パクリ防衛法

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昨日は、どこまでならばパクっていいのか、ということを書きました。では、今日はパクられた時の考え方、パクられないようにするにはどうしたらいいのか、について考えていきます。

あくまでも、マーケティング・コンサルタント、コピーライターとしての考え方です。
デザインなどについての盗作については、また違う対応になるでしょう。

まず、パクられた時の対応です。

大前提として…最初は精神論です。
パクられたのを知ったら、非常に頭に来るでしょう。
あなたが何時間も、あるいは何十時間も掛けて考えだしたこと。または何年も考え続けてきたものをパクられたら、「頭に来る」ではすまないでしょう。

そこで、まずは冷静になって考えて欲しいのです。
「パクるに値する考え方だったのだな」
ということです。

パクった側があなたに対してリスペクトの意思があるかどうかはともかく、その人が「パクりたい」と思わせる何かがあった、ということなのでしょう。

誰からも見向きもされないよりはずっとマシだと言えます。

その上で、次にやること。
それは、また違うアイディアを考えることです。

全米屈指のコピーライター、「億万長者メーカー」と称えられるダン・ケネディは、パクられることについて、いちいち差し止めや法的措置などを講じていても「お金にならない」と言っています。

そんなことをやっているヒマがあったら、稼げ、ということです。

あまりにも酷いようならば対策を講じなければならないでしょうが、通常は法的措置を講じるならば、弁護士などの法律家に依頼する必要があります。その時点でコストが掛かります。また、法律家にいろいろ説明して依頼して…というのも、精神的なエネルギーを要するもの。

そんなことをしているくらいなら、稼いでしまったほうが早い、ということでしょう。

どうしても腹の虫が収まらないならば、
「自分はお金と時間の無駄遣いをしている」
と思いながら、落とし所を決めて、措置に出る、というのがひとつの考え方です。

では、パクられるのは業腹ですので、どうすればパクられないようにすればいいのでしょうか。

ひとつは、市場の保護を求めることです。
法的な権利を保護してもらうのではなく、市場から保護してもらうことです。
具体的に実行するのはなかなか難しいのですが、非常に優れたアイディアだったら、市場が保護してくれます。

例えば。
ドミノ・ピザの
「熱々のピザを30分でお届けします。間に合わなかったら、代金は入りません」
というコンセプト。

これを、仮に「ドレミ・ピザ」という店舗が
「熱々のピザを25分でお届けします」
とパクったとします

すると、顧客はどう思うでしょうか。
おそらく、
「おお、ドミノ・ピザは、30分じゃなくて25分にしたのか」
と思うことでしょう。

すでに市場に浸透しているコンセプトをパクって二番煎じしたところで、市場は一番手の印象と結びつけて考えます。
ドミノ・ピザでなかったとしても、「ドレミ・ピザ」自体が有名ではないので、
「おお、ドミノ・ピザは、30分じゃなくて25分にしたのか」
と思ってしまうのです。
これが市場の保護です。

もう一つの考え方、パクられ対策としては、パクったところで結果が出ないようにすればいいのです。

キャッチコピーは、あくまでも氷山の一角。
その奥にあるマーケティングシステムを表現したに過ぎないのです。

キャッチコピーの奥にある考え方まではそうそうパクれるものではありません。
そこまで仕組みを組んでおけば、パクったところで結果が出ないので、すぐにやめてしまうでしょう。

例えば、先ほどのドミノ・ピザの
「熱々のピザを30分でお届けします。間に合わなかったら、代金は入りません」
というコンセプト。

この1行には現れてこない、この奥にどんなマーケティングシステムがあるのでしょうか。

よくあるマーケティングの教材には、USPとリスクリバーサル、などと言われます。
「おいしいピザ」ではなく「熱々のピザ」という点で勝負していること、これにリスクリバーサルを付け加えて強力なUSPにしている、という考え方です。

ただ、さらにその奥にあるのが、時代背景とターゲット。
ドミノ・ピザ創設者トム・モナハンは学生であり、大学の学費を稼ぐためのビジネスということもあり、大学近くに店舗を構えました。
これがターゲットです。

そして、時代背景。
これはダン・ケネディが言っていることであり、あくまでも推測です。

当時、学生の間で、マリファナが大流行していました。
マリファナを摂取すると…非常に空腹感を憶えるのだそうです。
だからといって、ぐったりしていて買いに行ったり食べに行く気力はありません。でもハラは減ります。

電話一本で30分以内に高カロリーのピザを届けてくれたら…?!

実際、トム・モナハンがそこまで考えていたかどうかはわかりません。こんなことを口に出すことはできないでしょうから。

とにかくハラが減っていて、うまいかどうかではなくさっさと食べたい。そんなターゲットの側に店を構えて、早さを強みにした。
これが、マーケティングシステムの一つです。

これを、表層だけをパクって、
「人口が多いから、住宅街だと需要がありそうだ」
と思って、住宅街に立地を構えて、「25分以内に〜」と謳ったところで、このシステムは機能しないのです。

システムまで全てをごっそりとパクられたら、さすがに困るでしょう。
けれど、表層の、ほんの一部分だけをパクられて、どうにかなるでしょうか。

昨日も紹介した、
「家はまだ買うな」
というコピー。

これは、顧客に「購買基準を教える」というコンセプトから出たコピーです。
十分に検討して、それでも選んでもらえる、というシステムがあればこそ出せるコピーです。

それすらなく、他の工務店と何一つ変わらない、差別化できる点もないような工務店が表層だけパクって
「家はまだ買うな」
なと言っても、注目は惹けるかもしれませんが、本当に家を買わなくなるでしょう。

仕組みで勝負できれば、パクられたところで気にする必要はないのです。
どうすればパクられずに済むのか、パクられたらどうしてくれようか…などと考える前に、パクられたところで、何一つ気にしないような仕組みを構築することのほうが、何百倍も大切なのです。

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