例によって,突然ですが問題です。
あながたセミナーを受講しているとします。
セミナーの内容に集中しています。
そんな最中に,最も「害悪」な音とは何でしょうか。
ちょっと考えてみてください。
一つは,子供の声です。
子供の声は,問答無用で人の注意を奪う作用がある。
昨日はそんな話をしました。この原因は…あくまでも推測です。
人間のDNAに組み込まれた,
「子供は慈しみ,愛でて守るもの」
という,指示命令が作用するものなのだろう,ということでした。
ある意味
「本能」
だとも言えます。
では,本能ではなく,人間が
「習慣」
的に,無意識に身につけた反応があります。
人は,その「音」を聞くと,無意識に反応せざるを得なくなります。
子供の声と違って,DNAレベルの話ではありません。
ここ10年から20年程度の間に,人が無意識に身につけてきた習慣です。
その音は,
「携帯電話の呼び出し音としてのアラーム」
です。
今は違う人は多いですが,携帯電話のピリピリピリ…という電子音。
これは,問答無用で人の注意を奪います。
なぜか。
人は,携帯電話に無意識に反応すべき,と
「躾」
されているからです。
別の表現をするならば,多かれ少なかれ,携帯電話に「出ない」ことは,非道徳とすら見なす考え方もあるようです。
更に,この
「携帯電話の呼び出し音としてのアラーム」
よりも罪深いものあります。
それは,「バイブレーション」です。
携帯の震える音。
そして,振動。
聴覚と触覚に作用する,という点で,実に人の注意を奪います。
冒頭の
「セミナー中に最も罪深い音」
は,バイブ音というところになります。
もしかしたら,より広い範囲に迷惑をまき散らすのが,バイブ音ではなく,呼び出し音かもしれません。
では,携帯の音は,なぜここまで罪深いのでしょうか。
それは,人が
「習慣的」
に,注意を向ける存在です。
つまり,セミナー中に携帯の音を鳴らすと,その場にいて,その音が聞こえる範囲にいる方すべての注意を,問答無用で引きつけます。
昨日も書いたとおり,
「集中力を高める」
と表現しますが,これは文字通りです。
つまり,ゼロから少しずつ積み上げていって,だんだん高まっていくものです。
初めから一気に集中力は高まるものではないのです。
そして,高まって作業効率が上がろうとした瞬間,ゼロにリセットされる。
これはたまったものではありません。
セミナーに集中して受講して…何かいいアイディアが出てきた瞬間に,携帯の音が鳴ったら…
そのアイディアもパーです。
セミナーの場の空気も全部,ぶちこわしです。
暇をもてあましてセミナーを受講している人は稀です。
多かれ少なかれ予定があり,様々なタスクがあり,やるべき事がある中で,その合間を縫ってセミナーに参加している人のほうが多いでしょう。
言い換えると,それらをいったん脇に置いて,セミナーに集中しているにもかかわらず,携帯の音1つで,
「そういえば,あの件…」
と,思い出してしまいます。
ここまで来ると,集中力はゼロです。
その携帯電話を鳴らした人が,集中力ゼロで,セミナーから価値を得られないのは自業自得です。
ただ,その人の不注意で,周りを巻き込む権利はないと言えます。
全米屈指のコピーライターにして,「億万長者メーカー」と賞賛される,ダン・ケネディ。
彼のセミナーでは,セミナー中に携帯電話で話をしたら罰金100ドルのようです。
私の尊敬する,あるコンサルタントのセミナーでは,携帯電話を鳴らしたら,罰金1万円だそうです。
では,この100ドルあるいは1万円という金額は妥当でしょうか。
例えば,ダン・ケネディのセミナー。
めちゃくちゃ高額だということは想像に難くないでしょう。
全くわからないので,仮に50万円だとします。
そして,アメリカでのセミナーです。
日本の都内みたいに,山手線で乗り換えて…という感じではないでしょう。
言い換えると,広い広いアメリカの国土を考えると,飛行機で移動して,前泊して…旅費交通費が掛かります。
そして,その間は仕事をしていないわけです。
その間に仕事をすれば生産できる金額というモノがあります。いわゆる「日給」です。
全米でも,ダン・ケネディの高額セミナーに参加できるような,「すでに結果を出しているけど,さらなる成果につなげたい経営者」の「日給」はどれくらいでしょうか。
それだけではありません。
高い集中力を維持できたとしたら得られた学び…その学びを活かして売上を伸ばすことができたら,得られるであろうさらなる売上増。
これが得られないのですから「逸失利益」と言っていいかもしれません(法的な意味での「逸失利益」とは違います)
つまり,セミナー中に携帯の音を鳴らして,セミナーをぶちこわしにすることで,
(1)旅費交通費
(2)日給
(3)逸失利益
が台無しになるわけです。
それが,一人ではなく,その場でその音によって集中を阻害された人全員です。
…ということは,100ドルで済むのは生ぬるいでしょう。
ゼロがあと3つ~4つはあってもいいかもしれません。
訴訟大国アメリカで,セミナー中に音を鳴らした時点で,仮にその場に100人いたとして,1人100万ドル(仮に100万円)として…
100万ドル×100人として,億単位の訴訟になっる可能性すらあるでしょう。
訴訟の可能性はさておき,セミナー注に電話の音1つ鳴らすだけで,それだけの損害をまき散らしていることになるのです。
さて,携帯電話の音の害悪について,ここまで掘り下げました。
この音を悪用している,実に下品な会社のCMがあります。
ビ○クカメラのCMは,はじめに携帯電話のアラーム音が2回なります。
そして,たいていの場合,このビック○メラのCMは2回連続で流れます。
食事中にたまたまテレビを付けていて…アラームの音を聞く度に,
「あ,注意を奪われた」
と,イラっとします。
注意は奪えるかもしれませんが,その分好感度や印象は下がっていることに気がつかないのでしょう。
どうしても,人の注意を引きつけたいならば,携帯電話の音は使えます。
ですが,その代償は,覚悟して使うべきでしょう。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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