コピーの反応率を改善するよりも大切なこと

コピーの反応率を改善するよりも大切なこと

コピーの反応率を改善するよりも大切なこと
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ろくに読んでもいないのに、新聞を購読し続けています。
辞めようと何度も思うのですが、なんとなく続けています。
なぜなら…やめてしまうと、広告やチラシが見られないからです。

何ヶ月かに1回くらいは
「おお、すばらしい」
と思える広告があるものです。

言い換えると、その何ヶ月かに1回以外は、大したことのない広告ばかり。
見ていて感心するものは何もありません。

今日はそんな広告チラシの中から、1つ紹介します。

コピー自体は、それほど良くもないですが、他の似たような業種よりはずっとマシなもの。

それは、
「外壁塗装で(金額)万円はありえません」
「余分な経費を徹底的に排除」
というものです。

基本的なコピーだと言えます。
具体的には、まず典型的な煽りコピーだということ。
煽りコピーの是非はさておき、注目を得ようとするための努力をしている、と言えます。
もう一つは、敵を作ることで、自社を味方だと認定させようとする努力です。

オファーも、他の要素も酷いといえば酷いのですが…それでも努力しているチラシだと言えます。

ただ、それでもこの広告でどれだけ反応が取れるか…といえば、正直難しいでしょう。

それが、今日のタイトル
「コピーの反応率を改善するよりも大切なこと」
です。

より素晴らしいコピー、より精度の高いオファーや構成要素のチラシにすることで、反応率を上げることは出来るかもしれません。
ですが…五十歩百歩の世界です。
もちろん、反応率が0.01%変わるだけで大違いではあります。

仮に、チラシを1万枚配布するとします。
そのうち反応率が、0.01%。
すなわち、1万枚の配布で、反応数が1件になります。

仮に、コピーを改良した結果、反応率が、0.5%改善したとします。
0.0015%に上がった場合、実際にチラシ1万件の配布で、反応数は何件でしょうか。

計算上は1.5件です。
ですが、現実として1.5件という反応は存在しません。
現実においては、反応数に、小数点以下などないのです。小数点の世界は、データ上だけの話です。
よって、反応率は1件です。
コピーを改良してもしなくても1件のままなのです。
配布数を10万部、100万部…と増やせばきちんとデータ測定できるかもしれませんが、折り込みコストもそれだけ掛かります。反応を測定するためにコストを掛け過ぎるのは本末転倒です。

では、何が問題なのでしょうか。
それは、コピーの目的とするターゲットの話です。
直接的な表現をするならば、この広告コピーでは「今すぐ客」しかターゲットにならないのです。
すなわち、今この瞬間も壁の塗替えをしないと…と思っているような人しか、このコピーでは反応しないのです。

そして、この「今すぐ客」は、広告の中でも最激戦区。
非常に競争が厳しい世界です。
あるコンサルタントいわく、この今すぐ客は、買う可能性のある人達全体のうち1%程度しかいない、ということです。

チラシという媒体上、新聞購読者のあらゆる家庭に配達されます。
賃貸物件だったり、公営住宅だったり…あるいは、立てたばかりの新築住宅だったり…といった世帯にも配達されます。
仮に1万件の配達のうち、塗替えの可能性のある家庭…すなわち、持ち家で、新築してから…あるいは前回に家のメンテナンスをしてから一定年数経っている世帯はどれくらいでしょうか。
データは持ち合わせていないので、仮に10分の1の1000件だとします。
その1000件のうち「今すぐ客」は1%。
つまり、10人です。
その10人に対して、ありとあらゆる広告媒体、競合他社が殺到するのです。
外壁塗装をする企業が、何社あるでしょうか。
広告を折り込んでいる会社が何社あるでしょうか。
あるいは、広告以外のメディアで宣伝している会社は何社あるでしょうか。
それ以上に…この10人にしても、知り合いや伝手はあります。そこに頼まないで、新規の見ず知らずの会社にわざわざ依頼する理由はどの程度あるのでしょうか。

こんな状況下において、コピーを多少改善したところでは、たかが知れていると言う他ありません。

単純に改善するならば、チラシを撒く頻度やエリアを増やせば、受託件数は増やせる確率は上がります。
それに比例して、コストも上がります。
費用対効果として割に合うかどうかはなんとも言えないところです。

ではどうすればいいのか。
単純に「今すぐ客」以外をターゲッティングすればいいのです。
具体的には「いずれそのうち客」以外をターゲッティングします。
そういった顧客を相手に、日頃からコミュニケーションを取り続けます。

そして、「いずれそのうち客」が、「今すぐ客」にバージョンアップした瞬間にセールスすればいいのです。
あるいは、「いずれそのうち客」に教育することで、「今すぐ客」に変化してもらうことです。
その「バージョンアップする瞬間」が何年後なのかはわかりません。
ですが、その期間が5年だろうと10年だろうと…それでも、この「今すぐ客」だけを相手にし続けて消耗戦に突入するよりはずっと楽で低コストでしょう。

なにより…日本人のメンタリティにあっています。
狩猟民族的に、ライバルを打倒して狩りをするよりも…種を植えて、育てて、収穫…すなわち、そのうち客を今すぐ客に育ててセールスする。
そのほうが、気が楽なのではないでしょうか。

この記事で、あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平

 

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