何でもできる…と言うその言葉の裏にある「強欲」さ

何でもできる…と言うその言葉の裏にある「強欲」さ

何でもできる…と言うその言葉の裏にある「強欲」さ
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あんな人にはなりたくない。
そう思う人がいます。
…と言っても,話はしたことがありません。

3年くらい前のことでしょうか。
ある異業種交流会のような場でのこと。
そこで,某士業の人が舞台の上で全体に向かって話す機会がありました。
その士業の人が,一通り自分のビジネスや自己紹介のスピーチを終えた後。
MCの方が,その人に向かって,
「得意分野は何ですか?
と質問。

すると,
「全部です。何でもできます」
とのこと。

そこでMC」がさらに,
「いや〜でもやっぱり何が得意とかあるでしょう」
するとその士業は,
「そんなことないです。何でも得意です。何でもやりますよ」

私が依頼しなければならなくなったとしても,この人にだけは絶対に依頼してたまるか…と心に決めたものです。

単純に,専門性の問題と捉えることはできます。

例えば,WEBマーケティングの専門家と,「SEO対策」の専門家とでは,SEOに関して何か依頼したく鳴った場合,どちらに頼むことになるでしょうか。
もちろん,後者のはずです。

交通事故で揉めた時に,何でもできる弁護士と,「交通事故専門」の弁護士とでは,どちらに依頼したくなるでしょうか。
もちろん,交通事故専門でしょう。

もしかしたら…この士業の人は,本当に「なんでも得意」なのかもしれません。
先程の弁護士の例で言えば,駆け出しの弁護士が
「交通事故専門」
と業種を絞って売り出したばかりのときよりも,長年の経験を持つベテラン弁護士が担当する交通事故の案件のほうが,ずっと優れた手腕かもしれません。

ですが…それでも,世の中の人は,
「専門」
に特化したほうが,より優れているように思えているのです。

ですので,何か専門に特化することのほうが,マーケティング的にもコピーライティング的にも理にかなっている…というのは今日のテーマではありません。

今日取り上げたいのは,この士業の人が
「何でも得意」
と言い張ることの,その奥にある思考は何なのか,ということです。

言葉を選ばずに言うならば,
「お金を稼ぐことしか考えていない,極めて自己中心的でエゴイズムな発想」
がそこに込められているのです。

なぜでしょうか。
わかりやすいので,先程の弁護士の例で紹介しましょう。

「どんな分野が得意ですか?」
という問いに対して,
「なんでも得意です」
と答える,ということは…例えば
「離婚も交通事故も企業法務も倒産手続きも悪徳商法対策も刑事訴訟も医療事故も(中略)…何でも得意だ」
と言っているようなものです。

それって…あまりにも自画自賛で,周りが見えていないのではないでしょうか。

それだけではありません。
顧客は先程述べたように,
「その人にとって本当に得意な案件」
をお願いしたいと思うもの。

例えば,交通事故案件であれば,交通事故案件に強い弁護士にお願いしたいと思うのが自然でしょう。

ですが,
「私はなんでも得意です」
ということは…言い換えると,どれも月並みで大したことがないにもかかわらず,
「得意です」
と言っているのですから,一歩間違えれば詐欺まがいの勧誘行為です。

それ以上に。
本当に得意ではないにも関わらず,
「何でも得意」
と言い張ることは,それだけ仕事が欲しくて仕事が欲しくて…言い換えると,お金が欲しくてお金が欲しくてたまらない。
このように言い張っていることに他なりません。

顧客のために最善を尽くせる案件でもないのに…でも仕事(=お金)は欲しい。

…そんなメッセージを顧客に伝えている,ということになります。

今回は,敢えて言語化して,文章にしていますが…
「何でもできます」
という言葉の裏にある,何となく感じるであろうちょっとした違和感や,不快感の奥にあるのは,相手の心の奥にある強欲で傲慢な心構えに反応しているのでしょう。

…ということで,マーケティングやコピーライティング的な発想での絞り込みも必要ですが,それ以前に人として,プロフェッショナルとして,絞り込みは必要なのです。

結果的に様々な案件を受けてしまっているということと,
「自分はなんでもできます」
ということは別次元です。

とはいえ,それでも様々な分野を受けてしまっているのであれば,一度自分の強みはどこにあるのか,考えてみてはいかがでしょうか。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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