買う理由がないという買わない理由

買う理由がないという買わない理由

買う理由がないという買わない理由
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Facebook広告の解説に関するWEBセミナーを見ていたときのことです。
1時間のうち,はじめの20分がコンテンツで,残りがひたすらセールスでした。
時間配分に思うところはあるのですが,それは脇に置きます。

私はどちらかと言えば,チラシやDMなどのオフライン媒体のほうが得意であり,Facebook広告は,それほど得意というわけではありません。
ということで,せっかくですから登録して視聴したわけです。

その後,セールスプレゼンテーションを聞いて,
「興味はあるが,欲しいとは思わない」
という結論になりました。

ですが,ここで大切なのは,結論ではなくその結論に至った過程です。

価格が約5万円で,オンライン動画3時間半程度…という内容から,量的に少なく,内容が薄いのでは…という懸念が1つ。
多ければいいというものではありませんが,たった3時間半の動画で5万円は高いだろう。
…はじめはそう思いました。

そのこと自体は,
「確かにそうなのだろう」
と思ったのですが,それはそれで何かが違うような気がします。

購入の際に,
「購買意思決定要因」
というものがあります。
文字通り,買う,と決断した直接的は要因はなにか,というものです。

何かを買うにあたっては,基本的に必ずこの購買意思決定要因が存在します。
逆に,買わなかった場合には,この購買意思決定要因が欠けています。
あるいは,「不買意思決定要因」とでも言えばいいのでしょうか。
「買わない」と決断させるに至った要因が存在することになります。

今回は,買わないと決めたのですから,この「購買意志決定要因」がないことになります。

では,なぜ私はこのコンテンツを買おうと思わなかったのだろうか…
そう考えていたところ,一緒に見ていた家族が(食事中に見ていたので),
「もしこのプログラムを買ったら,ずっとこの声を聴き続けることになるよね」
とのこと。

一瞬,
「それだ!」
と思いました。
講師は男性なのですが,もともとの地声が,かなり甲高い部類に入ります。
そんな声で,テンションを上げて,全力でしゃべり続けているのです。
セミナーでしゃべるときのテンションは大切です。
ですが…ずっと一本調子で,甲高い振り絞った声を聴き続けるのは,なかなかストレスのたまるものです。

これも
「買わない理由」
の1つではあります。
ですが…決定要因でもないような感じがします。

私は,ピチャピチャと,唾の音を立ててしゃべる人は,生理的に受け付けません。
ですが,今回はそこまでの嫌悪感はありません。
本当に欲しければ,我慢できる範囲です。

では,買わない本当の理由は何だろうか…
しばらく考え続けて,約3時間。
ふと,気がつきました。

買わない理由は何だろうか,という問いが間違っていたのです。
そもそも,買わない理由があるかどうか,という問題ではなかったのです。
それは何か。
「そもそも,買う理由がない」
ということでした。

正確には,
「この人から買う理由はない」
ということです。

なぜなら,今回のコンテンツの内容は,Facebook広告の基本についてのレクチャーです。

定義【基本】
判断・行動・方法などのよりどころとなる大もと。基礎。

基本は,基本です。
極端な言い方をするならば,Aさんから学んでも,Bさんから学んでも,基本を学ぶだけならば,内容は同じ…ということになります。
Facebook広告の基本を学ぶだけならば,この人からわざわざ買って学びたいと思える要素がなかったのです。

むしろ,声や価格など,
「この人から買わない理由」
の方が多かった,ということになります。

マーケティングにおける,
「戦力多重増強要因の効果(Force Multiplier Effect)」
という考え方があります。
元々は軍事用語であり,多方面から同時に攻撃を仕掛けていくことで,作戦を成功に導く,というものです。
マーケティングにおいては,多種多様なマーケティング要素の相互作用によって,収益を上げていく,と言う考え方です。

極端な例ですが,100の買わない理由と,101の買う理由があった場合は,販売に成功する,ということになります。

ただ,今回は買わない理由が多かった以上に,買う決定的な理由がなかった,ということでもあります。
「この人から買いたい」
「この人から学びたい」
と感じるものがなかったのです。

ではどうすれば良かったのでしょうか。
何か特殊なオリジナルコンテンツがあればいいのでしょうか。
…おそらく,Facebook広告という題材である以上,オリジナルコンテンツというものは,そうそうないでしょう。

そこでさらに考えてみた結果,決定的に足りないものがありました。
この講師のパーソナリティです。
誰から買ってもいいのなら,
「この人から買う必要は無い」
と私は判断しました。
ですが,場合によっては,
「誰から買ってもいいのだから,この人から買いたい」
と思っても良かったはずです。

でもそう思わなかった理由。
それは,人間味が全く感じられず,ひたすら感情面でのアプローチと,教科書的なコピーライティングのトークスクリプトに終始していたことです。

それでは,ロボットと変わりません。
それでは,欲しいと思えなかったのです。

ということで,悩んで悩んで,自分はなぜ買わなかったのか,ここまで書いてやっと腑に落ちました。
書き始めた時点で結論が出ていないことを,書きながらまとめていったため,雑多な内容になっているかもしれません。
ですが,それでも何らかの学びになりましたら幸いです。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

追伸
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