メールボックスに、電子書籍のセール案内について、メールが届いていました。
内容を見ると…
ナントカ細胞で世間を賑わせた、元理研のとある女性研究者の著書です。
定価の60%オフだそうです。
ちなみに、作品のカテゴリが「小説」に分類されている時点で…笑い飛ばすネタなのかもしれません。
あの一連の出来事の真実について、今日のブログとは関係ないので省略します。
そもそも、なぜあの女性科学者が「小説」を執筆したのでしょうか。
そして、なぜそこそこ売れたのでしょうか。
個人的には全く興味がないため、不思議で仕方がありません。
真実はともかく、
「論文を撤回」
という出来事を以て、研究者としては終わりです。
そんな人の書いた文章に、どんな価値があるのでしょうか。
なんでそんな人の書いた文章を「出版」しようと思う出版社はいるのでしょうか。
そして、なんでそんな人の書いた、「小説」に対し、お金を払って買う人がいるのでしょうか。
そもそも、論文をコピペするような人が書いた文章です。
他所の文章をコピペしただけの本かもしれません。
小説家の書いた作品であれば、それなりに楽しめることでしょう。
ですが、元研究者の書いた、一連の出来事をパロディにした「小説」に、何の価値が有るのでしょうか。
さらに時を巻き戻します。
2016年6月。
ある犯罪者が、書籍を出版しました。
「元少年A」と名乗る、残虐な殺人を犯した犯罪者です。
その人物が書いた本。
これも話題になり…それなりに売れたようです。
これも、意味がわかりません。
もともと、物書きではありません。
収監されていた以上、教育を受けたかどうかも不確か。
そのような人が、その犯罪に関して書いた文章です。
そもそも理解できるかどうかもわかりません。
そんな本に何の価値が有るのでしょうか。
読んでいないのに、このようなことを書く時点でフェアではないかもしれません。
とはいえ、今日のテーマは「ベネフィット」です。
コンテンツ、作品としてのクオリティに、疑問符しかつかない、その著作物。
なぜ、出版されたのでしょうか。
そんなものが、なぜ売れるのでしょうか。
ドルー・エリック・ホイットマン著「現代広告の心理技術101―お客が買わずにいられなくなる心のカラクリとは」によると、「人間の後天的(二次的)9つの欲求」というものがあります。
9つの上から2つが次の通り。
1.情報が欲しい。
2.好奇心を満たしたい。
おそらく、
「世間を賑わせた、【あの人】は、【あの出来事】の時になにをどのように考えていたのだろうか」
という好奇心…下世話な表現に置き換えるならば、単なる野次馬根性でしょう。
あるいは、前者の研究者に関しては、
「彼女は本当に正しい」
と心から信じ込んでいるのであれば、その正当化の根拠として書籍を買い求めるのかもしれません。
つまり、
「コンテンツとしての価値」
は無くとも、
「著作物としての価値」
はあるのです。
とはいえ、話題にはなっても一過性のもの。
売れ続けるようなものではありません。
なぜなら、作品としての「本質的な価値」はないからです。
だからこそ、電子書籍化して、60%オフ、というバーゲンセールで、投げ売りしているのでしょう。
ここからわかることとしては、マーケティング的に見た時に、
「価値」
とはなんだろう、ということです。
本質的な価値だけを「ベネフィット」として提供できれば、それはそれでいいのでしょう。
ただし、競争も激しくなれば、広告宣伝も大変です。
例えば、ラーメン屋が、味でひたすら勝負するようなもの。
味が良くなれば良くなるほど、原価は掛かるでしょう。
ですが、その味の良さを顧客に理解してもらうのは大変になります。
微妙な原材料の差異など、顧客の舌は判断できないからです。
そこまでの味の違いを広告宣伝するのは大変です。
そして、世の中には、より旨いラーメン屋はあるはずです。
では、本質的な価値で勝負しないのであればどうすればいいのか。
非常に下世話な例ですが、ご容赦下さい。
例えば、顧客層を分析します。
すると、
「10代後半〜30代前半の男性客が多い」
事がわかったとします。
そして、
「来店時の人数は1人」
が多いこともわかったとします。
つまり、恋人のいない若い男性が主要の客層だと仮定します。
では、どうしたらいいのか。
カワイイ女の子をスタッフに雇用して、魅力的な制服を用意し、笑顔で元気の良い接客をさせることでしょう。
これが、ラーメン屋の、味ではないところで勝負する考え方です。
ベネフィットは、その商品やサービスの本質的価値だけとは限らないのです。
顧客満足度をあげようと、商品やサービスをバージョンアップしようとする前に、ちょっと考えてみてください。
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