無難なコピーと切れ味するどいコピーの差

無難なコピーと切れ味するどいコピーの差

無難なコピーと切れ味するどいコピーの差
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世界ナンバーワン・マーケティングコンサルタントのジェイ・エイブラハム来日セミナーを受講し、帰るときの成田空港にて。

こんなコピーを見かけました。

「海外旅行ほど待ち時間の多い旅はない」
空港内にある書店のコピーです。

もちろん、キャッチコピー1つですべてが解決するとは限りません。
短い1文で、全てを表現できるはずがありません。

その上で。
このコピーは役に立つでしょうか。

あくまでも、私個人的な感覚です。
それは、
「ツメが甘い」

なぜそう思ったのか。
「海外旅行ほど待ち時間の多い旅はない」
のは本当でしょう。

私は海外【旅行】に行ったことがないのでわかりません。
しかし、旅行でなくとも実際に海外に用を済ませに何度か行ったことがある身としては、
【待ち時間が多い】
と感じることは確かです。

だから何なのでしょうか。

「ああ、本を買えば待ち時間に本を読める、とでも言いたいのだな」
と解釈することは簡単です。

しかし、それで実際に本を買うでしょうか。

このコピーは、思わず目を留めて、足も止めればそれでいいのかもしれません。
けれど、足を止めさえすれば、それでいいのでしょうか。

実際に1冊も本を買わずにいてもいいのでしょうか。

もし本を買ってもらいたいならば、ツメが甘いのです。

このコピーに足りないのは、
「理由」
です。

本を買う理由がないのです。
海外旅行で待ち時間が多いことは確かです。
そのことが本を買う理由にはならないのです。

もちろん、その理由まではこの1行のコピーに入らないかもしれません。
だからといって、この1行で本の売上には直結しないのです。

待ち時間が多いならば、何をするでしょうか。
普段、待ち時間や暇つぶしに何をしているでしょうか。

多くの人は、
「スマホをいじっている」
のではないでしょうか。

今、空港の搭乗口にいるのですが、ざっと見渡すと私の周りに6人(私含む)います。
そのうち4名がスマホをいじってます。

スマホならば本(電子書籍)を読むこともできます。
このコピー【だけ】では本を買う理由にならないのです。

本を買わなければならない理由が必要なのです。
さらに言うならば、この書店で買わなければならない理由が必要なのです。

この、
「海外旅行ほど待ち時間の多い旅はない」
というコピーは、これはこれで素晴らしいもの。
ただ、ここでもう一歩踏み込めるかどうかが、切れ味するどいコピーになるか…ありふれたコピーになるかの違いです。

しつこいですが、繰り返します。
このコピー1行で全てを包含する必要はありません。
別に、サブヘッドで理由を説明してもいいし、店内の別の場所にPOPか何かで理由を表現してもいいです。
ただ、キャッチコピー1行だけでは足りないのです。

あなたの商品やサービスをかわなければならない理由。
しかも、それを今買わなければならない理由。
…あるとすればそれは何でしょうか。
多くの人は、この理由を突き詰めて、
「あ、確かに」
と見込み客が納得するまで理由を掘り下げません。
だからありふれてしまうのです。競合に負けるのです。
あるいは価格競争に突入するのです。

実際に、理由を考えるのは大変です。
見つかるまで考えるのは、実に苦しい作業です。
この苦しさを耐えて頑張って、顧客が納得する理由を考えた時に顧客は買うのです。

最後に。
仕事ならば実際にキャッチコピーを100個以上は書きますが、これはブログです。
適当に今10秒ほどで考えました。
「海外旅行ほど待ち時間の多い旅はない」
これに。
「目的地まであと4時間。スマホは電池切れ。でも、本ならば電池切れになることなく、あなたの退屈を解消させてくれます。第◯ターミナルの書店はここだけ」

本の強みは電池切れにならないこと。
本の弱みは質量、というところでしょうか。ただでさえ荷物が重い海外旅行に、何冊も重たい本を持ち歩くことができません。
「海外旅行の旅のお供に、文庫と新書を揃えました」
などと書いて、実際に文庫と新書サイズの本ばかりを並べたら、メッセージに一貫性が出るかもしれません。

コピーライティング。
書こうと思えば書けるけど…めんどくさい、と思った人はこちらをご覧ください。
https://up-stats.com/?p=697

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