先日,コンサルティングをしていたときのことです。
少々マニアックな話題に逸れていきました。
それが,マーケティングの最高峰の1つ。
継続課金 (定期購入)です。
コンサルティング中に,たまに気が向いて話すのですが…話す度に,
「なにそれ…すごくいいんですけど」
といった趣旨のことをクライアントがいいます。
私も,すこしおどけながら,
「そうですよ〜継続課金は,誰もが憧れるマーケティングの最高峰ですよ〜」
などと言ったります。
なぜか。
継続課金は…導入できれば,本当にお金の不安から開放されるからです。
ちょっと想像してみて下さい。
毎月1万円の会費で,何らかのサービスを提供していたとします。
その会員数が100人いるとします。
…ということは,毎月1日の時点で,売上100万円が確定している,ということになります。
これは,経営者として資金繰りに頭を悩ませた経験のある人にとっては,極めて大きな「心の平安」になるのではないでしょうか。
なぜなら,今月会員が100人だとします。
来月も「だいたい」100人です。半年後も「だいたい」100人でしょう。
ということは…少々大げさに表現するならば,半年先まで,毎月100万円の売上が確保されている,ということになります。
時代の変化が激しい今,いつどこで何が起きるかわからないため,お金を使うことに臆病になりつつある傾向があります。
ですが,被雇用者ならばともかく,経営者であれば,マーケティング費用をつぎ込むことは必要になってきます。
それでも,怖くて使えないのです。
だからこそ,半年先も100万円入ってくる見込みがある時点で…心の平安に繋がり,安心して広告宣伝費などにお金が使えるようになるのです。
ちなみに,継続課金ビジネスの,マーケティング基本戦略は,会員の流出を抑えることを第一に考え…次に会員の増員を考えればいいことになります。
さて,こんなマーケティングにおける,最高峰の一つ。
誰もが憧れる,継続課金。
これに関して,興味深い逸話があります。
それが今日のテーマです。
そもそも継続課金は,毎月口座引き落としまたはクレジットカードに課金ということになります。
1年契約をして…更新の手続きをすれば,さらにもう1年…という流れになります。
ですが,アメリカのある起業家が,
「毎回,ニュースレターの契約更新手続きが面倒でうんざりします。キャンセルされない限り,自動的に課金されることにしようと思います」
といった趣旨のことを言い出しました。
この起業家の話を聞いて,彼のマーケティングコンサルタントであるダン・ケネディは,とにかくそれをやめるように指導したそうです。
クレジットカードの利用履歴の中に,見覚えのない履歴があったら,どう思うでしょうか。
カード会社に問い合わせして,その引き落としをした会社に,
「これは何事だ!」
とクレームを入れて返金請求する,ということになるかもしれません。
…1年前にカード決済した会社のことなどいちいち覚えている可能性は低いといえます。
突然連絡もなく決済したら…
「こんな取引,決済した覚えはない」
と,クレームの嵐になって,大変なことになるのではないか。
そうアドバイスして,やめるように言ったのだそうです。
ですが,その起業家は強行。
その結果…そういったクレームの嵐になることはなく,売上を大きく伸ばしたそうです。
…その成果報告を耳にしても,ダンは半信半疑だったのですが。
今度は別の起業家3名が実際に挑戦。
すると,やはりクレームの嵐にはならず,売上を大きく伸ばすことに成功したのだそうです。
今となっては,解約するまで毎月自動決済の継続課金システムは確立されています。
ここからわかることは,「億万長者メーカー」と称賛される,全米屈指のコピーライター,マーケティングコンサルタントのダン・ケネディでも,アドバイスが「常に正しい」とは限らないことです。
「行動」してみたら…意外と上手くいった」という例でした。
ここからわかることは,次の3つです。
1.前提を疑ってみること
2.市場が常に正しい
3.行動してみなければ何が正しいかわからない
ダン・ケネディのアドバイスよりも,行動した結果が正しかったのです。
そして行動をした結果として,市場(マーケット,お客様)がそれを受け入れるかどうか,というところで考えると,2の通り,市場が常に正しいと言えます。
結局のところ,行動してみないと,何が正しいかわかりません。
マーケティングとは科学です。
体系化された技術ではあります。
ですが,扱うのは人間の心理。
体系化されてはいますが,人間はコンピュータプログラムではありません。
「ブレ」
があって当たり前です。
その「ブレ」が,マーケティングの専門家であっても,読み違いということに繋がるのです。
解決策は,実際にテストしてみること。
これに尽きます。
迷ったら,行動してみて下さい。
上手く行っても,うまく行かなくても,必ず次に繋がります。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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