先日、スーパーで買い物をしていると、ある商品を見かけました。
ご存じの方も多いでしょう。
「たけのこの里」
「きのこの山」
というお菓子です。
この2つの商品は、いわゆるネタとして扱います。
すなわち、どちらがいいのか…ということです。
いわゆる「きのこたけのこ戦争」と呼ばれ、「きのこの山派とたけのこの里派によりネット上で果てしなく繰り広げられる戦い」を意味します。
明治製菓のチョコレート菓子のファンである「きのこの山」派と「たけのこの里」派の論争を企画化したものです。
興味ない人にとっては、本当にどうでもいいことであり、あるいはどっちでもいいじゃないか…と思うことを煽り立てて面白おかしく盛り上げているだけの話です。
同じようなネタがあります。
もしかしたら、こちらのほうが身近かもしれません。
それは、唐揚げレモン戦争です。
唐揚げにレモンを掛けるか、掛けないか…という論争があり、これも煽り立ててネタとして確立された話です。
唐揚げにレモンを掛けると、さっぱりした味わいになります。その代わり、唐揚げの衣が、レモン汁を吸うことによって、しっとりします。
それが、ぱりっとした食感を大切にしたい人には許しがたい話のようです。
では、この唐揚げレモン戦争の本質は何でしょうか。
それは、レモン派による気遣いのなさに起因します。
ちょっと思い出してみてください。
居酒屋等に飲み会に行ったことの一度や二度はあるでしょう。
その時に、店員が唐揚げを運んできて、テーブルの上に置きます。
すると…誰かが、その唐揚げに添えられているレモンを取って、さっと絞り汁を掛けます。
これが戦争の原因です。
この何が不味いのか。
それは、
「唐揚げにレモンを掛けない」
という選択肢を排除していることです。
特に結果的に不味いのは、すでにレモンを掛けてしまっているので、レモン汁付の唐揚げしか食べられない、ということになります。掛けてしまったら、後から掛けなかったことにする、ということにはできません。
小皿に盛られた唐揚げの数は4〜5個くらいだとします。
それがテーブルに置かれた、ということは、そのテーブルで一緒に飲んでいる人は4〜5名ということになるでしょう。
その4〜5人全員が、
「唐揚げにはレモンを掛けるものである」
という前提で行動しているので、戦争の原因になるのです。
唐揚げにレモンを掛けない派であれば、この点は問題ありません。掛けたい人が自分で掛ければいいだけの話です。
単純に
「唐揚げにレモン掛けていいですか?」
と一言確認して掛ければいいだけの話ではあります。
ですが、それが出来ない人にはできないのです。
なぜか。
その奥にあるのは、
「自分が常に正しい」
という考えにもとづいて行動しているからです。
自分が思っていることが正しい、とは、自分が思っていることが、そのまま他の人も同じように思っている、という思い込みをしてしまうことです。
これを、社会心理学において「フォールス・コンセンサス効果」などという名称が付けられています。
ここで一番重要な点。
それは、このような思い込みを自分が持っていないだろうか…と疑うべし。
ということです。
「唐揚げにレモンを掛けないほうがいい、と思う人もいるかもしれない」
と、疑う習慣をつけることです。
これは、唐揚げだけの話ではありません。
広告宣伝における基本中の基本です。
何か自社の商品やサービスを売る時に、
「こんなにいいものだから売れて当たり前」
というスタンスで作った広告では、売れるはずがないのです。
その商品やサービスの何がいいのか。
それが【顧客にとって】どのようにいいのか。
というシンプルで当たり前なことを書かなければ売れません。
買うのは、その会社ではないのです。
買うのは、顧客なのです。
だからこそ、顧客にきちんと尋ねてください。
リサーチをしてください。
顧客が何を望んでいるのかを確認してください。
唐揚げにレモンを掛けてしまった後では取り返しがつきません。
同じように、売手側の独りよがりな広告を出してしまった後では…その広告内容を後から変更することは出来ないのです。
<予告>
6月29日(水)13時30分〜16時30分
東京から書籍を執筆した、あの有名コンサルティング会社出身のコンサルタントを招いて、出版記念セミナーまた読書会等を企画しています。
参加者にとって最大の価値を得てもらうために、読書会がいいのか、それともセミナーがいいのか。
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なお、開催場所はこちら。
札幌貸し会議室まなBiz
http://mana-biz.jp/?page_id=