今日は、非常にテクニック的な話をします。
実践するには限度がある話です。
起業直後や、大きな損失を出して、手っ取り早く稼がないとヤバイ、という緊急事態の時に、思い出してみてください。
理由も含めて紹介します。
さて。
ある歯科医があるとします。
そこは、他の歯科医と差別化するために、しっかりとカウンセリングをすることにしています。
初診時には、必ず最低60分のカウンセリングを行ってから、治療に入ります。
そんな歯科医。
あなたは行ってみたいと思うでしょうか。
思うなら、その理由を。
思わないのであれば、その理由を。
あなたなりに考えてみてください。
いかがでしたでしょうか。
あなたなりの理由は考えていただけたでしょうか。
私の答えは、
「こんな歯科医は嫌だ」
と思います。
理由は、
「【必ず最低60分】のカウンセリング」
を行うからです。
ちょっと考えてみてください。
あなたは、どんな時に歯科医に行くでしょうか。
あなたにとって、歯科医とはどんな場所でしょうか。
私にとって、歯科医など、行かずに済むなら一生行きたくないところです。
歯が悪くなる前に行けば、治療も短く、すぐに改善できるのでしょうけど、行かずに済むなら…とつい先延ばしにしがちです。
その結果、どうなるでしょうか。
私は…歯が痛くなってから、歯科医に予約を入れて、駆け込むというパターンが多々あります。
そんな状況において、
「【必ず最低60分】のカウンセリング」
など始まったら、
「ふざけるな」
と思うでしょう。
さっさと、この痛みをなんとかして欲しい。
私ならそう思います。
ここでのポイントは、【必ず】というところです。
もちろん、実際にそんな歯科医があったとしたら、もう少しフレキシブルに対応して、今その瞬間に痛いなら、何とかしてから…ということもありえるでしょう。
話をわかりやすくするために、敢えて【必ず】としました。
このようにいまこの瞬間に歯が痛くて痛くて仕方がない。
そんな状況にある人に対しては、どんなコピーを書けばいいのでしょうか。
決して、
「当歯科クリニックでは患者様との対話を重視して、必ず60分以上のカウンセリングを実施しています」
ではないでしょう。
おそらく、
「受付から5分以内に治療を開始します」
というコピーのほうが反応が取れるのではないでしょうか。
コピーライティングといえば、その商品の良さや強みを売り込んで買ってもらえるために、技を駆使する…と思っているとしたら、必ずしもそうはならないのです。
緊急性が高くなればなるほど、コピーで売るのは楽になるのです。
ということは、どうしてもすぐに売上がほしい。
あるいは起業初期で、まだ顧客がいない。
そんな人がなすべきこととは何か。
このような緊急事態に陥っている人を探して、その人にセールスすることです。
これが、一番早くて楽です。
ただ、冒頭に警告したように、これは非常手段です。
なぜでしょうか。
そんな緊急事態に陥っている人など、そうそう見つかるものではないからです。
あるいは、同じように、このような緊急事態に陥っている人を狙っているライバルがいて、競争が激しくなるからです。
コピーには、難易度があります。
それはその扱う商品やサービスの問題とはまた別です。
一般に、緊急性が高くなればなるほど、コピーの難易度は下がります。
逆に、緊急性が下がると、コピーの難易度は上がります。
例えば、整体院。
肩こりや腰痛などの慢性的な症状は、緊急性が下がります。
なぜなら、慢性化して、自覚されていないからです。
そんな人に向かって、コピーで販売するのは、難易度が上がります。
逆に、緊急性が高くなる事態とはどんな時でしょうか。
アメリカンジョークとして、事故に遭って病院に担ぎ込まれ…意識を取り戻したら、弁護士の名刺が積重って山になっていたのだとか。
これも緊急性の例でしょう。
救急医療よりも先手を打てれば…とは思いますが、なかなか現実的ではありません。
ではどうしたら良いのか。
マラソン大会などに出かけて行き、そこでブース出展して、そこで施術する。
これが、緊急性の高い顧客へのアプローチだと言えます。
緊急性の高い人だけを相手にする。
これは、非常に高いコミットが要求されます。
例えば、集客コンサルタントなどが、本当に緊急性の高い人向けに、コンサルティングをする、とはどんな状態でしょうか。
「30日以内に業績改善しないと会社が倒産する」
ような状態です。しかも、報酬の先払いはとても見込めません。
けれど、30日以内に業績改善しなければ拙いので、24時間つきっきり…くらいの覚悟が必要になるでしょう。
ですが、逆にそこまでの覚悟があるならば、売るのは難しくないでしょう。
まとめます。
顧客の緊急性によって、コピーの難易度は変わります。
あなたは、どのレベルの緊急性にアプローチしているのか、ちょっと考えてみてください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平