マーケティング戦略としてのクレーム処理

マーケティング戦略としてのクレーム処理

マーケティング戦略としてのクレーム処理
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※写真はイメージです。

一週間ほど前のこと。
和食チェーン店の大◯屋へ入りました。
一人だったので、大テーブルで他の人と相席です。

注文して、しばらく待っていたところ、斜向かいに座っていた老人が、店員を呼び、お茶を要求。

ちょうど、そのとき私が注文した料理が来たので、早速口に入れ…。
そして、違和感。

斜向かいの老人に店員がお茶を持ってきました。
お茶を持ってきた老人は、そのまま店員に、
「今日のご飯は緩かったよ、炊きたてじゃないね、どうなっているんだ!」
と言い始めました。

確かに、一口ご飯を食べただけで、
「あ、緩い」
と感じました。
なので、この老人の主張に対しては、
「確かに!」
と感じました。

店員が老人に何と言ったまではよく聞こえませんでしたが、ヘコヘコと頭を下げています。
イラついた老人を前に、少しずつ後ずさりしていく店員。
そのまま老人は何も言わないので、そのまま店員は立ち去って行きました。

老人は眉間にしわを寄せたまま、お茶をすすり、財布からポイントカードを取り出した後伝票を掴んで立ち去って行きました。

この一連の出来事の中で、マーケティング的に注目すべき点はどこにあるでしょうか。

それは、ポイントカード。
ポイントカードは
「再来店を促すマーケティングシステム」
です。
更に具体的に言うならば、3つほど機能があります。
1.財布の中にカードが入っていることで、再来店を促す
2.ポイントを貯めてもらうことで、お得意様に対して還元し、他の客とのサービスにおける差別化を実現する
3.ポイントを貯め、再来店を繰り返すことで、その店舗に来店することを習慣化させる

それを踏まえて、この一連の出来事のどこに問題があったのでしょうか。
ちょっと考えてみてください。

この老人は、ポイントカードを取り出してレジに向かったのです。
大テーブルで相席である以上、基本的にこの老人は一人…ということになります。
言い換えると、一人でこの老人は何度も来店しているということになります。

単純に考えて、この老人がよほど偏屈だったり自己中心的で、自分の好みじゃないとブチ切れるということでも無い限りは、
「ご飯が緩い」
と言っている時点で、相当の頻度、この店舗で食事をしているということになります。

ありきたりな表現ですが、いわゆる
「ロイヤルカスタマー」
なのです。

そんな人が、
「緩い」
と言って文句を言っているわけです。

もちろん、居つどの瞬間も常に炊きたてご飯を用意できるとは限りません。
だからといって、この人の主張に対して、何を言っているのか聞こえないような声で釈明し、ヘコヘコと頭を下げる。イライラしているのは見てわかるにもかかわらず、何も言わないことをいいことに、さっさと立ち去ってしまう。
この店員の対応は、果たして適切だと言えるのでしょうか。

あくまでも、仮にです。
この老人が週2回、800円の食事をしていくとします。
すると、年間で、
800円×52週×2回=年間8万3200円の売上になります。

この店員の態度に腹を立てて、もう来店しなくなったらいくらの損失でしょうか。
このできごとが仮に4月末だったとします。
計算が面倒なのでざっくり計算すると、
8万3200円÷12ヶ月×(12月ー4月)≒5万5500円。

この店員は、この対応でこれだけの損失を出した…だけではありません。

世界ナンバーワンマーケティングコンサルタントのジェイエイブラハムいわく、売上を上げる方法は、顧客数×客単価×購入頻度です。

顧客数というのは、単純に新規顧客の開拓だけではありません。
顧客流出数を減らすことも顧客数アップに貢献します。

それを踏まえた上で考えた場合、この店員おやったこと、それは(具体的にいくらくらいかは全くわかりませんが)マーケティングコストを払って、ようやく獲得した顧客を心ない態度で機嫌を損ねたのです。

マーケティングコストが台無しです。

クレーム処理、というのは、いわゆる顧客満足度を向上させるためのサービスだけではありません。純然たる収益アップのためのマーケティング戦略なのです。

最後に。
では、店員はどうすればよかったのでしょうか。

この老人はどんな意図でクレームを出したのかを推測してみましょう。
あくまでも推測と個人の主観です。
確かにご飯は緩かったのですが、だからといって、極端に気になることのほどではありません。

別に食べようと思えば食べられるし、ひどく味が落ちているということでもありません。

それでも、この老人はクレームを出したのです。

言葉を選ばず表現するならば、一人寂しい老人が、構って欲しくて店員に駄々をこねているだけなのです。

このように推測したならば、掛ける言葉も変わってくるのではないでしょうか。
例えば、
「いつもとの味が違うのがわかるくらい、頻繁に来店いただきまして、本当にありがとうございます。
何度も着ていただいている方にもかかわらず、炊きたてをご用意することができず、申し訳ありません」
と、真摯に謝れば、眉間の皺は消えたのではないか…そう推測しますが、あなたはどう思いますか?

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