聞くところによると、離婚は結婚の7倍労力を使うのだそうです。
本当かどうかはわかりません。
別れ際次第では、泥沼化すれば7倍も労力を使う…ということもわからなくはないでしょう。
実際、仕事として離婚訴訟の案件を受けた時に11ヶ月戦い続けましたが…それ以来二度と離婚案件を受けたくない、と思うほどには労力を使いました。
さて、今日のテーマは「別れ際」です。
前提にあるのは、
「覆水盆に返らず」
ということわざです。
これは、一度別れた夫婦の片方が、復縁を申し出した時、相手がお盆に水を入れ、その水を庭にぶちまけ、
「この水をお盆に戻すことができるならば復縁しましょう」
と言った、という故事によります。
本当に、相手が愛想をつかしてしまったならば、もうどうしようもないのです。
そして、本当に愛想をつかしてしまった人間関係を修復するのは、事実上不可能です。それは最高裁判所でも匙を投げました
…昔は、夫婦関係を破綻に導いた責任がある側から、離婚裁判の申立は認められなかったのですが、最高裁判所で判例変更したのです。つまり、責任がある側から離婚申立を認めるようになったのです。
夫婦関係が完全に破綻しているのに、法律で修復はできない、ということのようです。
ある意味人間関係で最も強い絆…それが夫婦だといえます。
親子と違って、血のつながりも何もない男女が、一生を共に生きようと言う意思表示をするのですから。
そんな夫婦関係ですら、最高裁が匙を投げるのです。
まして…顧客との関係においては、破綻してしまった関係は、修復しようとしたところで無駄なのです。
では、別れたいにも関わらず、別れられないならばどうなるでしょう。
そこに、怒りや憎しみが湧き出てきてもおかしくないでしょう。
はじめは「嫌い」「なんとなくイヤ」で済んでいたのが、憎しみにすら変わり得るのです。
だからこそ…別れ際は潔く。これに尽きます。
具体的には、顧客との縁の切り方です。
例えば、メルマガ。
メルマガの配信停止依頼をしても、送られ続けるメルマガ。
これは、クレームに繋がります。クレームで済めばいいでしょう。相手はモンスターに進化するかもしれません。
無料のメルマガですら、モンスターになるのです。
他の有償サービスにおいて、解除が複雑だったとしたら…更に強力なモンスターになりかねません。
別れ際は潔く。これに尽きます。
ただし、全く修復できない…ということでもありません。
それは、食い下がらないこと。やはりそこにも潔さが欠かせません。
「なぜ解約しようと思ったのか」
を尋ねるのです。その尋ねる原因として
「何とか復縁しようとする」
という意図であってはいけません。
この点について、世界ナンバーワンマーケティングコンサルタントのジェイ・エイブラハムは、
「取引の最後が、残念な思い出で終わってしまわないように、良い思い出で終わるように真摯にお詫びしなさい」
といった趣旨のことを述べています。
何とか最後は笑ってお別れできないことには、その会社との取引の全てが不快な思い出に変わってしまいかねません。それはお互いにとって不幸です。
だからこそ、何とか復縁を…ということではなく、真摯にお詫びをする、ということなのでしょう。
こじれてしまえば、男女関係も、顧客との取引関係においても、いかりや憎しみを生んでしまいます。
別れ際は潔く。これに尽きます。
蛇足です。
数年前、アメリカン・エクスプレスのプラチナカード会員を退会する時、対応したスタッフは…この絶妙なさじ加減を熟知していたようです。
こちらをイラっとさせないギリギリの範囲で、何度も何度も退会の撤回を促してきました。
…これは、おそらくこの人の持っている固有スキルに依存する技であり、誰にでも真似できるものではありません。
システム化できない以上…別れ際は潔く。
今日のブログを読んで、少しでも
「参考になるな」
「役に立ちそうだな」
「読んでよかったな」
と思えることがあったら、ぜひあなたの友達にもお役に立ちたいので、Facebook「いいね」や「シェア」にご協力をお願い致します。