たまたまですが,ネットで少々興味深い内容を見かけました。
仮想通貨取引所の,ある「事件」についてです。
その事件自体は今日の内容について全く関係ないので省略します。
ただ,「事件」があった,ということだけです。
ある掲示板で,その取引所を運営している会社について,
「こんな会社はいつか必ず事件を起こす」
というコメントが投稿されていました。
興味深いのはここから。
「はじめから,この『事件』を見通している人がいたんだなぁ」
というコメントともに,掲示板投稿を引用して,SNS投稿をしている人がいたのです。
私はそれを見て,
「はぁ?」
と思うと同時に,少々興味を惹かれました。
さて。
少し整理します。
この仮想通貨取引所を運営する会社は,ある「事件」を起こしました。
これは事実です。
そしてネットで,その「事件」となる出来事よりも前に,
「こんな会社はいつか必ず事件を起こす」
というコメントが投稿されていました。
これも事実です。
では,このコメント主は,「見通していた」という感想。
これは事実でしょうか。
そのような投稿がSNSにあったのは事実です。
けれど,それは「見通していた」ことになるのでしょうか。
少々気持ち悪い例えをします。
ある男子学生Aは,同じクラスの女子学生Bに片思いをしていたとします。
講義中,片思いの女の子に視線が向きます。
さて,この男子学生Aは,片思いの女子学生Bに,1コマの講義中に,2000回ほど,女子学生Bに視線を向けていました。
1コマの講義が90分とした場合…2.7秒ごとにその女子学生Bに視線を向けている計算になります。
たまたま,何かのきっかけて,AとBの視線が合いました。
男子学生Aは舞い上がり…
「視線が合ったのだから,Bは自分に気があるに違いない」
と勘違いをします。
たまたまAとBは,視線が合いました。
確率としては2000分の1です。
ですが,そのたった1回を以て,一般化して解釈…すなわち「気がある」と思い込んだわけです。
いわゆるストーカーのような,実に気持ち悪い例です。
この思い込みがいかにおかしいのかは,分かるのではないでしょうか。
では,先程の例。
たまたまネットの書き込み1つを見て,
「この人は事件が起こることを見通していたんだなぁ」
と思うこと。
これも,先程の2000分の1の確率を一般化するのと同じくらい,おかしなことではないでしょうか。
もしそのコメント主が,未来を見通せるだけの極めて明確な推察力を持っているのであれば,ネットに書き込みなどしないでしょう。
自分の名前と責任を以て,外部にコメントを表明。
そのコメントについて,何らかの責任を取ることになるでしょう。
そもそも,ネット上の匿名の掲示板で,何ら責任も伴わない状態での書き込み。
そこにどのような「一般化」「普遍性」があると思えるのでしょうか。謎です。
この心理の奥に何があるのか。
たまたま,時計を見たら,22時22分だったとします。
「おお,2が揃っている!なんて偶然何だろうか」
と思った事がある人がいるかもしれません。
これは正確ではありません。
22時22分だから,「記憶に残った」だけです。
1日のうち,時計を1482回見ている中で,たまたま22時22分だけが記憶に残っただけです。
残り1481回は記憶に残っていないのです。
つまり,人の記憶はそれだけ「主観的」なものです。
それを,何か勘違いしてしまうと,冒頭の出来事のように,あるいはストーカーの例のように,一般化してしまうのです。
…ということを考えた場合,目の前の出来事は「たまたま」なのか,それとも「普遍的」なのかをきちんと分析しなければなりません。
例えば,あるセミナーでお客様の声として,
「たくさんの情報があってすばらしかったです,満足しました」
という声があったとします。
これは…「情報の多さがセミナーの持ち味」だと解釈できるのでしょうか。
もしかしたら…他の感想全てが,
「情報量が多すぎてついていけませんでした」
というコメントだらけかもしれないのです。
目の前の一つの出来事は一般化する前に,まずはそれを「仮説」として検証しなければならないのです。
別の例では,ある美容室のお客様の声として,
「近くて便利だから」
という意見があったとします。
他のアンケート全てが,
「近くて便利」
というコメントだったとします。
これは一般化していい出来事なのでしょうか。
…極論ですが,その美容室の2件となりが美容室だった場合,その2件となりの美容室も,ほぼ同じくらい近いといえます。
ということは,「近くて便利」という意見は,どうなのでしょうか。
今は,情報が膨大です。
膨大すぎるからこそ…一つ一つの情報の扱い方がぞんざいになっている可能性もあります。
特に,他の人の何気ない感想。
くれぐれもご注意ください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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