少々面白いな…と思った商品があります。
モジュール12まである,大掛かりの学習コースです。
それを学ぶのは骨が折れます。
当然ですが,モジュール12まであるので,価格もそれなりになります。
では,このコースを,どうやって販売を増やしたら良いのでしょうか。
もちろん,そのコースの価値を十分に伝えて…というコピーライティングの精度を高めるのも一つでしょう。
ですが,今日はこの商品の販売の仕方で,面白いな,と思ったのです。
それは,このモジュール12まであるうち1つだけを販売していたのです。
特に,そのコースを買う人にとって,興味関心が高そうなモジュールだけを分解。
それに,いくつかオプションを足して,魅力あるフロントエンド商品に仕立て上げたのです。
これが,一石三鳥の戦術です。
1.フロントエンド化
いきなり,その全12モジュールの商品は,高くて手が出ない…という人もいるかもしれません。
あるいは,どんなものかもわからず,購入にためらう人もいるかもしれません。
ですが,この1つのモジュールだけを分けて,それだけでフロントエンド商品にすれば,買いやすくなります。
2.ダウンセル
もともと,12モジュールのうち,1つだけを売るのですから,「ダウンセル」販売となります。
このダウンセルは,極めて重要です。
なぜなら,昔から言われ続けているように,
「新規顧客開拓コストは,既存客にリピートしてもらうコストの5倍」
掛かります。
人によっては,これが5倍ではなく,10倍,15倍という人もいます。
金額の多寡はさておき,新規で販売するのは,とにかく難しいが,一度お金を払ってもらった人にもう一度買ってもらうのは,そこまで難しいものではない,ということです。
それ以上に,
「見込み客」
を
「見込み客」
のままにしておくことは,もったいない,ということです。
見込み客であっても,潜在顧客から見込み客になってもらうのに,コストがかかっているはずです。
ならば,そのコストを回収する,というところでも,なんとしてでも見込み客を新規顧客に転換させなければなりません。
これまでにその12モジュールのコースを販売したけれど,金額やボリューム,その他の問題で買わなかった人はいるでしょう。
そんな人に,ダウンセル販売を展開することで,失注から購入へ繋がる人もいることでしょう。
3.アップセル
上述の通り,一度お金を払ってもらった人に,再販するのは,そこまで大変ではありません。
つまり,もともと12モジュールのコースです。
そのコースの1つの販売に成功したのです。
ということは…残り11モジュールの販売も,そこまで難しいことではないでしょう。
WEBで売るのであれば,あらためてアップセルを仕掛けて,12モジュールセット価格での販売にもちこめるかもしれません。
あるいは,残り11モジュールを,さらに分解して販売することもできるかもしれません。
非常に上手い,フロントエンド商品化,ダウンセル,アップセルの3つの打ち手につながるのが,コースの分解でした。
もちろん,デメリットはあります。
例えば,1モジュール1万円で,全12万円で売っていたもののうち,一つを分解。それをフロントエンド商品として5000円で売れば,残り全部を売っても,11万5000円。
客単価は下がります。
もしかしたら,その1モジュールの内容だけが知りたくて…でも,12モジュールを買わないと知ることができない,という人がいたならば…
その1モジュールを買ってしまうことで,のこり11モジュールの販売につながらないかもしれません。
極端な例え話をするならば…動物園の入場料が2000円だとします。
もし,カピバラ舎前だけ入場できるチケットが200円で売っていたら…私はそれを買います!
他の動物には目もくれず,ずっとカピバラだけを眺めているでしょう。
この場合,1800円の売上を逃す,ということです。
話を戻します。
特に,この全12モジュールのうち,顧客にとっては興味関心が引きにくいテーマもあるでしょう。
ですが,教える側にとっては,それが大事,ということもあるはずです。
「必要」だけど「欲しいものではない」というテーマです。
その「顧客にとって」学んだほうがいいテーマを学んでもらうにはどうしたらいいのか。
他に興味関心があるテーマとセットで学んでもらう,というのが一つの手でしょう。
その興味関心があるテーマだけを分離してしまったら,顧客にとって,本来必要なテーマを学ぶ機会を失わせてしまう,という可能性はあります。
ですが,それでも,「見込み客」のままで収益化できないよりは,販売に繋げたほうがいいでしょう。
コースだと売れない…という方は,ぜひ分離してフロントエンド商品化してダウンセルからアップセルにつなげる戦術,試してみて下さい。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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