昨日、散髪してきました。
10分1000円(税別)で有名な、某有名理容チェーン店です。
その日はたまたま、その店舗の店長が担当。
名札に「店長」の肩書がしっかり書かれています。
店長は女性だったのですが、トリートメントか何かの香料の匂いがふわっと漂ってきます。
こういった香りには大変弱い私。10分程度の時間でしたが、終わる頃には頭痛と吐気で大変でした。
そんな、意識がやや朦朧とした状態で感じたこと。
それは、
「この人下手くそ」
ということです。
この利用チェーン店の特徴として、回転数の早さが挙げられます。
10分1000円でひたすらカットばかり。
これを、回転率を上げて、やはりひたすら数をこなすことになります。
回転数が高いので、一人あたりのカット技術が高い、というのがウリになっています。
例えば、普通の美容室に勤務するとします。
ひとりの顧客にどれくらいの時間が掛かるでしょうか。
カット以外の、パーマや染色などのオプションを入れると、ひとり1時間では終わらないでしょう。
ある美容室では、ひとり5時間掛けているとのこと。
仮に、ひとり2時間掛かるとします。
その美容室の集客レベルにも依りますが、8時間勤務で、ひとり2時間掛かるとした場合、単純に1日4人となります。
一方。冒頭のカット専門10分1000円の店。
単純に、ひとり10分です。ただ、実際にカットするのが10分ということであって、カット後に、一旦床の毛を掃除したり、器具を入れ替えたり…といった手間はかかります。
実際には1時間4人程度でしょう。
1日8時間勤務だとしたら…1日32人カットします。
月間25日勤務した場合、美容室では、1日4人✕25日=100人。
一方、このカット専門店では、1日32人✕25日=800人。
1ヶ月800人ペースで2ヶ月間カットするだけで、美容室勤務では追いつくことが出来ないだけの場数を踏むことが出来ます。
短期間で、急速に技術が向上することで、基本的に誰にあたってもそれなりの技術でカットしてもらえるのが、このチェーン店の強み…だったはずです。
ところが。
この店長は、実に下手くそです。
このチェーン店の店長という肩書が付くということは、相応の場数を経験していることになります。
新人が入ってきて2ヶ月目に店長…ということは考えにくいでしょうから。
その店舗で、基本的に誰よりも場数をこなしているであろう店長。
にも関わらず、下手くそなのです。
この下手さ。
それは、カットそのもの技術ではありません。私の審美眼では、カットの技術の巧拙を判断することはできないからです。
けれど、例えば櫛を使う時に、先の尖った部分を耳に引っ掛けて痛い思いをさせる。
バリカンの角を首の地肌に引っ掛けるので実に痛い。
カット後、掃除機で髪の毛を吸う時も、掃除機の先のブラシではなく、プラスチックの角の部分をガツガツ頭にぶつけてくるので、殴られ続けるようなものです。
このチェーン店には、10年近くお世話になっていますが、ここまで下手くそな人は…2人目です。
(奇しくも、同じ店舗に、この店長と同じような攻撃的な人がいました)
そこで思ったのです。
「どれだけ場数をこなしても、技術は上達しないのだな」
よく「1万時間」と言われます。
何かの技術や知識体系を一定レベルで身につけるのに掛かる時間です。
何か新しい技術を身につけ…それが、一定レベルとして通用するようになるのに、1万時間掛かる、と言われます。
この1万時間…というのは、単純に1万時間修練を積んでいればいい、ということではないのです。
同じことをひたすら「ただ作業として繰り返すだけ」では、技術は上達しないのです。
この店長は、ひたすら「作業」しかしていないのでしょう。
この顧客にはどのようにカットしたら、よりよく見せられるのか。あるいは、どうすればカットのクオリティを下げずにより短い時間で終わらせるか。
といった、工夫や改善を心がけずに、ただ作業をしているだけでは、技術は上達しないのです。
むしろ、この店長のような惰性で作業をしていたら…どんどん腕が落ちていくことでしょう。
この店長から学べること。
それは、まず慣れることです。
例えば、ブログを書くことを続ける、ということであれば、まず続けることです。
続けて慣れることです。
慣れてきたら、次は時間制限を設けるというのも一つでしょう。
私自身は、はじめのうちは1日2時間掛かっていました。
ですが、今では1記事15分程度で書けるようになりました。
コピーライティングのスキルを身につける、ということであれば、
「今回はオープニングを意識して書こう」
「今回はブレットライティングを、いつもの1.5倍書こう」
などと、毎回改善を意識して書き続けることです。
無意識でもある程度のレベルで書けるようになったら…作業時間を短くする、といった改善を心がけて下さい。
同じことを、作業として繰り返しているだけでは、技術は向上しないのです。
単純に1万時間…などと考えて、量だけを意識するだけでは、技術の向上は頭打ちになるのです。
慣れてきたら…要注意です。
常に改善を意識して下さい。
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