「金儲けの祕訣狢の卷」

「金儲けの祕訣狢の卷」

「金儲けの祕訣狢の卷」
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昨日と同じ,100年前の雑誌の話です。
週刊ダイヤモンドの創刊号を眺めていたときのことです。
創刊号は,大正2年5月発刊。1913年発売ですので,104年前のコンテンツです。

学生時代,私はそれほど古文の成績がよかったわけではありません。
当時の言い回しの表現をスラスラ読めるわけでもありません。
適当にページをめくってみたところ,思わずぎょっとした記事がありました。

ヘッドライン(見出し)は,次の通りです。

「金儲けの祕訣狢の卷」

そこは,虎じゃなくて狢(ムジナ)なのか…と突っ込みを入れたくなりました。

突然ですが,話は変わります。
極端に言えば,人間の悩みは5つしかないと言われています。

1.人間関係
2.恋愛
3.お金
4.健康
5.仕事

もちろん,カテゴリ分けは様々。
恋愛を人間関係に入れる人もいれば,仕事をお金に入れる人もいます。
分け方はともかく,おおざっぱに言えば,これだけしか人間の悩みはない…らしいのです。

この5つは,今も昔も変わらないものなのでしょうか。

もちろん,悩みの程度や内訳は,変わってくるでしょう。

例えば,太平洋戦争下においての悩みは,今の悩みとは全く別でしょう。

なぜなら,空爆によって,命の危機にさらされる時代です。
あるいは男性であれば,赤紙が届けば死地に出向くことになります。

もちろん,そんな最中において,様々な悲恋があったことは想像に難くないでしょう。
当時から恋愛の悩みは存在したはずです。

では,健康面ではどうでしょうか。
例えば…鬱病。

メンタルヘルスに関して,企業でも様々な義務が課されるようになりました。
…専門ではないので,詳細は避けます。

もちろん,鬱病対策です。

太平洋戦争下において,毎日が生きるか死ぬか。
食べ物も不足して,栄養失調もめずらしくありません。

ちょうど今8月なので,そろそろまたテレビで映画「火垂るの墓」が放映されることでしょう。
きっとあなたも観たことがあるのではないでしょうか。

あの時代に,
「鬱病」
は存在したのでしょうか。

出所は明らかにできませんが,
「当時は鬱病というものは存在しなかった」
とはっきり言い切っている文献は目にしたことがあります。

これは,その時代背景において,移ろいゆく悩みの変化です。

ですが…そのカテゴリ分けである,

1.人間関係
2.恋愛
3.お金
4.健康
5.仕事

というのは,変わらないのではないでしょうか。

だからこそ,104年前の雑誌コンテンツに,
「金儲けの祕訣狢の卷」
といった見出しが躍っているのではないでしょうか。

結論としては,昨日書いたとおりと同じです。
人間は変わらないのです。
100年経っても,人間の本質は変わりないのです。

人の悩みの中から「お金」というものは消えずに,依然として存在しているのです。

だからこそ,「金儲け」は100年前から今に至るまで,廃れることのないキラーコンテンツなのでしょう。

そして…その金儲けを求める人は,今も昔もなくなることなく,存在し続けるのです。
そこに市場があるのです。

悩み…言い換えると,人間の欲求,欲望は,今後も変わっていくことはないのでしょう。

ならば,マーケティングも,そこに焦点を当てていく,という基本方針は変わりません。
ただ,表現方法自体は,いろいろ変わってきているので,そこは工夫が必要になるでしょう。

最後に。
この雑誌には,こんなことが書いてありました。

「祕訣と云ふにも亦色々の區別がある。一方には虎の卷があれば,一方には豹の卷,龍の卷もある。が,虎の卷,豹の卷,龍の卷などと,祕訣と銘打つて現はれたものに祕訣があるものではない。そんなものは通り一遍の祕訣に過ぎない」

だそうです。
目の前のもうけ話に踊らされる人に対して,結局の所,
「そんなうまい話はない…」
という文脈なのでしょう。

そのような忠告じみたコンテンツの需要も…今も昔も変わらない,ということでしょう。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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