以前,あるセミナーで見かけた,興味深い画像がありました。
それは,Yahoo!の検索画面。
2種類の検索画面の写真を見比べて,何が違うのか,というお題です。
よ~~~く見ていると,微妙にサイズが違うように感じます。
ですが,確かかどうか,わかりません。
その写真の切り抜き方の違い,くらいの誤差なのかな…と思ったのですが。
実際,やはりコンマ数ミリ,検索ボックスの縦の長さを変えていたのです。
上述の通り,これはYahoo!の検索です。
コンマ数パーセント,反応率が変われば,広告収入に直結します。
このコンマ数ミリの違いで,Yahoo!は広告収入が億単位で変わったそうです。
この場合,新しい検索ボックスの長さ。
それが正解だったのでしょうか。
今日のテーマは,テストすることで何がわかるのか,です。
例えば,ある整体院がチラシを撒くとします。
仮にデータは以下の通りとします。
【チラシパターンA】
(1)客単価 6000円
(2)平均リピート回数 4.5回
(3)チラシの配布枚数 5000枚
(4)顧客獲得数 5名
(5)広告コスト 5万円
なお,補足すると,(2)は,これまでの来院患者を計測ことで判明します。
(4)と(5)の条件でチラシを撒いたところ,新規顧客5名獲得につながったので,
5人÷5000枚=0.001(反応率)という計算です。
客単価6000円×平均リピート回数4.5回×5人=13万5000円
13万5000円-広告費5万円=8万5000円
差し引きの売上で8万5000円,ということになります。
(粗利とか,販管費とかの考えは脇に置いておきます)
さて。
このチラシパターンAを改良して,テストマーケティングしてみたところ,次の通りだったとします。
【チラシパターンB】
新規顧客獲得数 6名
6÷5000=0.0012
反応率が0.1%から0.12%に伸びました。
6000円×4.5回×6名=16万2000円
16万2000円-5万円=11万2000円。
先ほどは8万5000円でしたので,差は2万7000円です。
小さなテストをした結果,手元に残るお金が2万7000円増えた,ということになります。
では,チラシパターンAと,チラシパターンBとでは,どちらが「正解」だったのでしょうか。
学校教育の弊害なのか,
「正解思考」
をする人がいるようです。
つまり,どれかが必ず正しい,という「正解」の存在は疑っていない,という考え方です。
その正解思考に基づくと,チラシAは誤りで,チラシBが正解,ということになります。
そんなことはあり得ません。
なぜか。
敢えて言うならば,常に正しいのは,市場でありお客様だけ。
私たちにできるのは,テストマーケティングを繰り返すだけです。
先ほどの流れで,更に紹介します。
今度は,チラシパターンBを改良して,チラシパターンCでテストしてみました。
すると,新規顧客獲得数は2名。
反応率は0.04%。
6000円×4.5回×2名=5万4000円
5万4000円-広告費5万円=4000円
かろうじて足が出ない,という結果になりました。
ですが,実際には平均4.5回リピートした結果がプラス4000円ということになります。
その間は,実質的に持ち出しが出てしまっている状況です。
では更に,チラシを再度改訂して,チラシパターンDでテストしてみたとします。
すると,新規顧客獲得数は20名。
反応率は0.4%です。
6000円×4.5回×20名=54万円
54万円-5万円=49万円
これまでと劇的な違いになります。
実際,コピーライティングは,コンマ数パーセントの世界での戦いです。
反応率が,0.12%と,0.4%では,劇的な違いになるのです。
そして,コピー次第で,このような劇的な違いにつながることも十分にあり得るのです。
その上で…チラシパターンB。
これは正解なのでしょうか。
もし,AとBをテストして,Bのほうが結果がよかったから満足していたらどうだったでしょうか。
Bを改訂してCにしたら,反応率激減だったから,やっぱり「Bが正解」だと思っていたら…。
チラシパターンDにはたどり着かなかったでしょう。
テストマーケティングをすることでわかること。
それは正解は存在しない,ということ。
だからこそ,小さく何度も何度も小刻みにテストを繰り返さなければならない,ということです。
もしかしたら,反応率0%もあるかもしれません。
あるいは,反応率1%というとんでもない結果になるかもしれません。
それはわかりませんが…何度も繰り返して改良していくしかないのです。
最後に。
改良を繰り返した結果,いつか「正解」にたどり着く,などというファンタジーもあり得ません。
テストマーケティングは,売上を伸ばすためのものです。
正解を探すのが目的ではありません。
5万円のコストで,54万円の売上につながったら大成功です。
当面の間はチラシパターンDで宣伝を続けて…反応が下がってきたら,また改善フェーズに戻る,というのが一つの考え方でしょう。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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