ビジネスホテルで迎えた夜。
時刻は午前2時半を回ったところです。
どうにも寝付けず…同室の家族に迷惑をかけるわけにもいかないので、ホテルのフロントに、パソコンと本を持ってきて、のんびり過ごしています。
明日は帰るだけなので、多少寝不足でも問題無いでしょう。
こんな時刻にもかかわらず、フロント内は、話し声が響いています。
それは…フロントのスタッフ。
二人で話し合いながら、キビキビと動いて作業をしています。
すると…ホテル入口の自動ドアが空き、客が一人入ってきました。
こんな時間でもフロント業務をしているのか、入退出を認めているのか、と驚きました。
ちょっと想像してみてください。
宿泊客が寝静まった後の、フロントスタッフは、何をしているのでしょうか。
私は、漠然とですが、バックヤードでのんびりしていたり、交代で仮眠をとったりしているのではないか。
そんな感じにしか思っていませんでした。
ですが、見たところ、こんな時間でも忙しそうにキビキビと動いています。
朝になり、チェックアウトの時に、ほんの少し疲れをにじませ…それでも笑顔で送り出すスタッフの表情が思い出されます。
確かに、こんな夜中に、私がフロントにいる間だけでも見えるであろう様々な作業を見ていると…
疲れも顔に出てしまうのでしょう。
それがいいとか悪いとかではありません。
単に、知らなかったことを知れた、という点が、今日のお題となります。
これまで、このホテルは何泊も利用してきました。
ホテルチェーン全体を合わせると、下手をしたら1年以上は使っているかもしれません。
それだけ使ってきながら、毎回
「高いなぁ。もう少し安くならないかなぁ」
などと、心の奥で思っていました。
ですが、深夜どころか明け方も作業に追われるフロントスタッフに、宿泊後の部屋のクリーニングやリネン、その他諸々、建物の減価償却または物件ローンの支払い…
それらを漠然と考えただけでも、かなりのコストになるのではないか…と推測します。
それを考えた上で、1泊の値段に置き換えるならば、安いと言えば安い値段です。
このように、それまでは
「高いなぁ、もっと安くならないかなぁ」
と思っていた価格も、深夜まで一生懸命作業をしているスタッフを見ただけで、
「もしかしたら、この宿泊費って安いかも」
などと考えが切り替わることになりました。
この違いは何でしょうか。
見えなかった舞台裏を見たからに他なりません。
これは、そのままあなたのビジネスにも活かせる考え方です。
おそらく、あなたの仕事について、あなた以上に詳しい顧客などほとんどいないでしょう。
いるかもしれませんが、数えるほどでしょう。
ほとんどが、あなたの仕事について、詳しくは知りません。
詳しくは知らないから、何となく、その価値を安めに見積もってしまいがちです。
その結果…値段競争に陥るのです。
ではどうしたらいいのか。
顧客に、もっとあなたの仕事の舞台裏を見せることです。
ここでのコツは、これからあなたの顧客に鳴るかもしれないであろう、いわゆる「見込み顧客」に見せるのではありません。
既存顧客に対して見せるのです。
なぜでしょうか。
見込み顧客は、またあなたの顧客ではありません。
基本的に、初めての取引前は、顧客にとって、売手側の情報などどうでも良かったり優先順位は低いものです。
もっと、顧客にとってのベネフィットを伝えて、欲しいと思わせるアプローチのほうが効果的です。
ですので、既存顧客に、もっとあなたのサービスの価値をしってもらうことで、リピートに繋げたり、価格に対して割安感を抱いてもらうためのアプローチが効果的なのです。
あるいは、客単価を上げるための値上げ戦略において、納得してもらいやすくなるのです。
恩着せがましく、
「こんなに頑張っています」
とアピールする必要はありません。
しれっと、何かの機会に知るきっかけを作っておけばいいのです。
最後に蛇足です。
タイトルの「丑三つ時」とは、どうも、午前2時ジャストをイメージしているひとが多いようですが、午前2時〜2時半の間を指します。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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