4月7日。
次世代ビジネスを担う世界的経営者が集まる新経済サミットが国内で開催されました。
世界で3億人のユーザーがいる「ドロップボックス」ドリュー・ヒューストンCEOが来日。
テレビ東京の取材にて、彼に「イノベーションを起こすために何が必要なのか」をインタビューしたところ、回答がありました。
彼自身も以前は事業がうまくいかなかったが投資家が支えてくれた。日本でイノベーションを起こすためには、失敗しても再挑戦ができる風土が必要、とのこと。
ところで、失敗とは何でしょうか。
ある日本人が、アメリカ国内で起業するにあたって、投資家を募りました。
そのビジネスをするにあたって、日本円にしておよそ1500万円のお金があれば足りるとのこと。
そこで、その起業家は投資家に対して3000万円の投資を求めたそうです。
投資家は当然、
「なんで1500万円で足りるのに3000万円も投資が必要なのか?」
と尋ねたそうです。
すると、その起業家は、
「1回で確実に成功するかどうかわからない。失敗するかもしれない。けれど、1回失敗すれば2回目には確実に成功できる自信がある。けれど、1500万円しかなかったら、2回目の挑戦ができないから3000万円が必要だ」
とのこと。
投資家は大笑いして、
「確かに!それは正しい!」
と言って、ポンと3000万円すぐに出してくれた…なんて逸話があります。
これが、アメリカと日本との
「失敗」
に対する捉え方の違いなのでしょう。
日本国内では特に、
「失敗」
のレッテルを貼るのが多いように感じます。
具体的な事例はちょっと出せませんので別な例で考えると。
「ホリエモン」
と聞いて、何を思いかべるでしょうか。
具体的にテストしてみないとわかりませんが、あくまでも推測ですが、10人中6人以上が、
ライブドアでの失敗。
刑務所への収監。
このあたりを思い浮かべるのではないでしょうか。
…これがこの「失敗を認めない」風土なのでしょう。
ちなみに、私自身は、
「今何をやっているのかはあまり良くわからないけど、【ゼロ】って本がビジネス書ベストセラーランキングで何週間もの間1位に君臨していた」
という印象です。
私も文章を書く立場にありますが、ビジネス書ランキングでトップを取るのは夢のまた夢。
私にとっては実に素晴らしい偉業です。
なので、私の印象は上記のとおりです。
このように、【現在の成功】ではなく、ライブドアとか刑務所とか…といった【過去の失敗】に目が向きがちなのでしょう。
この点を、上記のCEOが指摘したのでしょう。
有名どころでは、アメリカだとあのウォルト・ディズニーは5回破産しているそうです。
日本では…いろいろありますが、例えば吉野家は過去に倒産しています。
それでも、【現在の成功】があるのです。
さて、そろそろ本題。
【失敗】するわけにはいきません。
おそらく、起業して成功するよりも、失敗を許容する日本の風土づくりのほうが大変でしょうから。
でも、【失敗】しないと学べないこともあります。
とはいえ、【失敗】することの恐怖で行動できない…なんてことも起こりえるわけです。
ならば、どうすればいいのか。
【失敗】せずに、【テスト】すればいいだけの話です。
【テスト】の意味は、事物の良否・性能などを試して調べること。
こう捉えた場合。
上記の日本人起業家は、1500万円掛けてテストする、ということになります。
それを踏まえて、アメリカ人投資家は、1500万円も掛けてテストするならば、確実に成功するだろう、と考えて投資した、ということになります。
言葉をちょっと変えただけで、このように印象が変わるのです。
そこで、注意すべき点が1つあります。
それは、テストは本番ではありません。
上記日本人起業家のように、2回目以降の【本番】を考えて下さい。
言い方を変えると、
「1回のうまくいかなかったで立ち直れなくなる」
ようなテストしないことです。
わかりやすいところで、予算で考えると、予算の大半をつぎ込んで、一発勝負のテストをするのではなく、小さなテストを何度も何度も積み重ねて、1回のテストで大きな損失を出さないことです。
最後に。
このように考えると、トーマス・エジソンの偉大さを別の角度から理解することができます。
電球の発明の際に、
「10000回失敗したのではない、10000回うまくいかない方法を見つけたのだ」
とのこと。
うまくいかない方法が、すなわちテストです。
彼の偉業は、失敗ではなく、テスト、と捉えて行動し続けた結果ではないでしょうか。