20年以上前のことだったかと思います。
アメリカの作家、シドニィ・シェルダンの小説を読んでいた時のこと。
なかなかインパクトのある展開に驚いたことを思い出します。
それは…ある製薬会社の研究員が、新薬を開発した、という話です。
その新薬とは…どんな病でも完治させる万能薬。
…開発した結果どうなったのか。
殺害されました。
同社内の犯行だったのです。
当時まだ学生だったのですが、かなりの衝撃を受け、未だに覚えています。
そもそもその新薬が本当に効果があった場合どうなるでしょうか。
人類は、理論上病気で亡くなることが無くなります。
たくさんの命が救われることになります。
その結果どうなるのか。
薬の売上が落ちることになります。
だからこそ、同じ製薬会社の人が、その研究員を殺害し、その新薬を闇に葬ったのです。
これはあくまでもフィクションであり、小説の話です。
ですが…本当に、そういった新薬が「ない」とは言えません。
どこで聞いたのかは忘れましたが、
「虫歯については、完全に防ぐ技術が確立されている」
などという話は聞いたことがあります。
もちろん、真偽はわかりません。
ただ、仮に本当だった場合でも、世に出てくることはないでしょう。
今や、歯科医はコンビニより多い、と言われています。
ただでさえ、激しい競争にさらされて、ろくに売上が立たない歯科医がたくさんあるのです。
まして、虫歯が無くなったら、どれだけの人たちが路頭に迷うことになるのでしょうか。
このように、顧客と業界で、利益が相反することがあります。
そのときに…顧客の味方になることができれば、それだけでその業界を制圧することができます。
なぜなら、「市場が常に正しい」からです。
市場…すなわち、顧客の支持を受けた側が勝利することになるのです。
例えば、眼鏡市場は、メガネとフレームが別料金…という中で、フレーム込みの料金を明示することで、一気に売上を伸ばしました。
工務店では、見積もり金額に対して、様々なオプションを付加させて、最終的には見積金額を大きく上回る額を請求する…という手法が横行しています。
そんな中、見積金額から1円も上回ることはないことを徹底して、顧客の支持を受けた工務店があります。
不動産業界では、「おとり物件」と呼ばれる、人気の高い…けれどその物件は成約済みで実際に指定することができない物件を集客に活用するという手法が横行しています。
そんな中、どれが「おとり物件」なのかを特定して公開するということをアピールして、広く支持を集めている不動産業者があります。
これらのように、業界を敵に回してでも、クライアントを守る覚悟を以て、実際に実施する。
これだけで、その業界を制圧することができるのです。
業界制圧…といえば、物々しく、攻撃的な印象があります。
ですが、やっている事自体は、ただの正攻法です。
なぜでしょうか。
繰り返します。「常に市場が正しい」のです。
市場…すなわち、顧客に害を及ぼすことばかりしていたら、藪蛇になる可能性があります。
例えば、エステ業界。
一昔前は、信用枠ギリギリまでローンを組ませて施術をする。
そんなやり方が横行していたそうです。
ですか、結果的に横行が進んだ結果、法規制により、ローンを組めなくなったのです。
本当に。
本当にただしいいことをすればいいのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
とはいえ、実際には中々できず、どうしたらいいのかわからない方は、
一度こちらをご覧ください。