先日、ベルギーでテロが起きた時のことです。
ある報道機関が、現地の方にインタビューしたところ、こんなやり取りがありました。
「このテロに対して、どう対応しますか?」
という問いに、
「今まで通りの生活を送ります。それがテロへの最も効果的な対抗策ですから」
とのこと。
まさにその通りです。
テロの目的の一つに、
「テロを恐れて萎縮させる」
ことがあります。
その結果、行動を制限させ、テロの影響力を高めることに繋がります。
例えば、一度のテロで、観光客に
「ベルギーはヤバイ、ベルギーに行ってはダメだ」
と思わせることができたら、テロは成功です。
一度の爆発や攻撃だけではないのです。
一度の攻撃で、メディアを通して世界中の人に混乱と恐怖を撒き散らすか。
それが、テロの目的でもあるのです。
さて本題。
熊本をはじめとする、九州地方で地震による被害が発生してします。
被災者にはお見舞いを申し上げると共に、一日も早い復興を願っています。
私自身は、そう思っているのですが、意図的にこのブログで地震の話題は避けてきました。
理由の一つは、テレビ東京をリスペクトして、見習いたいと思うからです。
テレビ東京は、どんな事態であっても平常心を貫きます。
むしろ…テレビ東京が緊急特番などやった日には、本当に日本国家転覆クラスの、文字通り緊急事態でしょう。
その、ぶれない一貫性に憧れて、というのが理由の一つでした。
また、もう一つの理由は、先ほどのテロに通じる話があります。
地震自体は、天災です。
地震が起きることは避けようがありません。
ですが…地震が起きた「後」はどうなのでしょうか。
その時こそ、平常心が必要なのです。
私自身は、コピーライターとして、読み手に心理的影響を与える術を心得ています。
なぜなら、人は感情が動かないと、行動しません。
コピーライティングとは、人を行動させるための技術です。
そのために、まずは感情を動かす事が必要だからです。
コピーライティングを学んでいる立場として、震災の報道を見ていると、
「混乱と恐怖を煽り立てる」
意図が透けて見えてくるのです。
例えば、Yahoo!トップページ。
瓦が落ちて剥がれた熊本城の写真をトップページに載せ、
「無残な姿」
とキャプション(写真の下の短い文)を入れていました。
私が知るかぎりでは、従来の日本家屋の建築において、
「瓦が落ちる」
のは正常なことです。
もともと、地震や台風、水害の多い日本においては、
「台風や水害で建物が流されないように」
という目的で、瓦で建物に重みを加えました、
すると、地震が起きた時に、その重みで建物が崩壊するリスクが高まります。
ですので、瓦は固定せずに、揺れた時に地面に落ちるようにすることで、建物を崩壊から守るのです。
瓦が落ちた熊本城を見て思うべきこと。
それは、
「さすが先人の知恵は凄い」
ということのはずなのです。
ですがそういったことに触れずに、
「無残な姿」
と報道することで、不安や恐怖、混乱を書き立てているのです。
私自身が見たわけではないのですが、別の例で、マンションの耐震技術の話があります。
揺れる時に、その揺れを抑えこもうとすると、建物に負荷がかかります。
マンションのような大きな建物で負荷がかかって崩壊してしまうと大惨事。
そこで、負荷を回避するために、建物に敢えて亀裂を入れやすくする、という設計があるのだそうです。
ただ…それを知らない人は、マンションに大きな亀裂が入って真っ二つ、のように見えます。
その様子を写真に取って、Twitterで投稿。
「いかに地震が凄かったのか」
「マンションの手抜き工事ぶり」
が拡散してしまいました。本来の設計どおりのはずなのにです。
不安や恐怖、混乱を撒き散らすことで、民衆から平常心と、正常な判断能力を奪います。
その上で、民衆を扇動し…何か意図した行動を取らせようとしているのではないでしょうか。
震災自体は、もう起こったことです。
地震がなかったことにはできません。
発生から72時間も過ぎました。
72時間は、救出によって人の命が助かる限界のボーダーラインだと言われています。
そこも過ぎた以上、今の私たちに出来ることは、
「平常心を維持すること」
です。
不安や恐怖、混乱を撒き散らす何者かの意図に踊らさせてはいけません。
その何者かが、どんな意図をもっているのか…まではわかりません。
仮説を立てることも出来ますが、それをここで書くことで、また下手に恐怖を煽りかねないのでそれは自粛します。
私が覚えているのが、東日本大震災の時に、
「買い占め」
に走った人たちです。
本当は買い占める必要などなかったのに、買い占めに走ることで、かえって物資が不足してしまった、という話です。
もしそこに、
「買い占めに走らせる」
意図があったとしたら?
小説などではよく見かけますが、予め物資を買い占めておき、そういう事態が起きてから、高値で売り抜く…という手法もあります。
マスコミは、「そういった何者」の手先です。
なぜなら、マスコミには株主という出資者の意向に逆らうことは出来ないからです。
震災報道は見る必要があります。
だからといって、そこで不安や恐怖、混乱を撒き散らす報道を真に受けてしまえば、思う壺です。
報道の中から
「事実」
を読み取ってください。
その上で…できれば、
「これは不安を掻き立てる報道だな」
とまで見破って欲しいのです。
ボランティアや寄付、物資の輸送など、できることはあるかもしれません。ですが、それすらできないから「私はなにもできない」と思ってしまう人がいたならば…
そんな方がやること、やれること。
それは、「何者か」の意図に踊らされずに、平常心を維持することです。
普通の生活を送ってください。
変な自粛モードに踊らされないでください。
東日本大震災で、日本に大きなダメージを与えた一つに、
「自粛モード」
による経済への打撃だったことを思い出してください。
このブログを見たひとりでも多くの人が、不安や恐怖、混乱に掻き立てられること無く、
「今まで通りの普通の生活」
を送って、平常心を維持いただくことを願ってやみません。