私は天才ではありません。
ここでいう天才とは,凄いヒラメキをすることができる,ということです。
凡人ができることといえば…その凄いヒラメキを分析・解析したり要素に分けることです。
例えば,コレはなんで売れたのか…という「原因」を解析することはできます。
売れたものについて,いろいろ調べたり思考を巡らし,
「これが,売れた原因ではないか」
というものをピックアップしてまとめる。
演繹的なアプローチとなります。
定義【演繹】
一般的な理論によって、特殊なものを推論し、説明すること。
一方,その反対が帰納的なアプローチ。
定義【帰納】
個々の具体的な事例から一般に通用するような原理・法則などを導き出すこと。
特に,この帰納的なアプローチは難しく,天才に属する人たちの,一瞬のヒラメキが要求されます。
要するに,「それがなんで売れたのか」の原因を分析して,
売れた原因1 ~
売れた原因2 ~
売れた原因3 ~
売れた原因4 ~
などと説明することはできます。
ですが,この1~4を使って,別に新たな「売れるものは何か」のヒラメキを出すのは難しいのです。
できないことをできない,と言っていても仕方ありません。
私は正解不正解かはさておき,とにかく「なぜそれが売れたのか」というものを,自分なりに考えて自分なりに答えを出してみる。
それを言語化してみる。
…というものを,癖づけるようにしています。
具体的には,このブログの大半が,そんな記事ばかりです。
ということで,今日のお題は,アイキャッチ画像のとおり,ハンドスピナーです。
Wikipediaによれば,
「本来はただ単に、手持ち無沙汰な時や手慰みに「回すだけの玩具」である。」
「2016年末から米国で流行し始めた。フォーブスの記者James Plafkeは2016年12月23日の記事で「2017年必須のオフィス玩具(Must-Have Office Toy For 2017)」としてハンドスピナーを紹介した」
「米CNNはADHDのカウンセリングに有用であると報道した」
と書いてあります。
…ここに,ほぼ答えが込められている感じがします。
流行の原因は,フォーブスという,極めて権威ある雑誌で紹介されたことでしょう。
玩具が,フォーブスで「必須のオフィス玩具」として紹介された以上,
「『そんな玩具を持ち込むな!』と叱られるのではないか」
という無意識の恐れに対して,
「フォーブスで紹介されたから大丈夫」
という正当化の理由になります。
これが流行のきっかけでしょう。
そして,流行とは周りがやっていれば自分もやりたくなる,という,いわゆるマズローの五段階欲求による「帰属欲求」に作用するものです。
では,流行の原因ではなく,そもそもなぜ売れたのか。
もう一つの手掛かりは,
「米CNNはADHDのカウンセリングに有用であると報道した」
です。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は英語でAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略で、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害,とのことです。
つまり,じっとしていられない人が,このハンドスピナーをくるくると回し続けることで,オフィスの中でじっと座っていられるようになる…という「実利」があるということです。
オフィスの中でじっと座っていられなかった人が,じっと座っていられるようになる。
これは大きな大きなベネフィットでしょう。
上司ににらまれ,同僚に冷たいまなざしで見られ,後輩や部下からは,あきれられています。
「ADHDだからしかたがない」
という,ある意味,レッテル貼りのようなまなざしで見られます。
これまでずっと,ADHDと戦って生きてきた人が…
【他の人と同じように】
繰り返します。
【他の人と同じように】
座っていられるようになるとしたら?
その対価は,せいぜい1000円程度~。
ADHDで切実な人ほど,「のどから手が出るほど欲しい」商品だったのではないでしょうか。
まとめます。
流行のきっかけが,フォーブス。権威性のトリガーが作動しています。
周りの人が使っていれば,帰属欲求へ働きかけをすることができます。
玩具から問題解決型商品に移行したこと。
ベネフィットとして,職場内の人間関係向上に貢献すること。
これらの要素が,売れる原因になったのではないでしょうか。
最後に。
私も個人的に欲しいと思っています。
私自身は別にADHDとかではないし,職場内の人間関係解決というニーズがあるわけではありません。
ですが…これを使っていれば,何となく集中力が高まりそうな気がします。
特に,コピーライターとしては,どれだけ集中力を維持できるか,というのはとても気になります。
片手で回せるので,利き手にペンを持ち,左手でハンドスピナーを回しながら考えれば,いいアイディアが出てきそうな気がします。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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