Facebookの胡散臭い広告や,送られてくるスパムメールを,たまにチェックしています。
これもコピーライティングにおいては重要な仕事です。
見ていて気がつくことの1つに,ある特定のキーワードがあります。
それが,
「不労所得」
です。
良くも悪くも,私の癖の一つ。
言葉の裏に込められた意図を読むことです。
定義【不労所得】
労働しないで得る所得。利子・家賃・地代など。
定義【労働】
からだを使って働くこと。特に、収入を得る目的で、からだや知能を使って働くこと。
この不労所得の裏に込められた意図とは,
「労働とは拘束時間である」
というものでしょう。
言い換えると,苦痛でつらい,でもやらないといけないもの。
それが労働だ,という考え方があります。
まるで,刑務所への服役と同じです。
囚人とは違いますから,仕事が終わったら行動や時間の自由はあります。
ですが,仕事をしている間は,囚人と変わらない。
だから,そこから自由になろう。
…このような考え方が,
「不労所得」
という言葉をゴリ押ししている背景にあるのではないでしょうか。
あくまでも推測です。
ただ,そう的外れではないでしょう。
このような「労働は苦役である」という観念を持っていると大変です。
なぜなら,仕事をしていることは辛いこと…になってしまうからです。
仕事中のちょっとした楽しさや嬉しさ,成長を感じる充実感なども,この圧倒的な「苦役」の前には無力です。
ではどうしたらいいのか。
言葉の定義を変えるのです。
世界的権威のビジネス戦略コーチ,リッチ・シェフレンによれば,不労所得とは別の意味になります。
又聞きなので,正確な表現ではないですが,ご容赦下さい。
彼による不労所得とは,
「寝食を忘れるくらいに打ち込めるような仕事をすること」
となります。
それだけ好きで,自分の強みを活かせる仕事をし続けることです。
ここに,
「苦役」
的な労働はありません。
好きで楽しくて得意なことを,ただやり続けたら収入が流れ込んでくる。
これが,彼の言う「不労所得」というコンセプトです。
働くのがいい,とか,悪い…という話をしたいのではありません。
風潮的に「不労所得」がもてはやされる中で,あまりいい気分をしない人も,もしかしたらいるかもしれません。
古来からの,
「汗水たらして働くのが人の本分だ」
といった,観念を強調したいわけでもありません。
単に,ネットでよく見かける
「不労所得」
というコンセプトから,「なんで,苦役な労働をしているの?」といった意図を受け取って,苦々しい思いを抱いているかもしれない,という話です。
もしそうだとしたら,このリッチ・シェフレンの「不労所得」のコンセプトは,ちょっとした気づきになるのではないでしょうか。
これが,一つの「世界を変える言葉の定義」の使い方です。
あなたの思いの奥に,あなただけの「世界観」があるはずです。
もしその世界観がなければ,今の時代はコモディティ化して,すり減り,いずれはビジネスの世界から消滅させられるでしょう。
世界観の確立は避けて通れません。
…が,今日はそれを言いたいのではありません。
今日のポイントは,言葉の定義です。
「不労所得を目指せ」
と言った時に,一般的な「不労所得」と,リッチ・シェフレンによる「不労所得」とでは,まったく世界観が違う,ということはわかるのではないでしょうか。
だとしたら…あなたの伝えたい世界観も,きちんと言葉で定義する必要があります。
特にここでの「不労所得」のように,世の中で一般的に使われている言葉を代用するならば,より精確に言葉を定義しなければなりません。
そうでないと,あなたの世界観は伝わらないのです。
あなたの伝えたい思いや言葉。世界観。
これを,あなた自身が言葉にして,それを伝えてください。
でないと,「不労所得」のような安っぽい言葉に成り下がります。
最後に。
世界観の定義を紹介して終わります。
特定の宗教を,このブログで称賛したり推奨する意図はありません。
ただ…考え方や学びになる,という意図で,敢えて一つ紹介します。
「初めに言葉があった。
言葉は神と共にあった。
言葉は神であった。
この言葉は、初めに神と共にあった。
万物は言葉によって成った。
成ったもので言葉によらずに成ったものは
ひとつもなかった。」
ヨハネによる福音書第1章より。
言葉がなければ,世界が始まらないのです。
定義【世界観】
世界およびその中で生きている人間に対して、人間のありかたという点からみた統一的な解釈、意義づけ。知的なものにとどまらず、情意的な評価が加わり、人生観よりも含むものが大きい。楽天主義・厭世主義・宿命論・宗教的世界観・道徳的世界観などの立場がある。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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