今日は,みみっちい話をします。
ただ…一定以上の方には,
「あ〜わかるわかる」
と思っていただけるのではないでしょうか。
ATMでお金を引き出す時に,なぜ手数料を取られるのでしょうか。
自分のお金を出すのに,手数料を取る。
少々,イラッとします。
イラッとするあまり,
「取られる」
という表現を使ってしまうほどです。
私が司法書士として法律相談をするにあたって,
「相談料はいくら取られるの?」
と聞かれる事があります。
「取られる」
と表現する人は,とにかく受けないように心がけています。
(ある程度の受託義務があるので,一律拒否ができないのがつらいところです)
それくらい,
「取られる」
という表現は嫌な感じがします。
まるで「盗られる」と言わんばかりです。
そして,まさにATM手数料は,「盗られた」と言いたくなるくらい,不快な感情を抱きます。
さて。
この
「感情が動いた時」
というのは意味があります。
なぜ感情が動いたのか。
その理由を突き詰めて言語化することができれば…集客や売上アップに活かすことができます。
なぜなら,顧客に「行動してもらう」前に,必ず「感情」が先に動かなければならないからです。
…ということで,金額の多寡でもなければ,「イラッとした」という出来事そのものでもなく,
「なぜ」イラッとしたのか,というこの理由が大切になります。
興味深いのが,同じ銀行の手数料でも,
「振込手数料」
については,そこまで不快な感じがしません。
なぜか。
「そういうもの」
だからという他ないでしょう。
すなわち,銀行振込は,タダではできません。
お金がかかります。そういうものです。
だから,実際に振込手数料がかかったところで,
「高い」
と思うことはあったとしても,ここまで「イラッ」としません。
ですが,ATM手数料は,まさに「盗られた」感たっぷりです。
なぜでしょうか。
銀行振込の場合は,他行に振り込むにあたって,何らかの手間が発生していると考えられます。
つまり,そこに「役務」が発生している,と考えることもできるかもしれません。
その役務の対価としての「手数料」ということであれば納得しやすくなります。
ですが,ATMから自分のお金を引き出す作業で,どうして役務が発生していると言えるのでしょうか。
例えるならば,自動販売機で飲み物を買う際に,ドリンク代だけではなく自動販売機手数料も別途盗られるかのような理不尽さのような感じです。
この理不尽さに輪をかけるのが,
「無料」
のときと,実際に手数料を盗られる時の2パターンある,ということです。
つまり,
「手数料は無料だ」
などと思っていた…のではなく,手数料は掛かることはないと思いこんでいるので,いちいち意識すらしない状態で,いざお金を引き出してみたら手数料も盗られていた。
この騙し討ち感も,理不尽さに繋がります。
「無料」だと思っていたものが,実はお金が掛かる。
しかもそれが事前に知らされていない。
これでは,想定外故に不愉快になるのではないでしょうか。
もし,無料と有料が混在せずに,一律有料だったらここまでイラっとしないかもしれません。
…その場合には,黙って口座解約するだけかもしれませんが。
これらの理由から,ATM手数料を盗られると,イラッとすることに繋がるわけです。
改めて考えてみましょう。
先程,振込手数料は「役務」の対価という考え方を紹介しました。
ATMは役務が発生していないのに手数料を取るとは何事だ,という流れで話をしてきました。
果たして本当でしょうか。
無料だったり,有料だったり…ということが混在して,それが混乱を引き起こしているのであって,本当はそうではないかもしれません。
実際,ATMにはコストが掛かります。
機械本体にコストがかかります。
設置するにもコストがかかります。
維持・メンテナンスにもコストがかかります。
あるいは,ATMにお金を入れたり補充したりするにもお金がかかります。きっとあなたも,コンビニATMの前で,警備会社の服装をした人が身構えていて,その奥で警備会社のスタッフが作業しているシーンを見たことがあるかもしれません。
このようにコストがかかっているのですから,ATMを利用するのであれば何らかの対価が必要…と言えるかもしれません。
ですが,実際にはタダで使えることが多いから,いざお金がかかると,イラっとするわけです。
この考え方は,非常に役に立ちます。
まとめると次のとおりです。
1.無料だと思っていたものに,お金を払わされるとイラッとする
2.無料だったり有料だったりで統一感がないと,有料の際にイラッとする
3.本来,それなりのコストがかかっているから手数料が発生してもおかしくないものに対して,それらのコストのことを一切説明せずに,一方的に手数料が発生すると,イラッとする。
1の例で,よくあるのが,上記でも説明した「相談料」です。
弁護士ならばともかく,外の資格や職業でも,専門知識や経験に基づく知恵からのアドバイスを受けられるのですから,その対価が発生するのは当たり前…のはず。
ですが,実際にお金を取らない方が多いから,有料になると,顧客の機嫌を損ねるわけです。
あるいは,3では,見積書などを見ると,一切聞いていないものに対して金額が計上される…ということが起きる業界があります。ひどい場合には,見積もりには載っていないものが請求書に上積み,ということがありえます。
これではイラッとされても当然です。
理由としては,何らかのオプションが次々に計上されているのでしょう。けれど,顧客がそれを理解していなければ,イラッとされます。
有名な例が,PCデポ。
顧客が全く理解されていない状態で,毎月高額な金額が引き落とされ…そして,解約するにも莫大な費用がかかります。
それについて,店側は「正規の対応」と言い張っています。
つまり,本当に正規の対応だったとしても,それを顧客が理解していないから,トラブルになるわけです。
今の時代は,SNSで情報がすぐに拡散します。
PCデポのように炎上することも十分にありえるでしょう。
ATMの利用手数料くらいならばともかく,より高額な場合には,どんな事態になるかはわかりません。
「説明した」かどうかではなく「理解してもらえたかどうか」なのです。
…今回のATM手数料は,勉強料だと思うことにします。
現にこうして,1記事分の学びになりました。
だからといって,「納得」はできませんが…。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
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