何年も前からずっとお世話になっている,あるコンテンツ視聴用会員サイトが,リニューアルされました。
4つも5つもあったコンテンツ視聴サイトが,1つのアカウントに統合され,一括で見ることが出来るようになりました。
…つまり,1つのアカウントで見られる量が膨大に増えたことになります。
便利になったような,不便になったような,よくわからない状態です。
さて,この会員サイト。
IDとパスワード登録で,ログインしてコンテンツを視聴します。
…ところが,統合後,画面左上にあった検索窓が見当たりません。
これは…困ります。
ただでさえ,たくさんのコンテンツが視聴できていた状態なのに,それらが5つも統合されたわけですから。
早速,サポートセンターにメールで問い合わせ。
「Q 検索窓はどこにありますか?」
さて,この質問に対する回答として,どのような応対が適切でしょうか。
返ってきた答えはこちらです。
「A ログインすればカテゴリ別に絞り込みできます」
とのことでした。
思わず,
「検索窓って言葉の意味はわかりますか?」
と質問してしまいました。
カテゴリ別に絞り込みができるのはわかっていました。
ですが,検索ができないので困って問い合わせしたわけです。
このような,
「質問に答えているようで答えていない」
対応をされると,急激に醒めます。
この場合,この回答を見る限りでは,検索窓がどこにあるのか,あるいは存在していないということが何一つわからないのです。
もしこの
「Q 検索窓はどこにありますか?」
という質問に正面から答えるならば,
「〜にあります」
もしくは,
「ありません」
という答えです。
正直,検索できないくらいなら,アカウント統合しないでくれ…と思うくらいに迷惑な話ですが,それでも
「ない」
なら
「ない」
という答えをはっきり答えてもらえたほうが,スッキリはします。
納得できるかどうかはまた別ですが…
おそらく,サポートセンターでは
「ただいま,検索窓は実装されておりません。ログインページから,カテゴリ別に分類はすることができますので,そちらの機能をご利用ください」
と答えたかったのかな,と思われます。ですが,肝心の質問に対する答えそのものを省略してしまうと,
「はぐらかされた」
感じになってしまうのです。
さて,このような応対。
割とやってしまいがちです。
例えば,
「納期はいつですか?」
という問いに,
「非常に立て込んでおります」
という答え。
これは何一つ回答になっていません。
回答としては,
「申し訳ありません,非常に立て込んでおりますので,最短で1週間ほどお時間をください」
という感じなら,
「具体的回答」
です。
では,整体師などの治療家が,
「私の症状,治るのですか?」
こんなことを聞かれたとしたらどうでしょうか。
この場合,
「治る」
「治らない」
のどちらかが,質問の答えになるのですが,どちらも断言はできないでしょう。
だからといって,
「◯◯さんは,治りました」
という答えだと目も当てられません。
きっと,
「『私』の症状を聞いてます。あなたは『私』という言葉の意味,わかりますか?」
ということになりかねません。
解答例としては,
「毎週最低1回,2ヶ月間通っていただくのと,日常生活で〜をしないこと。この2点を徹底していただけるなら,80%程度は治るというのが私の見立てです」
という言い方ならできるでしょう。
下手に「私(ここでいうクライアント本人)」の軸から,下手にずらしてしまうと,機嫌を損ねるだけでしょう。
私は,言葉を扱う仕事をしているので,このように「言語化」ができます。
ですが,言語化というものは,得意不得意,あるいは慣れ不慣れの問題があります。
上記のサポートセンターの例の場合,
「検索窓がどこにあるのか」
という問いに対して,全く的外れの
「絞り込みができます」
という回答を見て,
「回答がズレている」
ということがすぐにわかります。
ですが,ズレていることがすぐにわからない場合,
「絞り込み機能」
あるいは,
「すぐに見つからない検索窓」
に対して,不快な気持ちが向けられます。
本当は,質問に対して,はぐらかされたことが原因なのに,です。
そして,顧客満足度を高めるために,
「何が不満なのか」
を特定するにあたって,間違った原因を見つけてしまうことになるのです。
「ない」
なら
「ない」
とはっきり言えば,クレームにならないかもしれません。
ですが,答えをはぐらかしてしまうと,クレームになるかもしれないのです。
もちろん,空気を読んで
「きっとないんだろうな」
と拡大解釈してくれる顧客はいるかもしれません。
ですが…顧客の心のなかには,
「質問に真摯に答えてもらえなかった」
という不満が残るのです。
これがコピーになると,もっと顕著です。
顧客の脳内にある,
「知りたいこと」
に対して,コピーで答えていないと,不審感を抱きます。
例えば,意味不明な値引きを見た時に,
「何で安くなっているか」
が知りたくなるでしょう。
その時に,答えがない…あるいは,ズレたことを答えてしまうと,とたんに胡散臭くなってしまうのです。
コピーは,文字化されたものなので,書く時に何度も読み返すことで,
「ズレている」
ことに気付けるチャンスがあります。
ですので,コピーをしっかり書く訓練をしながら,日常の顧客との受け答えに活かしてもらうほうが効果的でしょう。
最後に蛇足。
この「答えているようで答えていない」回答。
政治家や官僚,マスコミの常套手段です。
質疑応答の際に,どれだけ「ズレた」答えばかりをしているのかに気をつけて,聞いてみて下さい。
彼らは「言質を取られない」のが重要な仕事なので,仕方がないと言えば仕方がないのですが…
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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