昨日に引き続き、FOMC(連邦公開市場委員会)による政策金利引き上げ(いわゆる「利上げ」)のニュースからです。
内容自体は昨日と直結しませんので、昨日の記事を読み返す必要はないです。
利上げに伴って、どんな影響が出るのでしょうか。
政策金利は、いわゆる一般的な銀行の利息に影響します。
※金利は貸し出す側が借り手側に請求する時の表現。借り入れ側が支払うときは利息、と表現します。
これまでゼロ金利政策だったため、一般的な銀行からの貸出し利息は低く抑えられました。
ですが、利上げによって、政策金利が上がる以上、利息も上がります。
結果として、ローンを組んでいる側にとっては、多かれ少なかれ影響します。
テレビ東京のワールドビジネスサテライトを見ていたところ、非常に興味深い内容が報道されていました。
利上げに伴うインタビューです。
アメリカのニュージャージー州の自動車ディーラーは、利上げに反対意見です。
なぜなら、多額の借り入れをして、店舗を拡大。それに伴い、高級車を仕入れしたため、負債が20億円を超えるのだとか。
利上げによって、支払利息も上がります。借入総額が多いので、2000万円くらい返済総額が上がるのだとか。
(記憶に基づくため、数字は正確とは言えません)
一方。
不動産業者のインタビューも出ていました。
利上げは気にしないそうです。
3億7000万円の物件が、
「値ごろ」
だとか。
不動産ローンも、政策金利の影響を受けます。
当然、利息が増えるため、不動産の購入に影響すると思われます。
それでも、この不動産業者は
「気にしない」
のだとか。
この、全く正反対の2つの業者。
見ていて「面白い」では記事にならないので、私なりの考察を加えると次のとおりです。
「アメリカのFOMC、連邦公開市場委員会の利上げは、コントロール不可能」
である、ということです。
一般市民が、一事業者が、利上げに賛否の意見を述べたところで、その決定に影響力を及ぼすことはできません。
結論としては、
「気にしても意味はない」
のです。
もう少し掘り下げるならば
「ゼロ金利政策」
自体が、ある意味異常です。
リーマン・ショックによる金融危機を打開するために取られた緊急対策が、9年半も継続したほうがおかしいのです。
…これについては、私のような経済に関する門外漢でもわかること。
多額のローンを組むことで、いつかは来るであろう利上げに影響することは避けて通れないのです。
ならば、
「いつかは必ず来るであろう利上げ」
を前に、どんな選択があったのでしょうか。
(1)借り入れして設備投資をして事業拡大
(2)借り入れを減らして、利息のコストを軽減
ざっくり分けると、この2つです。
上述のディーラーは、前者を選択したのです。
それは経営判断です。
経営判断の結果、それが正しかった、間違っていた、ということではなく、その判断を前提にどうするべきかを考えるのが現実的でしょう。
FOMCで利上げしたからといって、銀行も直ちに金利を引き上げるとは限りません。
ならば、今ある在庫をさっさと売って、返済にあて、少しでも支払利息を抑える、という選択も取れるのです。
それを…「利上げは早過ぎる」とぼやく姿。非常に見苦しいと言えます。
一方。
不動産業者の「気にしない」という姿は非常に潔いです。
その姿勢の裏には、どんな戦略があるのか。
「3億7000万円の物件を値ごろ」
と言っている以上、顧客ターゲットは、相応の富裕層であることが考えられます。
中低所得層ならばともかく、富裕層にとっての利上げの影響など「誤差」くらいでしょう。
文字通り「気にしていない」のだと思われます。
富裕層にターゲットを絞る、という戦略を選択したから言えることなのです。
先ほどのディーラーも、扱うのは「高級車」。ターゲットは富裕層のはずなのです。
この姿勢の違いは、実に鮮明であり、非常に見ている側は、面白いと言えます。
学びとしては、
「コントロールできないもの」
に文句を言っている暇があるならば、自分に何ができるか考えた方が現実的、ということでしょう。
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