朝から何も食べていなかったことに気づき…
今日は家に一人だけだったので，適当に準備。
テレビをつけながら，食べていました。
その時の話です。
今年は，NHKで大相撲のラジオ放送を始めてから９０周年なのだそうです。
テレビの放映はそのままに，音声だけラジオ放送に切り替える…という試みがされました。
そこで，ラジオ中継を聞いて，驚愕しました。
普段，ラジオというものはほとんど聞きません。
聞いていたところで，せいぜいどこかのテナント内で時間を過ごす時に，トーク番組や，音楽が流れるくらいです。
何かのラジオ番組を聞き流すだけで，
「真剣にラジオ中継を聴く」
という体験は…２０年前です。
高校野球選手権大会で，甲子園の決勝を，移動中にカーラジオで聞いたのが最後くらいでしょう。
２０年前の１９９８年，松坂大輔が決勝戦でノーヒットノーランを達成したのが，記憶の限りで最後です。
さて，ラジオは，基本的に音声のみです。
つまり…音声が流れなくなると放送事故になります。
その時間は，５秒とか８病とか１０秒とか諸説あります。
ですが，それくらいの短い時間さえ許されず，誰かが何かを話し続けなければならない，ということでもあります。
さて，そんなラジオ中継。
大相撲のラジオ中継を聞いて，本当に驚きました。
なぜなら，アナウンサーの話すスピートの許す限り，文字通り
「描写」
がされているからです。
力士の回しの色，表情，仕草，身振り，体を叩く音，体勢。同じく行司の仕草などもそのまま全て話をします。
館内の様子や，観客の様子も全て，言葉にして話をします。
解説者と話す時は「トーク」になりますが，大半はとにかく目で見たものを「描写」しているのです。
テレビであれば，力士の動きなどは目で見ることができます。
いちいち話す必要はありません。
ですが，ラジオは音声だけなので，全て言葉に変換しなければなりません。
「◯◯（力士名）が勝ちました」
だけでは，何も情報が伝わらないのです。
本当に驚いたのは，実際にテレビでその様子を目で見ることができる状態で，ラジオを聴く，という体験だからこそ，どれだけアナウンサーが「正確に目の前の出来事を描写しているのか」が手に取るようにわかります。
完全生放送で，しかも，競技の中継を，コンマ単位の短い時間で移り変わる眼の前の出来事を正確に描写する。
ラジオ中継を担当するアナウンサーの脳内はどうなっているのでしょうか…
正確な描写力はもちろん，同時に２つ３つの出来事が起きた場合でも，伝えられるのは一度に１つ。刹那の瞬間に何を話して何を話さないのかを決断し，それを脳内で「出来事を言語に変換」する。
凄まじいスキルです。
今度から，時間が許す限り，ラジオ中継を聞きながら大相撲を始めとしたスポーツ競技を見て，アナウンサーの描写力を体感したいところです。
さて。
コピーライティングは，基本的にリアリティです。
なぜなら，コピーライティングは「広告」です。
広告の文言が，全て
「売手の主張」
だったらどうでしょうか。
凄まじい「売り込み臭さ」を感じるのではないでしょうか。
自分に都合のいい，売り込みのネタばかりを話しているように感じるはずです。
誰だって，「買わされる」のは嫌な体験です。
喜々として「売り込み」を聞きたがる人は…あまりいないでしょう。
ですが…聞くのが，
「具体的な事実」
だったら，心理的抵抗を受けるのは少ないのではないでしょうか。
つまり，「主張」や「意見」だと，リアリティに欠けて，売り込み臭くなります。
「具体的な事実を描写」すると，リアリティが増すのです。
事実や出来事と，意見や主張は違うのです。
この区別がつかない人が多々いるようですが，コピーライティングは，基本的にどれだけ「事実」をリアリティたっぷりに展開できるかどうか。
その積み重ねを繰り返した最後に，セールスメッセージを出すことで，説得力のあるコピーになるのです。
はじめからセールスを展開したら，売り込み臭くなるだけ。
オンライン，オフライン問わずに，コピーから離脱されるだけです。
では，どうすればこの「リアリティ」たっぷりに正確に描写できるようになるでしょうか。
そのモデルが，この大相撲のラジオ中継です。
ラジオ中継を聞けば…脳内で情景が再生されることでしょう。
これが正確な描写です。
もし主観的なものばかりであれば，脳内に情景が再生されないのです。
ぜひ，ラジオ中継を聞いて見てください。
これが「正確な描写」というものです。
これを，コピーに活かすことで，より「リアリティ」あふれ，反応率を高めるコピーに変えてください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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