昨日の続きです。昨日は、名前も読めない…プロフィール紹介もない、本当に実績も信用もできるかどうかわからない人の教材を売るにはどうしたらいいのか、という話でした。
そのための一つの方法として、
「トライアルキャンペーン」
「リスクリバーサル」
という考え方を紹介しました。
今日はもう少し掘り下げて紹介していきます。
もちろん…と言ってしまっていいかどうかはともかく。
この教材は、リスクリバーサルがありませんでした。
当然です。
セールスメッセージの全体から、
「この教材はすごいんだぜ」
「いかにして儲けてやろうか」
という雰囲気しか伝わってきませんでした。
…などという個人的な感覚を欠いても仕方がありません。
もう少し具体的に、より言語化すると、
「ありきたり」
という言葉に尽きます。
どこでも言っているような、ありきたりのメッセージで、
「買ってくれ」
というのは、自己本位という他ありません。
ある程度、信頼関係も構築した上で、
「どうせ買うならば他所じゃなくてウチで買ってくれませんか?」
などと言えるような関係性ができていれば話は別です。
けれど、今回は他所のリストで…しかも、リスト元も、8年前の取引1回だけ。
これでは、買う気にはなれないでしょう。
ダイレクト出版の代表取締役、小川忠洋著「インターネット・マーケティング最強の戦略」によると、
「インターネット・マーケティング最強の戦略は”ギブ”だ!あなたは、与えて、与えて、与えまくればいい」
とあります。
ここ何年かの間でよく見かけるようになった、プロダクトローンチというウェブマーケティングの手法があります。
はじめにメールアドレスを登録させ、何日にもわけて、何回にも分けて、オンライン上で動画コンテンツを提供します。その上で、一定期間のみの販売で、商品やサービスを販売します。
日本で、ある人が12時間で5億円売ったことで、一気に有名になりました。
ただ、瞬間の爆発的な売上金額はさほど問題ではありません。
なぜここまで売れるのか。
その裏にある、
「購入につなげるための仕組み」
を読み解くことで、プロダクトローンチという手法にとらわれずに、応用を利かせることができます。
プロダクトローンチ・フォーミュラを開発したジェフ・ウォーカー著「ザ・ローンチ」によると、
「こちらを振り向いてほしいと叫ぶのをやめ、買ってほしいそぶりも見せずに、さりげなく価値を提供して相手の気を引くのだ。」
とあります。
つまり、売るより先に価値を与えること。これが全てです。
私がよく出す例えです。
何年かぶりに、昔の同級生から連絡があり、
「会いたい」
久々の再会に懐かしさを感じながら会ってみると…ネットワークビジネスの売り込みだった。
…なんとも感じの悪い話です。
十分な関係構築ができるまでに、いきなり売り込む。
これが、このDM最大の問題点でしょう。
FXをやっている知人は、私がコピーライターだということを知った上で、渡されたDMをきちんと読み、感想を述べてくれました。
ただ、多くの場合は、感想を述べる…言い換えると、無意識に受け取った感覚を言語化することは大変です。したくありません。
例えば、ある商品を買った時に、
「なぜ買ったのか」
ある商品を買わなかった時に、
「なぜ買わなかったのか」
その理由をきちんと考えて言語化するのは大変です。
殆どの場合が、「なんとなく」でしょう。
「なんとなく感じが悪かった」
から買わないのです。
それを、具体的に言語化するならば、昨日書いたとおり、
「どこでも言っているよう話」
「この教材を買う理由はない」
「そもそも、この講師の人の名前が読めない」
「この講師の人、知らないし聞いたこともない」
「突然この講師名が出てきて、『あんただれ』って感じ」
となります。
これを更に私が解釈して言語化するならば、
「まず売り込もうとする姿勢に問題があるのではないか」
ということになります。
ただ。
ここで考えていただきたいのは、DMを開封して最後まで読み、敢えて感想を述べる、という前提で出てきたまでの話です。
売り込み臭がプンプンするような、臭いDMを受け取ったら…開けずに捨てるのが一般的ではないでしょうか。
テクニックとか、戦略、コピーライティングの技術体系以前に、無意識に忌避されてしまうだろう、というのがこのDMの問題点なのです。
どうすればいいのか。
まず与えることです。これに尽きます。
与えて、与えて、与えまくって、十分な信頼関係を築いて下さい。
セールスは、それからです。
余談です。
なぜプロダクトローンチが強力なのか。一つの理由としては上記の通りです。
他にもいろいろあるのですが、今日の本題からはずれるので省略します。
プロダクトローンチを実行しなかったとしても、知っておくべき話ばかりで…個人的には「なんてエグいんだろうか」という感想でした。
詳細につき、興味があるならばご自身でお確かめ下さい。
ザ・ローンチ ジェフ・ウォーカー著
http://directlink.jp/tracking/af/497773/3vXxo39Z/