人間が本当に欲しいものは何なのか

人間が本当に欲しいものは何なのか

人間が本当に欲しいものは何なのか
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セールスコピーライターにとっては,バイブルと言えるものの1冊。
ロバート・チャルディーニ博士の「影響力の武器」という著書があります。
その中から今日は,ひとつ,興味深い逸話を紹介します。

クリスマス前に,テレビCMでバンバン,あるおもちゃの新商品を宣伝します。
そのおもちゃのCMを見た子どもが,
「これ,ほしい!!」
と親にねだります。

根負けした親は,それをクリスマスプレゼントとして「買ってあげる」という約束をします。

さて,クリスマスです。
そのおもちゃの新製品は,品薄で手に入りません。

親としては,探したけれど手に入らない。
手に入らなければ,クリスマスプレゼントはなし,というわけには行かず,別のおもちゃを買い与えます。

そして…2月くらいになり,品薄だったその新商品が市場に供給され始めます。

こんなエピソードです。

さて,ここで問題。
この親は,子どもに対して「約束」を果たしたでしょうか。
考えてみて下さい。

これは,典型的な「品薄商法」の例です。
12月は消費が伸びます。黙っていても売れます。
ですが,2月は消費がどん底で,なかなか売上が伸びません。
そこで,おもちゃメーカーは,人気の新商品を,クリスマスではなく2月に買ってもらおうと,手を打ったのです。

ここでは,親は
「その新商品のおもちゃを買ってあげる約束」
をしたのです。12月に手に入らなかったから,別のものを買ってあげたところで,約束を果たしたうちには入りません。

約束を果たすには,2月になってようやく売り出したその新商品を買ってあげるしかないのです。

選択肢は次のとおりです。
(1)クリスマスプレゼントはなし。2月にそのお目当てのおもちゃを買ってあげる
(2)クリスマスプレゼントに,代替品を買って,2月にお目当てのおもちゃを買ってあげる
(3)クリスマスプレゼントに,代替品を買って,2月にお目当てのおもちゃは買ってあげない
これしかないようです。
そして,(3)は,親子とはいえ「約束」を破ったことになります。
そして,(1)は,約束違反ではないものの,クリスマスプレゼント無し,という反風習的な真似ができるかどうか,です。

結局,おもちゃメーカーの思惑に乗って,2回買ってあげるしかないようです。

ちなみに,
・もしそのお目当てのおもちゃが売っていたら,買ってあげる。なかったら別の何かを買ってあげる
という代替案は,アウトです。
子どもの年代にもよりますが,このような「条件付き」という理屈は,子どもには通じません。
子どもにしてみたら,大人がむづかしい理屈をこねて,結局は約束を破った…と思われるだけでしょう。

さて,今日のお題は,
「本当に欲しいものは何なのか」
というものです。

例によってここで問題。
あなたが本当に欲しいものは何でしょうか。
考えてみて下さい。

実はこれ,なかなか答えづらいものでもあります。
なぜか。
世の中にものや情報が溢れすぎて,混乱してしまい,本当に欲しいものが何なのかがわかりにくくなっているからです。

例えば,「伝説的ノートブック」と呼ばれる,モレスキン。
言ってみれば,ただのノートです。
なぜか2000円くらいする…ただのノートです。

ゴッホやピカソ,ヘミングウェイが愛用しただけの…ただのノートです。

イタリア発祥の,由緒あるノートかもしれません。
ですが,今となってはもはやメイドインチャイナです。

ダイソーで,そっくりの表紙や装丁のノートも売っています。
モレスキンを揶揄して「ダイスキン」などと呼ばれるノートもあるようです。

ではなぜモレスキンでなければならないのでしょうか。
モレスキンが欲しい,という人は,本当は何が欲しかったのでしょうか。

例えば…
ゴッホやピカソ,ヘミングウェイといった,名だたる人が愛用したノート。
そんなものを使えば…何か素晴らしいヒラメキやアイディアが手に入るかもしれない。
その素晴らしいヒラメキやアイディアを実践すれば,収入アップだったり,ステータスアップに繋がるかもしれません。

収入アップやステータスアップをすることができれば…(以下略)
と,このように,どんどん掘り下げていくことができるでしょう。

つまり,モレスキンは,単なる象徴なのです。
本当に欲しいものは,何回層も掘り下げた先にあるのです。
そして,その本当にほしいものと,モレスキンがくっついてしまい,
「本当に欲しいものを手に入れるには,モレスキンでないとダメだ」
という観念が出来上がります。

そして…モレスキンに対するウォンツが発生するわけです。

そんな人に対しては,ダイスキンでは駄目なのです。

仮に,モレスキンが手に入らないから,見た目や性能はほぼ変わらないダイスキンで代用するとします。
それで…満足して,その欲求は満たされて,もう「いらない」と思えるでしょうか。

代替品で,本当に満足できるのでしょうか。
代替品で,満たせる欲求は,一時的なものです。
だから…ダイスキンを買った人は,「やっぱりモレスキンじゃないと…」となることでしょう。

代替品で,欲求を満足させることはできないのです。
売り切れたから,代わりのおもちゃを買い与えても,約束を果たしたことにはならないのです。

そして…その人が本当に,心の底から望んているものは何か。
これを答えられる人はどれだけいるでしょうか。

かくして…今となっては,欲求は消えない,満たされない世の中の到来となったのです。

人の欲求は満たされない。
どれだけ買っても,満たすことはできないのです。

ならば…
考え方にもよるのですが,
「ほしいと思うだけ売ってあげる」
というのも,一つの考え方ではないでしょうか。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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