羽田空港から,新千歳空港までのフライト中のことです。
写真の通り,私の座席の前には,小さな子ども連ればかり。
座席を確認して…この画面を見たときには,思わず天を仰ぎたくなりました。
以前,機内の安全確認の放送が聞こえないレベルで,子どもが泣き叫んでいて,非常に嫌な思いをしたからです。
実際,機内に搭乗すると,早速前の座席には,2歳くらいの幼女が母親らしき女性の膝の上にいます。
母親と幼女が会話をしているのが聞こえます。
…幼女独特の甲高い声ゆえ,少々耳に障ります。
ですが,この程度なら許容範囲です。
しばらく話をしていた後…母親がスマホを取り出して,イヤホンを耳にいれ…すると幼女が顔をしかめて泣き出す寸前です。
夜のフライトゆえ,外が真っ暗。
鏡状態になった窓に写った子どもの表情が視界に入ります。
すぐに,母親が何か対応をしたのでしょう。
子どもの顔が穏やかになりました。
それを2回,3回繰り返すうちに,子どもは寝入ってしまったようです。
最後まで子どもが泣き出して大騒ぎすることはなく…おかげで快適な空の旅となりました。
以前のフライトでは,子どもがどれだけ泣き叫んでも,全く相手にせず…ますます大声で叫ぶ子ども。
この時の違いは,親がきちんと子どもの注意を惹き続けたからでしょう。
私には子どもがいません。
だから,親の苦労というものは,想像すらできません。
ただ…夜21時半発のフライトで…疲れているでしょうに,子どもを泣き叫ばせること無く,最後まで注意を惹き続けた。
この幼女の母親は素晴らしい。
一言に尽きます。
さて,今日のテーマは,「注意」です。
小さな子どものコミュニケーションは,とてもシンプル。
母親から注意を向けられていれば,安心して泣き叫ぶことは,そうそうないでしょう。
電車の中などで,子どもが大騒ぎしても,注意しないアホ親は,たいていスマホをいじっていたり,ママ友との話に夢中になっているから…というオチが多いのではないでしょうか。
ここで,非常に興味深い表現があります。
「注意」の価値とは何でしょうか。
定義【注意】(広辞苑)
(1)気をつけること。気をくばること。留意。「細心の注意を払う」
(以下略)
興味深いのは「注意を【払う】」という表現です。
定義【払う】(広辞苑)
(前略)
(6)金銭を渡す。支払う。
(7)心を向ける,力を注ぐ。
(攻略)
本来,ここでの「注意を払う」,という表現の「払う」は(7)の定義がふさわしいでしょう。
しかし,単純に「払う」というのは(6)の定義を想像するのではないでしょうか。
…今の時代,注意というものは,「払う」に値する,価値あるものになっています。
コピーライティングを学んでいれば,一度は聞いたことがある,「AIDAの法則」があります。
A…Attention(注意)
I…Interest(興味)
D…Desire(欲求)
A…Action(行動)
この順番でコピーを書けばいい,という法則です。
今の時代は,とにかく,最初のA。これが一番重要です。
人々の注意を惹くのが,それだけ大変になってきた,ということです。
例えばスマホ。
上述のように,自分の子どもが泣き叫んでも,子どもに注意を払わずにスマホをいじっているアホ親すらいる状況です。
それだけ…「注意」というリソース(資源)が不足している,ということです。
今回の話では…機内で1時間半のフライトは,退屈でしょう。
子どもを膝の上に載せていれば,私のようにパソコンを広げて作業をすることもできません。
せいぜい,スマホをいじるくらいしかできないでしょう。
スマホすらも,機内モードですから,制限が掛かります。
とにかく退屈のはずでしょう。
それでも,子どもに注意を払い続けたから,子どもは安心して眠り…お陰で,私も心穏やかに過ごすことができました。
基本的なマインドセットです。
今の時代はそれだけ注意というリソースが不足している,ということです。
子どもが泣き叫んでも,注意を惹けない。そんなこともある時代なのです。
そんな時代に広告宣伝をするならば,それだけ「注意というリソースが足りない」ということは,頭に入れておかなければならないのです。
このことを頭に入れておけば…
独りよがりのコピーがまずい,ということに気がつくでしょう。
単に物珍しいだけでは注意は惹けません。
「無料」という言葉さえ使えば,注意は惹ける時代ではなくなりました。
もちろん,選挙カーの如く,商品名や社名だけを連呼する,うざい広告は注意を惹くことはできません。惹けたとしたら…それはネガティブな反応をされるだけでしょう。
見え透いた,安っぽい嘘くさいベネフィットを提示しても,やはり注意は惹けません。
「あ,またコレ系ね,はいはい」
と思われればマシです。そのような思考すらさせずに,意識から除外されるでしょう。
これがわかっていれば…広告宣伝は,より真剣に,より必死になって考えないと成果が出ない,ということがわかるはずです。
では,この注意というリソースが足りない時代において,どのような対策が取れるのか。
一つの例を紹介して終わります。
単純に,情報があまりにも多すぎて判断できず,何に注意を向けていいかわからない。
そんな時代だからこそ,顧客は手っ取り早く判断したいと思うはずです。
たくさんの情報を一つ一つ吟味して判断…などしたくないはずです。
ならば…すぐに判断できて,かつ安心できるとしたら,それはどんな状況でしょうか。
一つの模範解答が,紹介です。
情報があふれるこの時代において,いちいち考えることすら億劫になっています。
信頼できる人からの紹介が効果をもたらすのです。
もし,紹介に力を入れていないならば,一度,紹介システムの導入を考えてみてください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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