なぜアマチュアの高校野球が人気なのか

お盆の真っ最中ですが，高校野球選手権大会が盛り上がっているようです。
ランチタイムにテレビを付けたらやっているので…つい見入ってしまいます。

この高校野球。
日本では人気ですが，海外…特にアメリカではかなり不思議に思われているようです。

なぜ，たかがアマチュア野球が，こんなにも人気なのだろうか，と。

高校野球の魅力については，ぜひ，「タッチ」や「H２」などを執筆した，マンガ家のあだち充さんにでも熱く語ってもらいたいところです。

高校野球と青春を絡めて，甘酸っぱい思い出を回顧させる…。
そんな立ち位置からの掘り下げであれば，これらのマンガ以上に適役はないでしょう。

それはさておき。
純粋にスポーツ観戦として見た場合，高校野球にはどんな魅力があるのでしょうか。

１．全力疾走
わかりやすいのが，この全力疾走。
例え，凡打だとわかっていても，バッターは一塁まで全力疾走します。
どう考えても間に合わないのに…です。

もしかしたら，エラーが起こるから，かもしれません。
プロ野球ではない以上，いつ何が起こるかわかりません。
そういった打算的な観点からも，全力疾走は必須です。

ですが，そういった打算的な思いは脇に置いても，何かにむかって全力疾走…というものは，気持ちが良いものでうs。

２．一期一会
高校野球の醍醐味といえば，これです。
一度負けたら終わりです。
敗者復活はありません。
三年生の選手はそれで終わりです。
ですがそれは二年生も一年生も同じ。
また甲子園に戻ってこれる保証など，どこにもないのです。

だから，つねに一戦必勝。
これはプロ野球にはない独特の緊迫感です。

プロ野球は，今日負けても，また明日試合があります。
今シーズンは終わってもまた来シーズンがあります。

一昔前に，プロ野球で「クライマックスシリーズ」で「リーグ優勝」を決めていたことがあります。
今は，単にリーグ代表として日本シリーズに出場するのを決めるだけのものです。
しかし，一時期，「リーグ優勝」を決めるためのクライマックスシリーズというものがありました。

つまり，勝率や勝利数では二位以下を圧倒していても，このクライマックスシリーズで負けると，優勝を逃すことになるのです。
その試合をテレビ観戦していたことがありました。その張り詰めた緊張感は，これまでのプロ野球にはない独特なものでした。

このような，一戦必勝は，今となっては高校野球でしか見られないのかもしれません。

３．ドラマ性
プロ野球にはない高校野球の魅力。
それはドラマ性です。
例えば，０対７で，９回の裏の攻撃です。
ここで同点以上にならなければ試合終了。

プロ野球では，まずこれでひっくり返る…ということはありません。
いくらでも控えの投手がいますから。

ですが，高校野球は，そうとは限りません。
この０対７が，いつひっくり返るかわからない，そのスリリングさ，そしてドラマ性。
これは，プロ野球にはないものです。

以上，これがプロ野球にはない，高校野球の魅力の一部でしょう。

このように分析するならば，必ずしもプロ野球のような，ある意味，完成された「技量」というものは，そのエンターテインメント性とは関連していない，ということになります。

凄いバッティング，凄い守備，凄い投球。
これは，どう考えても高校野球はプロ野球には及びません。

「いい試合」を見たいなら，プロ野球を見るべきでしょう。
それでも，高校野球を見て楽しめる…ということは，技量と楽しみ方は，一致していないのです。

これは，ビジネスにもそのまま当てはまるのではないでしょうか。
必ずしも商品力，サービス力，ブランド力だけで決まるわけではありません。

仮に…多少拙くとも，接客に全力疾走をする。
そのひたむきな姿勢。
これが，もしかしたら「リピート」に繋がるのかもしれません。

より価値を提供したほうが，お客様に喜んでもらえることは言うまでもありません。
喜んでもらえることが，リピートに繋がることもいうまでもありません。
では…価値とは，必ずしもサービス力には起因するとは限らないのです。

いつもと同じ接客。
いつもと同じ電話応対。
いつもと同じサービス提供。

それをいつもと同じように高い品質をもって提供する。
それがプロというものです。
ですが…それが当たり前になってしまうと，無味乾燥で，ドラマ性が感じられなくなります。

きっと，無意識に，１００％の力を使わなくても，それができることに気づいて，いつの間にか８０％，７０％の力で，同じ結果を出しているでしょう。

ならば…高校球児にならって，ほんの少しでも，ひたむきに，一生懸命力を尽してみてもいいのではないでしょうか。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター　飯山陽平

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