先日,ある雑誌を読んでいて…非常に優れたマーケティング戦略に驚きました。
さまざまな雑誌が廃刊で消えていく中で,どうやって雑誌の販売を伸ばしていったのでしょうか。
話は変わります。
ワインの売上を伸ばすにはどうしたらいいでしょうか。
ワインの本数自体もそうですが,継続して買い続けてもらうために,どうすればいいのでしょうか。
ちょっと考えてみて下さい。
答えは…冒頭のアイキャッチ画像です。
さすがに,ここまでの大規模なものまではいらないでしょうが…。
もし,ワインの販売店であれば,ワインを売るよりも,とにかくワインセラーをいかに販売するか。
ここに注力すればいいのです。
ワインセラーに,隙間があったらどうなるでしょうか。
隙間は…埋まるものです。
ワインセラーさえ売れれば,あとは,自動的にリピートしていくものとなります。
もちろん,他ではなく,自社から買ってもらうための仕組みは必要でしょう。
例えば,定期的に手紙や葉書を送る。あるいは,新商品の案内DMを送る。ワインのコンテンツをニュースレターと言うかたちで提供し,合わせて申込用紙も送る。
アイディアはいくつも出てくるでしょう。
ですが,その背景にあるのは,すでにワインセラーという,ワインが好きな方向けに,ワインという欲求を満たす仕組みがあればこそでしょう。
常に新規顧客を獲得しようとワインを売り続けるよりも,はじめは大変でも,ワインセラーを売れば売るほど,あとから楽になるものです。
では,どうすればワインセラーを売れるのか。
すなわち,大きな「器」を売ることができるのか。
一つの例が,DeAGOSTINIという雑誌です。
テレビCMなどでやっているのを見たことがあるかもしれません。
創刊号は,とにかく半額以下で,明らかに利益にはならない金額で販売します。
ですが…一度買ってしまえば,続きを買わないと「揃わない」という,実に気持ち悪い状況に陥ります。
ワインセラーの空白のように。
まずは,強いオファーで販売する,という手があります。
あるいは,どんな名称かは忘れてしまいましたが,毎月少しずつパーツが届き,そのパーツを組み立てて24ヶ月で完成,というアイテムもあった,ということを耳にしました。
または,毎月代わったコインが届く,定期配送システムも同じです。
初月に,コインを展示できるケースを無料で提供します。
ですが…中身は初月なので1つしか入っていません。
あとは,購入を継続すれば,この空白が埋まっていく,という仕組みです。
さて,このワインの例などを参考に,ある雑誌をどうやって販売すればいいのでしょうか。
「致知」という雑誌があります。
キャッチコピーは「人間学を学ぶ月刊誌」です。
決して簡単に読めるものでもなければ,格安でもありません。
かなり敷居の高い雑誌だと言えます。
…言い換えれば,それだけ内容の濃いものでもあるのでしょうが。
この「致知」の販売戦略を知り,とても驚きました。
「社内木鶏」という,社内でこの致知をテキストとして社員研修制度を開発。
研修講師を派遣して,この致知を教材に朝礼を開く,というサービスを提供しているのだとか。
まさに,ワインを売るなら,先にワインセラーを売る,という戦略に,非常に似ています。
この社内木鶏,という研修制度を販売すれば,従業員の数だけ,雑誌が勝手に売れていく…という仕組みです。
雑誌を雑誌としてではなく,「テキスト」として扱い,継続的に売れ続ける仕組みを考え,実行。
個人的には,「人間学」よりも,この販売戦略のほうに興味を持ってしまいました。
まずは,器を先に売る。
この考えを,どうしたら活用できるか,考えてみて下さい。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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