20万円のセミナーでは、20万円のほうが価値がある内容だ、と判断するのです。
ということは、無料だったら、価値測定のものさしが機能しないのです。
無料であればこそ、より価値を説明しなければなりません。
もしかしたら…有料よりも無料のほうが、反応を引き出すのが難しくなることもありえるのです。
「無料」だからこそ、より頑張って価値を伝える努力を惜しんではならないのです。