売りやすい商品開発コンセプト

売りやすい商品開発コンセプト

読んで役に立つ,学びがあったと思った方は「いいね」やシェアをお願いします。

先日、メールボックスになかなか興味深い宣伝メールが来ていました。
パソコンソフトの新製品についての案内です。

キャッチコピーはこちら。
「Windows 10導入に失敗しても元通り」

思わず、「上手い!」とつぶやいてしまいました。

知っている人も多いかと思いますが、少々お付き合い下さい。

マイクロソフトのOS。
Windows95で大ヒット。

その後。パソコン終了画面よりもブルー・スクリーン(パソコンのシステムがエラーになったことを示す画面。通常は、ブルー・スクリーンが出ると大惨事のはず)の方が多く見かける、WindowsMEという暗黒OSを発表。

その後は、誰もがよく知るWindowsXPという実に安定性の高い素晴らしいOSが世に出回ります。
次に出たWindows Vistaは…MEに通じる黒歴史。
あまりの不評に、XP問題を引き起こします。
つまり、本来は新しいOSを入れるべきところ、敢えてXPにダウングレードしないと使えたものではなく…XPのサポート期限が到来してしまう、という問題です。
本来は、そんな時代遅れのOSを使う必要はなかったはずですが、 Vistaがあまりにひどすぎるため、このような問題が起きてしまいました。

その後、Windows7という、XPのような素晴らしい安定性を誇るOSが登場。
やればできるじゃん…とは思っていたのですが。
その後に出てきたWindows8が…あまりにも酷い。

これまでのWindowsユーザーの使い勝手をことごとく裏切る仕様。
先日も家族のために一台パソコンを買いましたが、Windows7へのダウングレード版です。

さて話を戻します。
MEからはじまって、Vista、8と、あまりに使えないOSをリリースする、マイクロソフト。
今月にWindows10という新OSの無償アップグレード版をリリースするとのこと。

そこで登場したのが、上記のパソコンソフト。
Windows10が使えないOSだった場合、安定して使えるWindows7に戻すためのソフト、ということになります。

上手い…と思ったのが、次の2つの点です。
(1)ブランドのレバレッジ
新作ソフトウェアなど、使えるかどうかわかりません。
ですが、マイクロソフトのWindowsというOS自体は…悪評はさておき、普及しているものです。
そのWindowsに関するユーティリティソフトです。
見たことも聞いたこともないパソコンソフト名だったとしても、
「Windows」自体は見たことがあります。
自社の無名のソフトを売るには、Windows、という言葉を使える以上、非常に効果的にブランドをレバレッジすることができるのです。

(2)予防商品の効果的な販売
本来、予防商品…と呼ばれる類のものは、なかなか売れないものです。
例えば、生命保険や遺言書作成手続きなど。
将来のネガティブなものに備える商品を販売するのは、なかなか骨が折れます。

予防商品の売り方は、痛みを彷彿とさせて、徹底的に恐怖を煽ることがコツです。
ですが、わざわざ煽らずとも、
ところが。
多くの人は、MEは昔すぎるので脇に奥として、Vistaや8で、OSの失敗作に直接触れることで、嫌な思いを何度も何度も体験しています。

煽らなくとも、
「Windows 10導入に失敗しても元通り」
という言葉だけで…あの苦々しい思いが脳裏をよぎるのです。

(3)タイミング
元々は、ただのバックアップソフトでしかありません。
それを、Windows10の無料アップグレード版リリースという「タイミングに合わせる」ということをしました。

今でもよく覚えているのですが3.11の後に、ヨドバシカメラに行った時に、乾電池売り場や懐中時計売り場がカラになっていました。
これが「タイミング」の威力です。

タイミングによって、市場において大きな需要を喚起します。
そのタイミングに合わせて、最適なコピーで注目を集めることができたのです。

以上、上手い…と思った3つの理由です。
上記の通り、もともとあった商品ではあります。
けれど、タイミングや市場の感じている「痛み」に着目し、ブランドをレバレッジできれば、非常に「売りやすい」商品開発コンセプトができるでしょう。

以下蛇足です。
もちろん、問題もあります。
今回についてはマイクロソフトへの信頼性の度合いです。

少なくとも、私にはWindows10へアップグレード…などという選択肢は持ち合わせていません。
Windows7が使える限りは…手に入る限りは、Windows7を使うでしょう。
これは私個人の考えであると同時に、パソコンに詳しい人何人かに聞いて回りましたが、実際に同じようなことをおっしゃっています。
それだけ、マイクロソフトは8やVistaで市場に対する裏切りによって信頼性を失ったのでしょう。

結局のところWindows10導入失敗…という事例はどれだけあるのでしょうか。

…などとこの記事をMacBookで書きながら思っています。

「こんなテーマでブログを書いて欲しい」という要望がありましたら、ぜひこちらからリクエストを送って下さい。
https://up-stats.com/blog/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください