何となく,新聞を見ていたときのことです。
写真は,今日(平成28年10月25日)付苫小牧民報の投書です。
詳しくはご覧いただければわかりますが,ざっくりとまとめると,
1.診察をさっさと終えようとした
2.患者側が質問しようとしたら黙らせた
3.患者の質問に「それは私には関係ない」
という医師の対応について,書かれたものでした。
個人的には,
「かなりチャレンジャーな医師だなぁ」
という印象です。
この当初自体は,誰かを中傷するようなコメントは掲載されないことになっています。
ですので,病院名までは掲載されなかったのでしょう。
しかし,今の時代はSNS全盛です。
この女性が,FacebookやらTwitterやらで病院名や医師名までを記載して投稿したら…一気に広がる可能性があるでしょう。
さて,今日のテーマは,
「ネガティブコピーの価値」
です。
ネガティブな広告というのは問題ないのでしょうか。
行き過ぎると,煽りなどとそしりをうけるかもしれません。
…ですが,人はネガティブな情報というのは欲しがるものなのです。
なぜでしょうか。
ちょっと想像してみて下さい。
もしあなたが,30代女性だとします。
娘の咳が止まらなくて,途方にくれているとします。
しかも,娘は来週に発表会があります。
一人の母親として,ずっとその娘に寄り添ってきました。
娘がどれだけその発表会のために時間を費やして努力してきたかを,よく理解しています。
その発表会で最高の思い出づくりをしてもらうためにも,この咳をなんとかしてあげたい…心から願っています。
けれど,医師ならぬ身です。
応援したり励ましても,咳が止まるわけではありません。
そんな時に,先程の医師や病院の情報…というのは,ネガティブな情報に含まれます。
その情報知りたいでしょうか。それとも,ネガティブな情報には触れたくない…と思うでしょうか。
もちろん,その情報,知りたいはずでしょう。
病院名や,医師の名前…知れるものなら知りたいでしょう。
なぜか。
絶対にその病院には行きたくないからです。
私は女性でもなければ娘もいません。
ですが,私でもイヤです。
そんな病院,行きたくありません。
誰でも,嫌な体験はしたくないのです。
…だから,ネガティブな情報だとしても,それを仕入れておくことで,自分が嫌な体験をしなくて済むのです。
もしかしたら…実名で投書され,それが掲載されたなら…投稿した女性は,他の人から感謝されるかもしれません。
「あなたのお陰で,嫌な体験を避けることができました」
などと言うかもしれません。
人間の行動原理は,たった2つしかない…と言われています。
1つは,快楽を求める。
もう1つは,苦痛を避ける。
どちらが強いのか。
言うまでもありません。後者の方です。
人は,快楽がないことで死ぬことはないでしょう。
でも…苦痛で死ぬことはあります。
人として…それ以前に,生物として「生存」しようとする場合,苦痛を避けようとする行動原理は,ある意味当然です。
だからこそ,人は
「ネガティブな情報」
は嫌がりつつ…でも,本当は欲しいのです。
…もっと嫌な思い,したくありませんから。
この考え方…コピーに適用するとどうなるでしょうか。
ネガティブなこと,書くのは好きではないかもしれません。
でも,ネガティブなことを書きたくない…というのは,コピーライターの,あるいは広告制作者のエゴです。
コピーというものは,あるいは,広告というものは,基本的に見込み客に読んでもらうためのものです。
ということは,見込み客の興味を引くために,必要とあらばネガティブなことも書く必要はあるのではないでしょうか。
そして…ネガティブなことを書くことでさけて通れないのが,
「煽り」
という誹りです。
一昔前に,煽りコピーが横行したせいで,ちょっとでもネガティブなことを書くとすぐに,
「ああ,煽りだね」
と言われるようになりました。
だからこそ,気をつけてほしいのです。
煽り…とそしられるかもしれません。ですが,煽りと謗るのはだれでしょうか。
買わない人ではないでしょうか。
仮に,広告で反応率3%だった場合,100人中3人が購入することになります。
そして,3%という数字が,反応率として十分な数字だとします。
ということは,100人中3人が,お客様です。
私たちはこの3人を大切に歓迎すべきです。
97人が「煽りだ」とネチネチ言ってきても,スルーすればいいのです。
その3人の為に,他から「煽り」だと言われようと,ネガティブな情報もきちんと伝えなければならないのです。
なぜなら,そのほうが,その3人にとって,価値があるからです。
「誰」のためなのか。
それを忘れないでください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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