ハロウィンと言えば…●●?!

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先日ある友人と話をしていた時のこと。
「ハロウィンって、急に広がったよね」

言われてみれば、ここ4〜5年程度で急激に広まった感があります。
しかも、A.T.カーニー 日本法人会長梅澤高明氏は、経済系報道番組ワールドビジネスサテライトにて出演中「バレンタインと経済効果は同程度までになった」旨述べています。

では、バレンタインくらいまで認知されるようになったハロウィンとは何でしょうか。

「ハロウィン、あるいは、ハロウィーン(英: Halloween または Hallowe’en)とは、毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカ合衆国で民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている」(ウィキペディアより)

クリスチャンではない日本人による。「なんちゃってクリスマス」みたいなイベントということなのでしょう。

たまたまテレビをつけたところ、
「ハロウィンにはケンタ●キー」
とのCMが流れていました。
意味がわかりません。

そもそも、ケンタ●キーといえば、クリスマスのイメージが定番です。
クリスマスといえば、イエス・キリストの降誕祭です。
キリスト教の盛んなアメリカ等では、ターキーでお祝いをする風習があるそうです。
とはいえ、日本ではターキーはなかなか手に入れられません。
そこで…代替商品としてケンタ●キーフライドチキンが台頭。
今ではすっかり「クリスマスといえばチキン」という風習が出来上がっています。

一応…ターキーの代替商品という「理由」があります。
ハロウィンは…なんでハロウィンにケンタ●キーなのでしょうか。

もしかしたら、クリスマスに次いで、二匹目のドジョウを狙っているのかもしれません。

とはいえ、言い出したらきりがありません。

では、ここでの問題は何でしょうか。
おそらく、ケンタッキ●に限らず、ハロウィン商戦で同じように何の脈絡もなく
「ハロウィンと言えば〜」
と売り出している他の全ての業種と競合することになります。

もちろん、業種的に直接競合にはならないこともあります。
けれど、単純に「ハロウィンと言えば〜」としか言わない他の全ての業種と十把一からげに扱われることになります。

なぜか。
それは「理由」がそこにないからです。

一方。
先日見かけた別のキャンペーン。
ハロウィンなので、コスプレした女性社員が、魔女になりきって…ストーリーを展開。

これは理由になるでしょうか。
ハロウィンに「魔女のコスプレ」は定番です。
魔女が登場して、そのストーリーの中でその商品を提供する、ということに一貫性があるのであれば…そこに「理由はある」と考えても良さそうです。

論理的に追求すれば理由はないでしょう。
一応法律職のはしくれですので、考えるまでもありません。
ですが…ここまで深く考えて「理由がある」「ない」を判断する人は少ないでしょう。

何よりも、「理由」っぽけれぱ論理的に筋が通らなくても問題ない、という実証実験がなされています。
「影響力の武器」という非常に有名な著書で、この実証実験が紹介されています。

ざっくりまとめると次の通り。
行列のできているコピー機の前で、
(1)「コピーを先に取らせて下さい」とお願いしたら、60%の人が承諾。
(2)「【急いでいるので】コピーを先に取らせて下さい」とお願いしたら、93%の人が承諾。
(3)「【コピーを取りたいので】先に取らせて下さい」とお願いしたら92%の人が承諾。

(1)は、理由がありません。
(3)は理由っぽいような…でも理由にはなっていません。
それでも(2)とほぼ数字が変わらないのです。

ここに「人は理由に反応する」という心理トリガーの存在があるのです。

だからこそ、
「ハロウィンと言えば〜」という理由もない、自分の都合のいいことだけを言っていても、人は反応しないのです。

魔女の女の子がどうしてもその商品を売らなければいけない理由を演出したからこそ…また違った反応になるのです。

自分に都合のいいことだけを一方的に並べて、理由を述べなければ…埋もれます。
せっかく、大企業をはじめ、いろいろな企業が多角のコストをつぎ込んで、
「ハロウィン」
という出来事を日本国内で一大イベントとして育て上げたのです。

ただで便乗するのは全然問題無いですが、そのまま何も考えずに便乗するのはなんとももったいない話です。
ちょっとだけでいいので、一捻りしてみてください。

 

 

 

 

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