もののたとえです。
最近、あるサービスを発注しました。
そのサービスそのものをここで書くわけにも行かず、また他の似たような例も思い浮かばないので、
「名刺」
の発注をした…くらいに思って想像していただければと思います。
住所、氏名、電話番号などをメールで書いて、この通り作ってもらうように依頼しました。
校正用のデザインが上がってきました。
すると、電話番号のところが、
「フリーダイヤル 01◯◯ー◯◯ー◯◯◯◯」
となっていました。
今回、フリーダイヤルを廃止して、固定電話にしようとして発注したはずです。
ところが、フリーダイヤルだと0120〜のはずなのに、
「フリーダイヤル 01◯◯ー◯◯ー◯◯◯◯」
です。
これは、明らかにおかしいはずです。
そこで、もう一度発注通り作るように指示。
したら、今度は
「電話 01●◯ー◯◯ー◯◯◯◯」
です。
私の住んでいる場所と、その発注先では市区町村が違うので、固定電話の市外局番が違います。
私のところの市外局番ではなく、その発注先の市外局番でデザインが上がってきました。
まるで、札幌の人が東京の人に名刺を発注したら、
「電話 03ー 」
という感じでしょうか。
おそらく、この方のデザインや技術は素晴らしいのでしょう。
実際に人から紹介されてこの方に発注したのです。
技術がなければ、信用もなく、紹介されることもないはずです。
…ないはずですが、つまらないミスを連発されてしまうと、
「この人、大丈夫かな?」
と不安になります。
ミスなどなくて当たり前…というのはあくまでも理想論。
とはいえ、立て続けにミスを繰り返すのは、明らかにチェックしていない証拠でしょう。
チェックしていないからといって、この方の腕が悪いわけではないでしょう。
…そう思うのですが、不安になってしまいます。
これは、商品のクオリティとは関係ない話です。
関係ないはずですが、それでも不安になってしまう、というのが現実です。
先日、ある有名な講演家の動画を見ました。
はじめは無料でその方の講演を聴くことができます。
その後、その講演を気に入ったら、有料でその方の一連のコンテンツを学ぶことができる、という仕組みです。
マーケティングやコピーライティングとは全く関係ないのですが、なかなか興味深い内容だったので、無料登録して、その動画を見てみたのです。
そして、はじめの5分で、耐えられずに動画をオフ。
理由は単純です。
話すときに、いちいちつばを飲み込む音が耳障りだったのです。
彼は「そのテーマ」におけるプロです。
その話す内容は高度な専門知識があり、素晴らしい内容…のはずです。たぶん。
でも、聴くことができなければ、そのコンテンツはどれだけ凄くても伝わることはありません。
もっと話をシンプルにします。
街で美味しそうな惣菜を作っている店があったとします。
その場でコロッケを揚げていて、とても美味しそうです。
行列もできており、その場で食べることもできます。
その行列に並んていたら、すでに揚げているコロッケにハエが止まっていました。
そのハエが止まっているコロッケ…食べたいと思いますか?
ハエが止まっていたコロッケも、他のコロッケも、材質や挙げ方など、何一つ変わることはありません。
あるいは。
ハエが止まっていなかったとしても、コロッケを注文した後に、包もうとしたら、店員がミスをして地面に落としてしまいました。
その地面に落としたコロッケを、そのまま包んで渡されたらどう思いますか?
商品力がどれだけ優れていたとしても。
これでは困ります。
マーケティングやコピーライティングを駆使しても、これでは敵を作るだけです。
商品力を磨く前に。
マーケティングやコピーライティングで広告宣伝する前に。
もっと当たり前にやるべきことがある…かもしれません。