たまに見かける、ツイッターでの大量発注写真。
お菓子などについて、ケタ数を間違えて、大量に発注。
賞味期限の問題があるから、早めに売りたいところ。
ですが…そもそも「必要」だと思った数の何十倍もの数を入荷しているので、普通に売っても完売できません。
そこで出てくるのがツイッター等のSNSで、
「間違えて発注してしまいました」
という投稿をすることで、見た方の厚意で買ってもらう、という事例です。
もちろん、本当に間違えてしまった場合の緊急措置であり、決して
「手法」
として使うべきではないでしょう。
これは、賞味期限の問題があるから早めに売らないと…ということでした。
ではこちらをご覧ください。
スコップです。
このスコップを、大量発注してしまったとします。
何の変哲もない、ただのスコップです。特殊機能が付いているわけでもなければ、どこかの有名人が気に入っている…といった付加価値もありません。
スコップは賞味期限がないので、少しずつ売っていくのも手でしょう。
ですが、当然、大量発注してしまった以上、倉庫の在庫置き場を圧迫します。他の在庫を置くことができなくなります。
また、仕入れですから、当然そこに買掛金が発生します。
売れなければ、資金を回収できません。ずっと持ち出しの状態になり、資金繰りが悪化します。
廃棄しなくていい分、救いはあるものの、早々に売りさばきたいところです。
先程の例と違って、食べてしまって無くなるものではない以上、
「人助け」という大義名分のもとに「衝動買い」
を誘うことも難しいでしょう。いらないものはいらないですから。
では、このスコップ。
あなたなら、どう売りさばきますか?
考えてみてくだい。
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(本当に考えてみてくださいね)
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考えてみたでしょうか。
正解か不正解か、あるいはこれから私の考えを書いていきますが、それがうまくいくかどうかはわかりません。
正解かどうか、以上に考えてみることが学びになるのです。
話は変わります。
こちらのニュースをご覧ください。
雪に埋もれた車から衰弱した男性 一酸化炭素中毒で死亡
朝日新聞デジタル 2月29日(月)21時9分配信
29日午後1時40分ごろ、北海道帯広市(中略)の駐車場で、若い男性が軽乗用車の中でぐったりしているのを通行人が見つけて119番通報した。男性は間もなく死亡した。
道警帯広署によると、男性は(中略)で、死因は一酸化炭素中毒。軽乗用車は全体が雪に埋もれた状態だったという。車の排気管が雪で塞がり、車内に排ガスが流入した可能性がある。(後略)
(Yahoo!ニュースより)
先日、関東の実家から連絡があり、
「車の中にスコップを1つ入れておきなさい」
と言われました。
理由が、「一酸化炭素中毒にならないように」とのこと。
テレビか何かで、検証したものを見たのでしょう。
…サスペンス好きな親のことですから、もしかしたら「殺人の手口」で使われたのかもしれませんが。
排気管が雪で塞がってしまうと、排気ガスが逆流して車内に入ってしまうようです。
だからこそ、雪で身動きが取れなくなった時には、スコップを使って、排気管付近の雪をどけて、空気口を確保しないと命にかかわる事態になります。
スコップと言えば、土いじりのイメージがあるかもしれません。
ガーデニングなどをやらない人にとっては、まったく用のないものです。
いかに「ガーデニングをやる人」にアクセスするか、と考えたかもしれません。
ですが、ガーデニングをやる人は、すでにスコップを持っていることでしょう。
何の変哲もない、ただのスコップを買い換える理由にはなりません。
ならば、スコップが必要「かも」しれないけれど、持っていない人は誰なのか。
それが、雪国で運転する人たちです。
万一、吹雪で身動き取れなくなった時に、一酸化炭素中毒にならないように…というアプローチでPOPを作ったりチラシを作ったりして、店頭で特設売り場を作って売ればいいのです。
あるいは、自動車修理工場とジョイントベンチャーを組むのも手でしょう。
きちんとセールストークスクリプト(台本)を用意して、オイル交換などで訪れた人に売ってもらうのです。
在庫を自動車修理工場に卸すのではなく1個あたりいくら、の販売手数料を支払う形式であれば、自動車修理工場にリスクはないので、取り扱ってくれる…かもしれません。
その商品やサービスの用途、使用例や活用法を、顧客にきちんと理解してもらうこと。
これは売手側の責任です。
スコップを「土いじり」の道具ではなく、雪国ではいざというときに命を守る道具になりうる、と紹介して、顧客のために販売するのも、売手の責任なのです。
スコップを売らなかったことで恨まれることはないでしょうが…「いざという時」などないほうがいいでしょうが…それでも、その時が来たならば。
もしあなたが大量のスコップを処理する責任者だったとしたら。
自分のプロモーションで、誰かの命を救うことがあるかもしれない…そう考えるのは、なかなか悪くない話ではないでしょうか。
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