ある人が突然,
オンラインショップを立ち上げました。
業種や商品内容は,
極めてマニアック…もとい,
ニッチな内容です。
すぐに「ある人」が特定
されてしまいますので…
詳細は脇に置きます。
その人と同じような特殊スキルを
学んで実践できるようになれる,
ツールセット…という感じです。
イメージ的には,
ある治療家がその独自の治療技術と
必要なツールを教材にして販売…
という感じでしょうか。
ただ,BtoBではなく,
もっと「娯楽要素」が強く,
「必要性」の薄い商品です。
私にしてみたら,
「こんなもの,誰が買うんだろうか」
という感じでした。
私はコピーライターなので,
その販売用WEBサイトを訪問。
なんというか…
WEBで反応率を高めるために,
「こういうことをやってはいけない」
というものをことごとくやっている。
そんなサイトでした。
まさに,
「こんなサイトから,誰が買うんだろうか」
としみじみ思った次第です。
ところが。
数日も経たずに,
「在庫が残り半分です」
といったコメントを発見。
さらに…
「在庫があと残り3つです」
「新商品入荷しました」
そして,
「新商品も,在庫は半分を切りました」
その後はチェックしていないので
どうなったのかはわかりません。
もし本人のコメントが本当であれば,
「こんなもの,誰が買うんだろうか」
すなわち
「1個売れるかどうかもわからない」
というものが…
少なくとも在庫が3個になるまでは
売れたということです。
「こんなもの,誰が買うんだろうか」
これは…まだわかります。
どんなクズみたいな商品であったとしても,
対面セールスなら,売れる人は売れます。
それを広告などでゴリ押ししてしまうと
「誇大広告」
になってしまう危険性があるだけです。
逆に言えば,誇大広告にならなければ,
何とでも売りようがあるのでしょう。
少なくとも,私にしてみたら
「こんなもの,誰が買うんだろうか」
というシロモノですが,
本人にとっては情熱的に販売できる
ものでしょうから。
ですが…
そんなシロモノがネットで売れたのです。
あくまでも本人の言うことが本当であれば,
ですが…
私にしてみたら,
ファンタジーという他ありません。
ファンタジーという言葉で片付けてしまう
わけにもいかないので,
なぜに売れたのかを掘り下げていきます。
まず,商品特性。
「こんなもの,誰が買うんだろうか」
というものであったとしても,
これは私の先入観が強いとも言えます。
例えば,お酒。
「百害あって一利なし」な商品。
誰が買うのでしょうか。
実際に売れてます。
「若者の酒離れ」
と言われつつあります。
お酒という市場自体は衰退しているのかも
しれませんが,それでも売れています。
同じように,
私にとって見たら,まるで価値がない
商品でも,
「欲しいと思う人はいる」
のでしょう。
とはいえ,
「欲しい」
と
「買う」
との間には高い高い壁があります。
そんなものが,
なぜ「オンライン販売」で売れるのか。
ここに,今日のテーマである
「インターネットマーケティングの正体」
が隠されています。
そもそも,
「インターネットマーケティング」
という言葉そのものがおかしい。
この点に気づいている方は,
どのくらいいらっしゃるでしょうか。
定義【インターネット】
個々のコンピューターネットワークを
相互に結んで、
世界的規模で電子メールやデータベースなどの
サービスを行えるようにした、
ネットワークの集合体。
(デジタル大辞泉)
要するに,
「ネットワークの集合体」
がインターネットです。
そのマーケティングだということです。
別の角度から説明します。
DMマーケティング。
このように表現するでしょうか。
チラシマーケティング。
このように言うでしょうか。
雑誌マーケティング。
新聞マーケティング。
このように言うでしょうか。
このような表現は,
ほとんど耳にしないのではないでしょうか。
ならばなぜ
「インターネットマーケティング」
という言葉があるのでしょうか。
インターネットというものは
特殊で複雑怪奇でよくわからないもの。
だけど何となく効果がありそうなもの。
そのように捉えているのではないでしょうか。
世の中,効果がわからなくても
使えるものはたくさんあります。
例えばテレビのリモコン。
なぜリモコンから
「物理的に離れた」
テレビ本体に影響を及ぼすことが
できるのでしょうか。
これを論理的に科学的に納得して
使っている人はいるのでしょうか。
携帯電話。
今のiPhoneを200年前に
持っていったら…
現地の人に何と説明したら
納得してもらえるでしょうか。
このように,
仕組みはわからなくても
「使い方」
がわかって使っているだけでしょう。
ただ,よくわからないものは
よくわかりません。
そこで,もっともらしく,
「インターネットマーケティング」
などという言葉があるのではないでしょうか。
あくまでも推測です。
いわゆる
「インターネットマーケティング」
の黎明期に,
この手のサービスを扱う業者が
「『インターネット』という言葉をつければ
反応が上がるだろう」
と考えて付けた。
せいぜいこんな感じではないでしょうか。
なぜなら,
人間の習性の一つに
「新しもの好き」
があるからです。
その上で,あらためて
「インターネットマーケティング」
の正体は何か。
結局は
「インターネット」
の本質は「メディア」あるいは「媒体」
なのでしょう。
新聞やチラシ,DM,雑誌などと同じ
単なる一つの「メディア」です。
ただこれが上述のような経緯で
「インターネットマーケティング」
という言葉とともに広がってしまった。
だからこそ,
「インターネットマーケティング」
という言葉の確立後,
様々な派生用語が出てきました。
「ブログマーケティング」
「メルマガマーケティング」
「SNSマーケティング」
「コンテンツマーケティング」
例を出せばキリがないので,
これくらいにしておきます。
つまりインターネットと言っても
単なるメディアだということです。
…ということは,
「販売者の影響力が強ければ」
ネットだろうが新聞だろうが,
どんなメディアでも売れるのです。
なぜ
「こんなもの,誰が買うんだろうか」
という物がネットで次々と売れたのか。
結論は,
「本人がSNSでサイトを宣伝したので,
その人の熱烈なファンが買っていった」
だけの話でした。
在庫数も50個あったかどうか,です。
本人がとても著名な人気者であれば…
ある意味「お布施」として50個くらいなら
売れるのではないでしょうか。
ネットだから売れる。
…ファンタジーです。
古き良き時代の懐かしき思い出です。
もしこの人が,
全く見ず知らずの人たちにURLを紹介して
売ろうとしても売れなかったでしょう。
ネットはメディアの1つでしかありません。
何でも売れる魔法のツールではない。
このことを忘れないでください。
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あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
1つの集客法で7割以上を集客している。
これは危険です。
なぜなら,その1つが機能しなくなったら…?
今日使える売上アップ法が,来月使えるとは限らないのです。
とはいえ,どうしていいかわからない。