「仕事と私,どっちが大事なの?」

「仕事と私,どっちが大事なの?」

「仕事と私,どっちが大事なの?」
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タイトルを見て,ギョッとした人もいるかもしれません。
この質問から想定されるよりも,よりエグい内容を心がけて行きますので,楽しんでいただけましたら幸いです。

知り合いに,ある経営者がいました。
レストランの経営と食品販売の業種です。

何度か顔を合わせる間柄ですので,一度は機会があり,食べにいければ…くらいには思っていました。
ですが,自宅から来るまで片道1時間半。
なかなか
「そのためだけ」
に往復3時間掛ける気にはなりません。

何かのついでに行ければ…くらいには,ずっと思っていました。

そんなある日のこと。
3年ほど前だったかと思います。

たまたま,仕事の関係で,そのお店に近くにいました。
近く…といっても,車で30分くらいの距離です。
たしか,その地域の役場で,閉庁まで仕事をしていましたので…時刻は17時15分頃です。
自宅に帰る途中に,その店があります。

せっかくなので,
「機会があれば…」
と思っていただけに,これがチャンスだ,とばかりに連絡。
すると,
「18時閉店です」
とのこと。

その店に到着するころには閉店間際です。
ラストオーダーが18時ではなく,閉店が18時。

「機会があれば…と思ってたけど,この店に行くことはないな…」

…と心に決めました。

私が,関東出身だからなのかもしれません。
北海道に引っ越してきてからしばらくは,店の閉店の早さには驚きました。
ライフスタイルは,関東で暮らしていた頃そのままなので,食事の時間は,どうしても遅くなりがち。
ですが…その頃には,地元の飲食店のほとんどが閉店している,という状況です。

外食するときは,チェーン店か,遅くまでやっている,定食を扱う居酒屋という選択肢しかない状況でした。

ですので…営業終了時間は早い…というのはある程度,脳裏の片隅にありました。
ですが…さすがに18時ラストオーダーではなく,18時閉店,というのは想定外です。

真っ先に感じたのが,
「商売,する気あるの?」
というものです。

ランチタイムしか営業しない,と決めているのなら話は別です。
だとすると14時とか15時閉店になるはずです。
しかし18時閉店とは何とも中途半端です。
夕食に来る客は完全に対象外にしているかのようです。

別の経営者と話をしている時に,彼の話を聞いたら,
「最近あまり上手く行っていないらしいよ」
「18時閉店なら…夕食の客を取り込めないから,弁当を作って配達でもしないとやっていけないだろうに…そういったことも一切する気がないらしい」
とのこと。

結局,その経営者の姿を見かけることはなくなりました。

それからしばらくしたある日。
夜の21時頃,その店の前を通る機会がありました。
運転中ですので,あまり注意を払うわけにはいきません。
ちらっと,その店の方向に視線を向けたところ…電灯が付いていました。

おそらく,やっていけないことに気がついて,営業時間を伸ばした,ということでしょう。

では,そもそもこの店はなぜ,営業時間が18時までだったのでしょうか。
直接話を聞いたわけではないのでわかりません。あくまでも推測です。
18時まで店を開け…そこから片付けて自宅に帰って19時,くらいでしょうか。
19時に帰れれば,家族との時間を過ごすことができます。

繰り返しますが,あくまでも推測です。
家族との時間を大切にするために,営業時間を18時までに,設定していた…のかもしれません。

この場合,
家族>仕事
という価値基準になっているわけです。

この価値基準が正しいとか間違っている,というつもりはありません。
人の価値観に優劣を付けるような愚かな真似はしません。

では,この問題は何だったのでしょうか。

家族>仕事
という価値感を守るにはどうしたらいいのか。

非常に身もふたもないですが,「お金」がなければ守れないのです。
十分な売上と利益を出していなければ,家族と過ごす,その空間…すなわち住居すら守れないのです。
家族にしてみれば,
「家族との時間が大事だから,店は18時までだよ」
と言って,ろくに売上も出せずに,家に入り浸り…でもお金がないので,食事すらできない。
そんな父親(または夫)をどう思うでしょうか。

お金が…つまり,売上と利益がなければ,家族すら守れないのです。

選択には責任を伴います。

家族との時間を大切にするために,飲食店にも関わらず18時に閉店する。
その決断には責任を伴うのです。

別の知り合いの経営者が言っていたように,仕出し弁当を作って配達する,などをすれば,収入を確保しながら夜の時間を死守することはできるかもしれません。

あるいは,そもそも飲食店という選択そのものを見直すことも必要かもしれないのです。

価値観に固執するだけして,責任を取らないと,お金を失い,家族も失うことになるかもしれない,という話でした。

タイトルの
「仕事と私,どっちが大事なの?」
は,女性が恋人の男性に対する質問,という状況が多いようです。
これは…別に男性がどう答えようと,大した問題にはなりません。
せいぜい,その日に一つのカップルが終焉を迎える程度です。

ですが…
「仕事と家族,どちらが大事なのか」
という選択に対し,間違った選択をしたり,その選択に責任を取らないと…離婚,一家離散,あるいは自殺…といった未来すらあり得るのです。

自分がどんな価値観にこだわっているのか。
その価値観にこだわることで,どんな犠牲を生んでいるのか。
ちょっとだけでもいいので考えてみてください。

自分の価値観に殉ずる,という死に方は,その人にとっては幸せかもしれません。
ですが…多くの人にとっては,迷惑な話です。

今回の飲食店の経営者は,「手遅れ」になる前に,手を打ちました。
あなたが「手遅れ」にならないことを,切に願います。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

追伸
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