「現実に合意しない」ことで得られる成果

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数年前の2月。
私は「なぜか」濡れていました。
なぜか,です。
 
 
たまたま,
北海道から東京へ来ていた時のこと。
外を歩いていたら,濡れたのです。
 
 
建物に入って,一息。
すると,知人から,
 
「雨に濡れたんだ。
傘,持ってなかったの?」
 
 
北海道に住んでいる限り,
2月に雨に濡れることはありません。
 
傘を持つ,という発想もありません。
 
 
 
半分,意地と冗談で,
「気のせいですよ」
「雨なんて降っているはずないじゃないですか」
 
そうです。
2月の北海道で,雨など降らないのです。
降るのは,雪だけ。
 
 
顔見知りに会う度に,
「雨に濡れたの?」
と言われるので,
 
 
その都度
「気のせいですよ」
「雨なんて降ってません」
などと言い張っていたところ…
 
 
ふと,外を見ると。
雨は降っていませんでした。
降っていたのは雪でした。
 
 
そばにいた知人が,
笑いながら,一言。
「現実に合意しないっていいよね」
 
 
 
 
この
「現実に合意しない」
というのは,大切です。
 
 
現実…別の表現をすりならば,
「周りの人」
とも言えます。
 
 
 
つまり,周りの人たちに合意しない。
不必要に影響を受けない,ということです。
 
 
 
 
 
3月に入りました。
きっと…特定の地域にお住まいの,
特定の方は,
「花粉症に苦しむ」
のではないでしょうか。
 
 
私は,幸いにも
「花粉症」
の症状はありません。
 
 
 
 
 
平成18年,春。
まだ私が関東に住んでいた時,
春になると,むず痒いような気がしてきました。
 
 
その時は,
「気のせい,気のせい」
と自分を言い聞かせながら…
 
「来年あたり,もうダメかも…」
とも諦めモード。
 
 
 
その年の夏に,
いろいろあって,
突然
「北海道移住」
を決断。
 
 
平成19年の春は,
北海道で迎えました。
花粉のない北海道です。
 
 
 
あれから何度も,
春の季節に
関東に行くことがあります。
 
 
花粉症に苦しむことはありません。
 
 
平成18年当時は,
「来年あたり,やばいかも」
と思っていたのに,です。
 
 
なぜか。
 
「花粉症で苦しむはずがない」
と思っているからです。
 
…というのは,正確ではありません。
 
人は,
「思っていない」
ということができないからです。
 
 
本当に,カケラほども,そのことについて
考えていなければ,
「思考」
に出てくるはずはありません。
 
 
 
実際。
春に関東へセミナーを受けに
行ったときのことです。
 
 
鼻をかんでいる人がたくさんいます。
セミナー中,鼻をすする音がうるさくて,
実に耳障り。
 
マスクをしている人もたくさんいます。
 
 
顔見知りの,
セミナー主催スタッフの方に,
「関東は,酷い風邪でも流行っているのですか?」
と聞いてみました。
 
 
「花粉症じゃないかな」
と言われ…
 
「花粉症…?
 なんだっけそれ」
と思ったものです。
 
 
 
 
気合と根性で,
「現実に合意しない」
のは大切です。
 
 
ただ,なかなかそこまで
「意志力」
を発揮するのは大変。
 
 
ならば,
「意志に頼らず環境に頼る」
のも一つの手です。
 
 
きっと…
花粉症の人の半分以上が,
 
「周りが花粉症だから,
自分も罹るかもしれない」
 
 
という思考に振り回されて,
自ら花粉症を引き起こしている
のではないでしょうか。
 
 
 
 
 
花粉は,あくまでも例です。
 
 
別の例で言えば,喫煙。
周りの人が,吸っている中で,
 
 
「私,明日から禁煙します!!」
 
と言えば,
 
「お前には無理,無理」
 
などと言われるだけでしょう。
無言で,タバコを差し出されたり,
タバコの煙を吹きかけてきたり…
必死で「呪い」を掛けてくるはずです。
 
 
一番手っ取り早いのは,
「吸わないのが当たり前」
の嫌煙家に囲まれるのが,
効果的です。
 
 
 
同じように。
 
「良い商品なら,
売り込まなくても売れる」
 
と思い込んでいる人に囲まれている限り,
マーケティングが上達するはずがありません。
 
 
きっと彼らは
「売上をもっと上げたい」
と思ったならば,
 
「商品の良さを顧客に伝える」
ことなど,カケラほども思わずに,
 
「顧客が到底理解できないレベルの
商品改良」
 
が行われるのが関の山。
 
 
 
「改良を繰り返したおかげで,
0.1ミリ,商品が薄くなりました」
 
という結果に終わるだけでしょう。
 
この「変化」に,
どれだけの人が,気づくことでしょうか。
 
 
 
さらに,「改良」できた成功体験を元に,
ますます
 
「良い商品なら,
売り込まなくても売れる」
 
という観念を強化していくだけでしょう。
 
 
 
 
人は,無意識に影響を受けます。
 
そんな人達と一緒にいたら,
マーケティングは上達しません。
 
経営者仲間としてではなく,
「人として」
に限定して付き合うべきでしょう。
 
 
 
あるいは,
「現実に合意しない」
ために,意志の力を振り絞って,
 
「商品の良さ」教の狂信者の
呪いに抗う他ありません。
 
 
 
もちろん,商品の品質は大切です。
決して,
ないがしろにしてはいけない要素です。
 
 
ですが,品質以上に,
「販売すること」
が大切です。
 
 
販売して,顧客に使っていただいた,
フィードバックをもらわないと,
「改良」
できないからです。
 
 
そして,
販売することで,そこから得られた
「売上」
を使って,更に改良すればいいのです。
 
 
「商品の良さ」教の狂信者は,
売りもせずに,改良,改良を繰り返します。
 
 
 
その結果。
もちろん,売れません。
「売れるには,もっと品質を高めないと!」
 
 
その結果。
もちろん,売れません。
「売れるには,もっと品質を高めないと!」
 
 
その結果。
もちろん,売れません。
「売れるには,もっと品質を高めないと!」
 
 
 
無間地獄です。
 
 
 
そんな人に,
「商品改良よりも,売るほうが大切」
などと,絶対に言ってはいけません。
 
彼らの生き方そのものを否定するだけです。
(と,彼らは感じるでしょう)
 
 
彼らの信念は,強固です。
「合意しない」
という意志力に頼って,抗うのは大変。
 
ならば,距離を取るほうが楽でしょう。
 
 
 
それができれば…
きっとあなたは,たくさんの方に,
 
「それなりに素晴らしい,価値ある商品」
を販売して,顧客に喜んでもらい…
収益を得られるでしょう。
 
 
 
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