先日,久々にテレビを眺めてたら,ある新商品が紹介されていました。
ある意味画期的な商品であり…見ていて戦慄させられるものでした。
それは,ネイルプリンター。
指5本分を同時にネイルできるもの。
全部で45分程度で終わるようです。
普通にネイリストに依頼すると,2時間程度はかかるのだとか。
コストも,複雑な柄だとネイリストに依頼すると1万円〜。しかし,このプリンターを使えば,3500円〜。というもの。
時間も早く,価格も安い。
品質も,よほど複雑なものでなければ,ネイルプリンターでも事足りる。
しかも,このプリンターの価格は,初期費用15万円に,月額1万円程度。
マーケティングをがっつり勉強している人であれば,もしかしたら聞いたことがあるかもしれない,ある事例があります。
初期費用をほとんど掛けずに,銀座でネイルサロンをオープンした,という話です。
銀座でオープンする美容室に対して,コラボを提案。
美容室を利用している,待ち時間中の顧客(よくわかりませんが,美容室で毛染めやパーマなどをしている間は,ずっと待っている時間があるのだとか)に対して,ネイルを提供。
売上をシェアする,という提案です。
美容室側にしてみれば,ただの待ち時間で,何も収益を生んでいない時間帯から収益を得られるようになります。
ネイルサロン側も,大掛かりな初期投資を掛けずにサービスを提供できます。
顧客側も,わざわざネイルサロンに行かなくとも済むので,何もすることができない待ち時間を有効活用することができます。
…というコラボの事例です。
この事例をはじめて聞いた時に,
「ホント,よく考えるなぁ」
と驚嘆したのはよく覚えています。
ですが…この事例も,もしかしたら伝説の彼方に消えていく可能性があります。
まず,
「ネイルサロン」
という業種がかつては存在した,というところから説明しなければなくなるからです。
一時期マスコミやネットを騒がせたので,あなたもご覧になったことがあるかもしれません。
【オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」】
という記事です。
この中に,「ネイリスト」が含まれています。
記事が発表されたのが,2014年11月。
3年も経たないうちに,ネイリストの大半を無力化してしまうような新商品が開発されたのです。
これから3年,5年と掛けて,このプリンターや,類似商品が普及していくことで,どんどんネイリストやネイルサロンが駆逐されていくことでしょう。
このように,本当に【あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」】のきっかけかもしれない,その瞬間を目撃して,戦慄したのです。
もちろん,10年間で,世の中から完全になくなるかどうか,と言い切れるものではありません。
ですが,よほど特化した差別化要因でもない限りは,淘汰されていくことでしょう。
この流れに,どう対応していくか。
本論ではないので,軽く触れるに留めておきます。
一つは流れに乗ることです。
この機械を導入して,どんどん数をこなすビジネスモデルに変更することでしょう。
一人あたり2時間かかって1万円だとしたら,この機械で45分掛けて3500円。ということは,3人で概ね時間と売上が釣り合ってくることになります。
ただし,鍵は集客力。3倍集客できなければ,このビジネスモデルは成立しません。
もう一つが…完全ハンドメイドをアピールして,さらに客単価を上げるもの。
十分にリサーチして,完全ハンドメイドならではのベネフィットをきちんと伝えないと集客は難しいでしょう。
このネイルのプリンターは,「競合」という概念を根本から崩しかねない存在です。
ライバルのネイルサロンが…とか,競合のネイリストが…という枠組みで考えていたところが,一気にネイルサロンの存亡の危機にまで陥れかねない商品なのです。
ネイルサロンそのものが存亡に陥っている時に,競合がどうのこうの…と言っている場合ではありません。
このように【予言】されていたとしても,現に競合以外から,自分のビジネスの根底を覆される可能性がある。
その時にどう対応するのか。
今日明日どうのこうの…ではない話ではあります。
ですが,誰もが一度は考えておいたほうがいい話です。
なぜなら,もしかしたら明日ではなく明後日が,あなたのビジネスを根底から覆す商品やサービスがリリールされる【その日】かもしれないからです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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